「バイク×キャンプ」イベントから展望する2022年のキャンプイベントシーン
10月に、実業之日本社が発行するバイク誌「RIDERS CLUB」「BikeJIN」「CLUB HARLEY」と、アウトドア総合情報誌「GARVY」が中心となり、バイクとキャンプを組み合わせたオフロード走行会&キャンプイベントを開催しました。今回は、将来的な一般参加者を募ったイベント実施を見据えた関係者向けのプレイベントとして実施。これまでになかったタイプのイベントということもあり、試行錯誤しつつも現場ではさまざまなアイデアも沸きました。また、キャンプが初めてという参加者も多かったことから、我々が気づきづらい点への意見や希望、案が寄せられました。
2022年は、以前のようにイベントが多く開催されそうです。この約2年のイベント縮小期間を経て、今後どういったイベント形式が考えられるのか。現在のキャンプイベント事情を踏まえながら、ガルヴィ編集部は考えてみました。
全国各地で増え続けるキャンプイベント
2010年代前半から始まったと言われる、昨今のキャンプブーム。日本オートキャンプ協会が発行する「オートキャンプ白書2020」によると、オートキャンプ人口は7年連続で増加し、2019年時点で860万人までに至っています。同様に、キャンプイベントの数も増加しました。(2020年はコロナ禍のために減少しています)
東京・代々木公園で2011年から開催されているアウトドアデイジャパンは、福岡、札幌、名古屋、大阪と全国に開催拡大。累計129万人以上が来場し、毎年多くのキャンプブランドが出展一大イベントとなっています。
また、2008年から雑誌GOOUTが主催する「GOOUT CAMP」や「GOOUT JAMBOREE」も、開催規模や参加人数が拡大。ファミリーで参加しやすくキャンプ色の強い「New Acoustic Camp」や「CAMP BOOK」「PEANUTS CAMP」など、新たな音楽系キャンプフェスの数も増えており、グリーンシーズンには毎週のように各地で開催されるようになりました。
GARVYでも、毎年恒例(2020年、2021年はコロナ禍のため開催中止)の読者参加型イベントの「キャンプで会いましょう(キャン会い)」、アウトドアの達人によるワークショップや体験型コンテンツに特化した「GARVY CAMP FES」、本誌おすすめのキャンプ場で気軽に参加できる「ミニキャン会い」など、これまでさまざまなイベントを実施してきました。いずれも多くのキャンパーに参加いただき、読者同士での交流の場としてキャンプの輪が広がることを目指し、おかげさまで好評を得てきました。
異業種との組み合わせも増加中
近年増えているのは、異業種やアクティビティと組み合わせたイベント。サウナと組み合わせた「Sauna Camp Festival」や、自転車ツーリングキャンプをテーマにした「BIKE&CAMP」といった新イベントにも多くの参加者が集まっています。
これらのイベントは、2020年3月以降、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、多くのイベントが開催自粛を余儀なくされてきましたが、2021年の緊急事態宣言解除から徐々に再開。2022年に向けては、アウトドアデイジャパンの4月から東京、福岡、名古屋、札幌、大阪での開催、フィールドスタイルは、4月と5月にイベント開催が発表されていることから、さらなる盛り上がりが期待されます。
体験型イベントと「バイク×キャンプ」の可能性
アウトドアイベントに限らず、「モノ」よりも「体験」を楽しみたい方は、ずっと増え続けています。キャンプを楽しむ皆さんはそのまっただ中にいらっしゃいますが、「キャンプ×○○」という形で、もっといろいろな体験をしてみたいと思う方も多いでしょう。
現在、実業之日本社からは3つのバイク誌が発行されています。スポーツライディングをテーマにした1978年の「RIDERS CLUB」、ツーリングをメインにバイク旅スタイルを提案する「BikeJIN」、憧れの“ハーレーダビッドソン”をテーマにしたライフスタイル誌「CLUB HARLEY」の3媒体で、それぞれサーキットでの走行会イベント「RIDING PARTY」やキャンプデビューをサポートする「BikeJIN Camp Meeting」などイベントを実施してきました。
新たに「バイクの遊び方を広く提案したい」と考え開催されたのが、冒頭のプレイベントです。初回はオフロードコースの敷地内に豪華なキャンプ空間を設置し、昼は有名ライダーによる講習会やコース走行、夜は焚き火やキャンプ料理を楽しむ形で開催しました。
普段のキャンプ・バイク体験を、さらに豊かにするために
プレイベントを実施して感じたことは、バイク好きにとって「キャンプは新鮮な体験」であるということ。レース会場に前泊してキャンプすることはあっても、バイクに乗ることを主としているので、宿泊体験は基本的に2の次。ガルヴィが持ち込んだ流行のキャンプギアには興味津々。そして、普段あまりしない(参加者談)焚き火を長い時間楽しんでいました。
それはキャンプをする人にとっても同様で、オフロードコースは、キャンプ場に比べてより自然に近いのままの環境。高規格キャンプ場に比べると整った環境ではありませんが、貸切ということもあって夜は静かに自然の音のなかで宿泊できるし、きれいな星空を見ることもできます。新たなキャンプを求めている人にとっては、新鮮な体験になるでしょう。
例えば、会場にさまざまな新旧の人気バイクがあり、それを自由に試走できるキャンプイベントであれば、バイク好きも、普段は乗らないキャンプ好きも楽しめそう。
ここ十数年の傾向として、40〜60代になって再び復帰するリターンライダーが増えています。GARVY読者のなかにも、過去バイクに乗っていた人もたくさんいらっしゃるでしょう。キャンプ場にもバイク乗りが増えましたが、バイクキャンプに適したキャンプ場というのは多くはなく、また「探しにくい」ものです。周囲がファミリーキャンパーばかりだと、なんだか居心地が悪いときも。
バイクをメインテーマにしたキャンプイベントであれば、そういった不安もなく、最新バイクの走行体験や有名ライダーとも気軽にコミュニケーションができる、多くの人に楽しんでもらえるイベントになるのでは、と考えています。
このようなキャンプイベントを、2022年の実施に向けて検討中。「こういったイベントにしてほしい」などの要望があれば、こちらの問い合わせから編集部までご連絡を。続報は、GARVY本誌や当サイトで伝えていく予定です。新しいバイク&キャンプイベントを一緒に楽しみましょう!