ロングトレイルハイカーMASA、みちのく潮風トレイルを行く 準備編 Vol.4
準備編 Vol.4 「ロングトレイルの計画の立て方!」
TEXT&PHOTO/斉藤正史
ロングトレイルを歩く時の計画ってどうするの?
準備編の連載第4回では、ロングトレイルを歩くときの計画の立て方について、お届けします。
STEP.1 まずは、周辺情報を調べる
歩くトレイルを決めたら、まずはトレイル団体のホームページで情報を集めます。アメリカ3大ロングトレイルをはじめとした、シーニックトレイル(連保政府の法律により指定されたトレイル)や主要なトレイルについては、ルートを管理する団体がホームページ内にいろいろな情報を掲載している場合が多く、参考になります。とくに以下の情報について調べます。
1.無料もしくは有料で地図の提供があるか?
2.ガイドブックは販売されているか? 無料で提供しているものがあるか?
多くの場合、地図は有料で販売されています。親切な団体であれば、ガイドブックと地図がセットになったものを販売しています。また、小さなトレイル団体では、PDFなどで作ったガイドブックやJPGなどの地図データを無料でダウンロードできる場合もあります。
※見つけられない場合は、団体にメールで問い合わせすることもあります。
STEP.2 ガイドブックを元に、大まかな計画を立ててく。
各トレイルのガイドブックには、おおむね、歩行データ(距離・ポイント・水場・町)が、距離ごとに記載されています。僕の場合、1日20マイル(32㎞)を目安に行程を組みます。アメリカのホステル(大部屋の格安宿)の場合、チェックイン時間が決まっていないところも多いので、午前中には町に入りゆっくり滞在できるようにします。
また僕の場合、トレイル上で日々テントを張るポイントなども目安として決めておきます。そうすると町から町の間隔もわかりやすくなり、1回の行程で何日分の食料を準備し背負うかの判断がしやすくなります。
これらを考えながらエクセルのシートに打ち込んでいくと、予備日(天候不良などで歩けない日があるので)を含め、何日くらいで歩き終えるのかが決まってきます。
トレイルのスタート地点までの交通手段や日数、ゴール後の交通手段や帰国のスケジュールも加えると、ロングトレイル全体のスケジュールが決まります。そうしてはじめて航空券が手配できるので、トレイルの準備では一番最初に予定を決めます。
STEP.3 フェイスブックのグループを探す。
ここ2〜3年、トレイルごとにその年に歩くハイカーに向けたフェイスブックページが作られることが多くあります。ここでは、いろいろなハイカーが情報をアップしてくれます。僕も歩きながら情報をアップしたり、他のハイカーの記事を参考にしたりします。トレイルでハイカーに会うと、「お前がMASAか!」なんて声をかけられることもありますし、今やトレイルを歩く上で重要なコミュニティになっています。
STEP.5 トレイルまでの交通手段を調べます。
トレイルのスタート地点やゴール地点は、ほとんどの場合アクセスの悪い場所になります。あらかじめ調べていかないと、大変なことになります。昨年歩いたアリゾナトレイルはアクセスが非常に悪く、出発地点の町、到着地点の町ともに、公共交通機関がないという不便さでした。
ヒッチハイクだと予定が立ちませんし、タクシーを使うと高額になってしまいます。そんなときはフェイスブックのページで質問すると、思いがけない情報が入ったり、タクシーを相乗りしたりするハイカーが現れることもあります。いろいろな方法を試みてベストな方法を探します。
STEP.6 持っていく道具を装備表に入力する。
どこのトレイルを歩くかで持っていく道具が変わります。例えば昨年歩いたアリゾナトレイルでは、砂地も多いので、ブーツはレザーアッパーのモノを選択しました。また、秋の歩行でしたので寒くないようにアンダーウエアを準備したり、フリースも厚手のものを選びました。いつもなら釣り竿を持つのですが、アリゾナは乾燥地帯のため、釣りができるポイントがほぼないと知り置いていくことに。
こうして、持っていく道具と重さを入力していくと、バックパックの重さがわかりますし、一覧にするとムダな道具を持っていないかがわかります。この重さを見ながら、軽くできる荷物は軽くしていきます。
僕の場合、撮影機材も持っていくので装備は重く、食料と水を含めた総重量が30〜35㎏の間になるように調整します。
STEP.7 コスト表に入力する。
トレイルを歩く場合の費用は、1マイル=1ドル(トレイルでの食事代のみ)と言われています。これを参考に歩く国の物価や燃料の入手、携帯電話に関しても調べてある程度把握しておきます。また、行く町や泊まる施設もあらかじめ調べて予算を組みます。
これもエクセルに表入力することによって、どの程度の費用が掛かるかが見えてきます。そんなこともあり、僕のエクセルシートには、行程表・装備表・コスト表・アクセス表の4項目に計算式が入っています。
他にも、歩く国のルール、生息する危険な動植物への対処方法、治安など危険に対する備えは、出発までに可能な限り準備します。
さて、今回歩くみちのく潮風トレイルは、今年6月にオープンしたばかりですので、ガイドブックはまだありません。みちのく潮風トレイルの管理団体、みちのくトレイルクラブに聞いて各市町村の大まかな距離はわかりましたが、ざっくりとした予定しか組めませんでした。
でも今回歩くのは日本ですので、きっと何とかなるはず……。
さて、海沿いを歩くので悩むのは釣りについてです。ひと口に海釣りと言っても、対象のサカナによって様々です。トレイルを歩きながら釣りをするので、釣り道具はそんなに持てませんね。さて、僕はどんな釣りを選ぶのでしょうか? 次回以降におしらせしますね。こうご期待!
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