コールマンやモンベルなど2022年新製品レビュー(開発裏話も)
キャンプに行きたくなるニューアイテム満載!
今年も続々新製品情報が発表され、各社のラインアップの全貌が、徐々にわかりつつあるキャンプギア。コロナ禍の影響で、昨年に続き一気に春発売というわけにはいかないようだが、GARVYではひと足お先に注目新製品をカタログで紹介。キャンプ場に持ち出しての、恒例の新製品レビューは、メーカー担当者による開発裏話付きで展開!
ロゴスソーラーブッシュタープ (1万9900円)タープVポール (8900円)
ちょっとワイルドな話題のスタイルが手に入る!
ブッシュクラフトにちょっと憧れる人へ
ソロキャンプ、とりわけ野性味のあるブッシュクラフトが人気だが、ロゴスの新作「ソーラーブッシュタープ」はそんなユーザーの動向を受け止めた製品のひとつだ。
1点の角が長く伸びた菱形タープで、3点の角を地面に直接ペグダウンすれば、ひとり分のギアが収まるシェルターとなる。別売りのストレートポール(250cm程度)を用いてもいいが、同じく新作である「タープVポール」を使えば、ポールをよけずに出入りできる。もちろん、通常のタープのようにストレートポール2本で支えることもでき、片側が伸びたその姿はスタイリッシュ。
もともとロゴスの幕は、アメリカの難燃性基準"CPAI- 〟に適合した生地を採用しており、燃え広がらないのが特徴。さらに、ポール部分に別売りの「耐火・断熱シート( × cm)」を取り付けることで、ギリギリまで焚き火台を寄せられるのもポイント。「ブッシュクラフトに憧れているがタープのアレンジは苦手」という人も安心して使用できる。
夏のソロならこれだけでいいかも!?
二股ポールの収納サイズは25×8×58cm、3.2kg
耐火・断熱シートの取り付けOK
Vポールはテントをまたげる!
とっておきの製作秘話
「ソーラーブッシュタープ」は、“ソロキャンパーのためのタープ”というコンセプトのもとで開発しました。この独特の形状は、使用シーンを特化したことでたどり着いたデザインとなっています。
通常のタープのようにも使えますが、「タープVポール」と合わせて使うことで出入り口の間口を広くし、快適で、心地よい空間づくりが簡単にできるのが一番のポイントです。(ロゴスコーポレーション)
コールマンタフドームエー/240+ヘキサセット(5万4800円)リバーシブルファンベンチレーション (3980円)
真夏の熱気を強制排気! 寝室の明るさだってコントロールできる
積極的に空気を循環させて湿気と熱気をコントロール
コールマンの新作テント"エアー〟シリーズは、夜までテント内に熱気がこもる、日本の夏キャンプシーンを鑑みて開発された製品だ。もともとコールマンのテントは、優秀なベンチレーションを搭載しているが、さらに小型ファンで積極的に空気を循環させられるのがうれしい。
同社では2003年に「テントクーリングファン」、2010年代には「リバーシブルファンベンチレーション」の原型ともいえる「テントファン」が発表されていた。新作「リバーシブルファンベンチレーション」では、手持ちのモバイルバッテリーを使えること、そして向きを入れ替えれば空気の排気も可能なのが大きな違い。専用ハンガーとバッテリー類を入れられるポケットが用意されており、居住性はお墨付き。ダークルームテクノロジーとファンによる積極的な空気循環で、涼しい寝室を生み出せる。
ファミキャン用の240、3025、2ルームだけでなくソロキャン用のツーリングドームにも"エアー〟があることも好感が持てる。
テント本体は405×240×H162cm
収納サイズは全部まとめて68×22×18cm、8kg
ファンの取り付けは専用ハンガーで
インナーは伝統のフレームワーク
ファンのサイズはφ18×7.5cm、300g
とっておきの製作秘話
今回はダークルームテクノロジーにワイドエアーシステムも導入し、いままで以上に、より涼しいキャンプ体験を可能にしました。このシステムは、通常のメッシュより1.5倍のワイドエアメッシュとリバーシブルベンチレーションによって、外の低温の空気を強制的に取り入れ、こもった熱気や湿気を排出し気流をつくりあげるので、テント内の温度上昇や人間が感じる体感温度を素早く下げることが可能になります。(コールマン事業部)
MSRハビチュード4 (7万9200円)
MSRの軽量ファミリーテントにタンカラー登場
日本人好みのカラーがついに登場!
