【もしも私が山を買うのなら vol.3】山購入のための手続きと買った後のこと
「もしも私が山を買うのなら」をテーマに、全3回に渡りお届けしている本コラム。(第1回 / 第2回)
プライベート山(語呂が悪い)でやりたいことから、何を基準に山を買おうかまでいろいろ妄想をしてきましたが、最後となる今回はいよいよ契約です!
最初こそ本気で山を買う気なんてなかったのですが、さすがにここまで調べていくと満更でもない気持ちになっているのも事実。山まるごととまでは行かなくとも、自分たちと仲間数人だけで焚き火ができるスペースなら、管理も自分たちだけでできそうだし…..!
週末になったら車に飛び乗り、満天の星空を見ながら焚き火をして昼間は開拓。
たまに友達を呼んで夜遅くまで盛り上がっても、大きな声で歌ったり楽器を鳴らしてもオールオッケー!なんてワクワクするんだ!山主に…山主になりたい……かも…!と、まだ勇気がでない私ですが、実際に購入(契約)するとなったら、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
今回も「宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!」を参考に一緒に勉強していきましょう。
1.意外とシンプル。山を購入するまでの流れ
当たり前ですが、まずは山探しからスタートです。自分が山でやりたいことやアクセス環境、管理方法をしっかり洗い出し、条件にあった山をピックアップ。
ある程度目星がついたら管理会社や森林組合に連絡し、現地を確認します。ネットの情報だけではわからない、日照具合から現地の空気感、音、斜面などをしっかりチェック。当日は歩きやすい格好で行くのが良さそうです。そこで気に入れば後は書類を揃え、後日不動産業者と司法書士立ち会いの元、売主さんと契約を交わします。
契約時に必要な書類は下記の4つ。
1.運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
2.住民票
3.印鑑登録証明書
4.実印
マンションの賃貸契約と基本的な流れは変わりませんが、契約後90日以内に行政に森林の土地の所有者届出書を提出し「ここの山主になりました!」とお知らせする必要があるようです。
山を管理するための資格取得が必須だったり、山をこんなふうに開墾し管理していきますといった計画書が必要になるかと思いきや、意外とあっさり。
ちなみに契約の時点で譲渡は完了していますが、厳密には登記の移転に10日ほどかかり、その後送られてくる「登記済権利証」をもって、晴れて山主になれるようです。
また、売買のときにかかる手数料も要チェック。
土地の費用に加えて、事務手数料、印紙代、仲介手数料、司法書士に支払う登記諸費用などがかかる。(中略)そのほか、土地を取得した後に不動産取得税がかかる。山林の不動産取得税は土地の課税標準額に税率3%を乗じた金額になる。(引用) ー宝島社 「宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!」より引用 |
2.山主になったらまずやること
「宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!」によると、契約後真っ先にやるべきことは、開拓でもなく、設計図づくりでもなく、近所の皆さんへの挨拶なんだそうです。
たしかに、急に知らない人が山に出入りして何かを始めたら不安だし怖い...!恐怖...!近所の皆さんに安心してもらうためにも、自分たちの気持ち良い山ライフのためにも最初の挨拶は必ず行いましょう。
そして、もうひとつ真っ先にやることが、山の地図をつくること。
山主たるもの、自分の山を知らねばならぬ。ということで、自分の足で歩き境界や崖など、山の環境を確認しながら地図を作ることで、管理がしやすくなるだけでなく土地利用の計画が立てやすくなったり、開墾もしやすくなるんだとか。
実はひとつの山でも、山主さんは複数人いるなんてことも珍しいことではありません。しかも山の境界線は、公図上はしっかり区切られていても、現場では曖昧なことがほとんど。
さらに言うと、公図は明治時代につくられたもののため、縮尺や面積にあいまいな部分もあるんだとか...!(地籍調査が済んでいる場所は境界杭が打ってあるそうです。)
知らぬ間に、他人の区画に入り開墾してしまったなんてことのないように、そして逆に、自分の土地をしっかり管理するためにも、予めしっかりと確認したいもの。後々のことを考えると、購入時に隣地の所有者と一緒に境界を確認するくらい徹底した方がトラブルを避けることができますし、いつか売買するときもスムーズにいきそうです。
ちょっとここで深呼吸。ここまで楽しい事ばかりに目を向けて来ましたが、山をもつデメリットもしっかり考えたいもの。はたして、本当に管理ができるのか、もし業者さんに頼むとしたらどのくらいの費用がかかるのか、山火事が起きたら?不法投棄をされたら?もしいらなくなってしまったら?
…考えたらきりがないけれど、「自分の山ブーム」に乗って勢いで買うのではなく、しっかり現実に目を向けてじっくり考える必要がありそうです。
はたして、私は山主になる覚悟はあるのか。購入を考えたからこそ、もう少し自分と向き合ってみたいとも感じるようになりました。今すぐの購入ではなく、今回調べたことをベースに熟考したいと思います。