【ブラジル発祥のトースター】40年間ブレイクを繰り返すホットサンドメーカーの“おいしさ”の秘密
ソロキャンプのフライパン代わりになるし、ダッチオーブンみたいにうま味を閉じ込めてグリルできるなど、最近は隠れていた機能が顕わになり大ヒット!
①ターナー不要で楽ちん裏返し
粉ものをひっくり返すときは、くずさないようかなりの緊張感が走るものだが、よほど加工がはげたり油をひき忘れたりしていない限り心配無用。
②抜群の密閉力でおいしさを逃さない
ホットサンドメーカーは鉄鍋同様、ピタッと上下の鍋が閉じる。表面はパリッ、内側がふんわり・しっとり焼き上がるのはこの抜群の密閉力があるためだ。
③ミートプレスにも!
ホットサンドメーカーよりわずかに分厚い肉を挟み、フタをロックすれば適度な圧力がかかってまるでミートプレスにかけたみたいになって、肉をおいしく焼ける。
④カリカリのフチがおいしい
フチ付きのホットサンドメーカーなら、とろっとした具をこぼさずにすむ。しかも圧着されたフチがカリカリになって、食感が変わり飽きずに食べられる。
⑤アルミと鉄、どっちもイイ
ホットサンドメーカーの素材はアルミと鉄に二分される。厚手のアルミに焦げ付きにくい加工が施されているものが多く、手入れが楽。鉄は少々重いが、焚き火の熱にも負けないのが特徴だ。
⑥深型は厚切りパンや具沢山に対応
ホットサンドメーカーを閉じたときに、食材に軽く圧力がかかるくらいがベスト。5〜6枚切りならまず対応するが、8枚切りや4枚切りの食パンを使いたいときは深さに気をつけよう。
ホットサンドメーカーは2枚の鍋を組み合わせた調理器具で、ハンドルを持ってクッカーごとひっくり返すだけで両面焼きができるというほかの調理器具にはない特性をもっている。
もともとはブラジル・バウルー村出身の大学生が使っていた両面から焼けるトースターが原型だといわれており、ホットサンドメーカーが登場した当初はサンドイッチを焼くためだけの道具と考えられていた。ところが、ここ20年ほどでフライパンや鉄板でできることはたいていホットサンドメーカーでもできることに気づいた人たちが増え、数年ごとに印象的なレシピが登場して小さなブームを巻き起こしている。
今では肉まんや菓子パンを挟むのは当たり前で、焼きそばや冷凍うどんを挟んでかた焼きそば風にするなど、いろいろな食材を挟んで焼く様子を多くの人がSNSや動画サイトで発信。自宅でキャンプ気分を味わおうと試したことでバズった。それにホットサンドメーカーはソロ用の小さいフライパンと似たサイズ。ソロキャンパーならフライパンや鉄板代わりにもなると評判だ。
「技術不要で誰もが簡単にひっくり返して焼けます。それに上下がピタッと密閉するので、弱火でじっくり加熱すれば低温調理さながらしっとり焼き上がって、鉄板で焼くよりもおいしいんです。
ターナーを使わなくてもひっくり返せるので、キャンプでは洗い物が少ないというのもいいですよね」(フードコーディネーター みなくちなほこさん)
唯一ともいえる弱点は、見た目がすべて茶色くて四角くなるということだが、食べてしまえばみな同じ。見栄えよくするなら調味料やソースを挟まず、焼き上がった上からかけることで解決するし、あえて小さく切り分けてサラダにのせるなど工夫する楽しみがある。
焚き火が似合う
アルミ製も鉄製も、熱が一カ所に集中することのない肉厚になっていて焚き火との相性も良好だ。焚き火台のロストルに置いて手を離しても倒れない設計だと安心して使える。
サンドイッチだけじゃない
ホットサンドメーカーは2つの鍋を組み合わせた形状で、パン以外のものを焼いてもなんら問題なし。そばやおにぎりは、焼き固められるのがおもしろいし、粉ものはふんわり♡
【おぼえておきたいHow to use】ホットサンドメーカーの上手な扱い方5
料理初心者でも気負わず使えてふっくらおいしく焼き上がるホットサンドメーカー。そうそう失敗することはないけれど、よりおいしく作るためのポイントを5つ紹介しよう。
How to use1 時々、火の中心からずらす
いくら厚手で熱が集中しないといっても、5分の加熱なら3分真ん中、残り1分ずつ端にずらすなどケアが必要だ。炎が集中するバーナーはバーナーパッドがほしいところ。
How to use2 表と裏に目印をつける
何度も開けるとおいしさが逃げてしまうとはいえ、まちがえて同じ面を焼いたら悲惨だ。ホットサンドメーカーの両面で色が違う、デザインが違うとひっくり返し忘れを防げる。
How to use3 焚き火は熾を利用する
バーナーとは違い、薪を広げることでムラなくクッカー全体に加熱できるのが焚き火のいいところ。もちろん、炎が落ち着いた熾(写真右)で、強火の遠火でじっくり焼くのがお約束。
How to use4 パン以外で挟もう
パンで具を挟むのは当たり前。はんぺん、ご飯、麺、じゃがいもなどいろいろな食材を広げて具を挟もう。すぐ焼けるもので挟む場合は、生でも食べられる具にすると安心だ。
How to use5 底に野菜を敷けば蒸し焼きOK
深型ホットサンドメーカーなら、キャベツの外葉などちょっと硬い野菜を敷くことで網代わりに。密閉性の高いホットサンドメーカーなので少しの水で蒸し焼きができるのだ。