MSRのテントは、遠征用やバックパッカーに愛される軽量コンパクトなものが中心だった。しかし、2020年に突如として発表された「ハビチュード」は、その流れとは一線を画すモデルだ。インナーの全高は185cm、大人でも直立できる余裕の高さで4人就寝が可能。出入り口は1方向のみだが、その分ファスナーを減らせて、総重量は驚きの5・75kg 。高強度でありつつ、よくしなるポールを採用しており、きれいに張れる。
ファミリーに理想のテントだが、MSRらしい白赤でも、伝統のベージュでも、ヨーロッパ仕様のグリーンでもない。かつてのタープ「ランデブー」に似たブルー。爽やかだが、日本のキャンパーからはナチュラルカラーの要望も強かった。
2022年、そんなハビチュードに待望のタンカラーが登場する。同社タープよりも淡いタンは、日本のフィールドになじむ色調で日本限定色。ちょっとだけ歩いてアプローチすることが多い"プチ冒険〟好きファミリーが、手に取りやすくなった。
収納サイズはφ23×58cm、
総重量わずか5.75kg
独自のポール構造+ポーチライトは健在
テンション上がる赤いポール
フレームヌケがないから
設営ストレス知らず
とっておきの製作秘話
親から子へ、アウトドアの楽しみを伝えるホームベースとなるテント。背が高くて開放的でありながら、強度が高くて悪天候時でも安心して使えます。撮影用は4人用ですが、6人用もありますよ。
タンカラーは、ほかに「ランデブーサンシールドウィング」、バックパッキング用の「ハバハバシールド」シリーズ、「フリーライト」シリーズ、「エリクサー」シリーズなどに採用されます。6月発売予定なのでお楽しみに。(モチヅキ)
モンベルサテライト マルチランプ (1万890円)
積極的に虫を集めればリビングは虫知らず!? 逆転の発想で勝負
老舗キャンプギアメーカーが作る
大容量充電池付きLED
今回、モンベルが発表した「サテライト マルチランプ」。容量は3・7V 1万3500mAh/50Wh。防災ギアとして、2000年代はじめからソーラー充電ギアを発表していた同社。当然、大容量を活かしたモバイルバッテリー機能を搭載している。それもスマホばかりか、ノートパソコン(一部)の充電ができるのは心強い。
明るさは最大1500ルーメン、最小120ルーメン。先行するライバルたちと同じで、扱いやすい明るさだ。もっとも老舗アウトドアギアメーカーだけあり、ライバルにはない機能がある。
大容量ランタンを遠くに置いて、虫を引き寄せるという古くからの手法があるわけだが、LEDの光は虫が寄りにくい。離れた場所からリビングを照らすタイプのライトを開発したモンベルは、誘虫ライトを装備することで、あえて積極的に虫を誘うこととしたのだ。これなら食卓のキャンドルに虫が寄りにくい。キャンプでの使用シーンを考慮した設計が光るライトといえるだろう。
光の色は電球色、温白色、白色、 昼白色の4タイプ
収納袋でランタンに!
