【イベントレポート】紳士の嗜み、シガーをキャンプで楽しむ
10月初旬、実業之日本社が発行するアウトドア総合情報誌「GARVY」と、二輪誌の「RIDERS CLUB」、「 BikeJIN」、「CLUB HARLEY」が中心となって、関係者向けのオフロード走行会&キャンプイベントを開催(イベントの様子はこちら)。実業之日本社が属するグループ企業はバイク好き社員が多く、バイクとキャンプを組み合わせて参加者に新しい遊びを知ってもらいたいという想いから生まれた企画だった。
昼は有名ライダーによるオフロード講習やビジネスバイクを使ったリレー形式のオフロードレースなどを実施し、夜はラグジュアリーなアウトドア空間で豪華なBBQなどを楽しんだ。
アウトドアでこそ、周囲への配慮を忘れずに
夜のコンテンツのひとつとして参加者が楽しんだのが、シガー(葉巻)。日本キューバシガー教育協会で理事を務めた関根真樹さんが講師役となり、さまざまなシガーを用意され、その味わい方をレクチャーした。
「シガーは、煙の量も多いですし匂いも強いものです。なので、いくらシガーが好きでも、周りへの配慮は絶対に必要です。もし、自分たち以外にも利用者がいたら、まずは十分に間隔を空けることが必要ですが、それに加えてとにかく風上ではなく風下で燻らすことですね。また、隣に座っている人に対しては、火のついた先端を外側ではなく自分の内側に向けるなどの配慮も必要です。そういった配慮ができてこそ、『紳士の嗜み』と考えます」(関根さん)
シガーは、伝統ある紳士の嗜好品。それだけに、こういった周囲への配慮はまず第一に考えることは、当然のこと。それはキャンプ場でも同じで、周囲へ十分に配慮した環境で味わうことが鉄則だ。
キャンプで楽しむときのポイント
環境の次は道具について。先端をカットするためのシガーカッターや、保管容器であるヒュミドール、といったシガー独自の道具のほかに、火をつけるためのライター(匂いが強いオイルライターはシガーの風味を落とすのでおすすめしない)が必要だ。キャンパーにおなじみのSOTOスライドガストーチや、マイクロトーチも着火しやすい。
「今回はホセ・L・ピエドラというブランドのカバレロスという名前の葉巻を用意しました。通称“ロブスト”と呼ばれる太いタイプの葉巻で、やや軽めで吸いやすく、1本660円程度と安価なので初心者におすすめです」(関根さん)
アウトドアへ持ち出す際には、ジッパー付きビニール袋やタッパーも便利だという。
「携帯用のシガーとしては、アルミチューブ(チュボス)に入ったタイプもあります。保湿のために葉巻を薄い杉材(シダー)で巻いて、チューブに入っているので、適切な湿度を保つことができるシガーです」(関根さん)
シガーをアウトドアで味わう意味
イベント参加者は関根さんのレクチャーを受け、焚き火を前にシガーとウイスキーを嗜みながら、オートバイやアウトドア談義に花を咲かせていた。その様子を見ながら、関根さんはこう話す。
「正直に言いますと、シガーは口に入った瞬間の煙の甘みと漂う香りを楽しむものであるので、オープンエアの環境では味わいが半減してしまいます。しかし、アウトドアで燻らすとおいしく感じるのも事実です。
日常から離れた開放感、風で木々が揺れる音や川の流れる音をBGMに焚き火を囲み、仲間たちとの雑談しながら酒を酌み交わす。そこで優雅に葉巻を燻らす。
もはや本質であるテイスティングは必要なく、その時間がシガーをおいしく感じさせているのではないかと思います」(関根さん)
紳士が嗜む、シガーの奥深い世界。なかなか触れる機会がないだけに、興味がある人もいるのではないだろうか。今後、さまざまな形で広がりをみせていきそうな「バイク&キャンプ」イベント。そのコンテンツのひとつとしてもおもしろそうだ。今後の情報に乞うご期待!