スマホやノートパソコンの充電もOK
マグネットとベルトでいろいろなところに取り付けられる
本体にはマグネットが内蔵されているほか、長さを調整できるベルトが装備されている。アルミポールやハンギングチェーン、クルマのバックドアやルーフキャリアなど、いろいろなところに装着できる。
とっておきの製作秘話
「サテライト マルチランプ」は名前のとおり、離れた場所からリビングを照らすスタイルを活かし、虫をおびき寄せる機能をつけました。
この誘虫ライトには、人体に悪影響のないUVライトを使用しているので安心してご利用ください。
また、強度と柔軟性を併せ持つバンド、強力な内蔵磁石を備えることで、フックなどを用意しなくてもさまざまな場所に設置できるようにしました。(モンベル)
ogawaアルミGIベッドワイドⅡ(1万8150円)
圧倒的に安定感アップ! ワイドタイプでストレスなく眠れる
伝統スタイルのコットはやっぱり使いやすい
コットといえばGIベッド。腰を下ろしやすく、スムーズに眠る体勢に入れるのがいい。目覚めてから立ち上がるまでの一連の動作も、よどみなくすむ。端のほうに手をついて、コットが不意に傾く心配もない。
ogawaの「アルミGIベッドワイドⅡ」は、伝統的なスタイルを引き継ぎながら、真ん中の脚にストッパー機能を追加することで安定感を増している。ワイドタイプで幅は cmとゆとりがある。張りがありつつも、力任せの組み立てではない。これまでの伝統的なコットは、デッキの張りを重視してかフレームを押し込むのに力が必要だったが、その不安がなくなっていることも注目したい。
腕がフレームに
当たりにくい幸せ
収納サイズは102×19×9.5cm、重量6.9kg
お世辞にもコンパクトとはいえないが、ふたつ折りの本体を広げて脚を回転させ、両端にフレームを通せば組み立て完了。組み立てるときに長辺側にフレームを通さなくていいのは、とにかくスムーズなのだ。
とっておきの製作秘話
1950年代ころの資料しか残っていませんが、木製フレーム「寝台ベッドI型」という製品をキャンプ向けにアルミフレームにしたものが「GIベッド」と聞いています。今回、この製品をより安定感を高めて新発売としました。(キャンパルジャパン)
ベルモントシェラカップコジー600 (1320円)シェラカップコジー480 (1210円)
シェラカップの飲み物が冷めにくい! 手触りもいい感じ
ありそうでなかった
シェラカップの格上げアクセ
カップ、食器、調理器具、小物入れとマルチに活躍するシェラカップだが、いかんせん寒い季節のキャンプでは、すぐに冷える。火にかければいいとはいえ、寒いときはそのためにタープ外のキッチンエリアに出るのもおっくうだ。
ベルモント「シェラカップコジー」はクロロプレン(通称ネオプレン)生地でできたコジーで、シェラカップの放熱を抑えてくれる役割をもつ。断熱性が高いので、熱々のスープを入れたシェラカップを、丼のように手でつかめる。より食器らしく扱えるのがいい。
いちいち温め直しするのが面倒、そしていちいち食器を取り出すのもおっくうな"ちょいモノグサ〟キャンパーを助ける名脇役になる予感大。
ハンドルに通すから落ちない! スタッキングもOK
とっておきの製作秘話
初期サンプルから大きく3回デザインを変更し現在の形になりました。デザインが決定してからは、数ミリ単位で最善の使い心地を求め試作を繰り返し、現在のシェラカップにピッタリ張り付くような形状と大きさになりました。(ベルモント)
ベルモント TOKOBIチムニースクリーン(1万7600円)
TOKOBIフルセットに載せるだけで燃焼効率アップ
取り付けるだけでパワフル二次燃焼!
焚き火ではTOKOBIのみ、オーブン料理を楽しみたいならアイアンプレートをプラスする、といった具合に、多彩な拡張が魅力の焚き火台・TOKOBI。そんな同モデルに新たなオプション「TOKOBIチムニースクリーン」が仲間入りする。
チムニー=煙突ということで、アイアンプレート付属の「TOKOBIフルセット」に取り付ければ、上昇気流によって煙突効果が高まる。
側面2面が二重壁になっており、高温になればなるほど二次燃焼が発生し、煙が出にくくなる。深くなるので、風の影響も受けにくくなるメリットもある。
もともとTOKOBIは、非常によく燃える焚き火台だが、これにチムニースクリーンを取り付けると炎の勢いが増す。二重壁が2面のみのため、常時、炎が壁から噴出するわけではないが、火床に残る灰は圧倒的に少なく、ストーブほどではないがじんわり暖かい。パワフルな焚き火を使用したいときに、便利なオプションの誕生だ。
開いて TOKOBIに載せる
Spoonfulコラボのトートにまとめて収納
とっておきの製作秘話
他社二次ストーブより隙間が多く、オプションを載せるだけで果たして効率よく二次燃焼が起きるのか、やってみないとわからない状態。試作を繰り返し穴の大きさや間隔のベストを導き出し、さまざまなシチュエーションで試し、火床内の安定した高い温度が大切なことがわかりました。これにはアイアンプレートが強力に威力を発揮し、その保温力が火床の安定した温度を作り出し、上昇気流も合わさり安定した2次燃焼ストーブが完成しました。(ベルモント)
モンベルシームレス バロウバッグ#3 (1万5950円)
バロウバッグにも待望のシームレス構造が誕生
あの縫い目なし寝袋に
化繊モデル登場
表からは縫い目が見えない寝袋、という新しい概念を生み出したモンベル。その化繊バージョン「シームレス バロウバッグ」が誕生した。
通常、化繊中綿はシート状になっており、ただ生地で挟むだけでは中綿がよれて破れてしまうため、多くの縫い止めが必要となる。しかし、モンベル独自の中綿「エクセロフト」は太さの異なる繊維を固着し、高い耐久性を持つため縫い止めが最小限ですみ、表生地に出るはずの縫い目を排除している。表側に縫い目がないので、冷たい空気の影響を受けにくく、裏地側は糸ゴムによって最大135%伸縮する。ダウンほどではないがコンパクトに収納でき、濡れにも強い。
縫い目が少ないから
放熱を低減
内側は伸縮してほどよくフィット
とっておきの製作秘話
新作の「シームレス バロウバッグ」はシームレス化しているだけではありません。じつは生地の素材も改良しているんです。だから、前モデルのバロウバッグよりも100g以上の軽量化を実現しているんですよ!(モンベル)
コールマンパックアウェイランタンスタンド (4580円)
2ウェイで使える軽量ランタンスタンド
ソロ&デュオだけでは
もったいないかも!
軽量ランタンスタンドがコールマンより登場。重量はわずか640g。手軽に持ち運べ、ソロやデュオでの使用向きということで、〝パックアウェイ〟の名を冠している。
アームは2方向に伸びており、耐荷重は片側のみなら2kg、両側を使う場合は各1kgとなかなかタフ。乾電池4本利用なら「クアッドマルチパネルランタン」にも対応する。
専用のネジ山付きペグと、テーブル取り付け用のクランプが付いていて2ウェイで使用できる。また、スタンドは分割でき、長さを4段階に変えられる。いつもはファミキャン、時々ソロを楽しむ人にとっても使いやすい仕様だ。
収納サイズは
8×5.5×37cm、640g
ペグの頭にもネジ山あり
天板利用は高さを無段階調整可
とっておきの製作秘話
テーブルへの使用を目的とした使用方法・耐荷重設定に苦労しました。取り付けた際に安定し、安全に使用してもらうための細かな使用方法、取り付けた際はどの重さまで対応できるのかを確認。コンパクトかつ2ウェイに仕上げました。(コールマン事業部)
DATE|オートキャンプ・フルーツ村
■千葉県君津市旅名96
■℡. 0439-38-2255
ファミリーキャンパーが中心だが、小誌連載が好評なヒロシさんの番組でも利用されたため、ソロも激増中。あらゆるスタイルのキャンプに対応してくれて、カヌー&カヤック体験ができるのも楽しいキャンプ場だ。
PHOTO/佐藤弘樹 TEXT/大森弘恵