今さら聞けないあの用語、教えて①タープ・テントの張り方編
ベテランキャンパーは当然のように使っているけれど、ぼんやりとしか意味がわからない言葉。そんな今さら聞けない「あの用語」を集めてみた。
今回はタープ・テントの張り方編である。
【設営】オガワ張り
100年の歴史を誇るogawaブランドが考案した「システムタープ」の張り方を「オガワ張り」と言う。本来、オープンタープとテントの出入り口を接続する際、どうしても張り綱とポールが邪魔になってしまう。ogawaはメインポールとタープの間に幅広のテープを設置することで、テントの後ろにメインポールを立てられるようにした。風でタープがあおられやすい面はあるものの、ストレスなくテントとタープを行き来できる発明だ。
【設営】直打ち
通常、地面に打ったペグは、張り綱を引っかけてテントやタープを固定する。「直打ち」はタープの張り綱を使わず、ポールを短くしてタープのグロメット(鳩目)にペグを通して直接地面にさす方法。張り綱がない分、タープの屋根の角度が鋭角になり、有効面積も小さくなる。メインポールを1本にして、反対側を直打ちするというスタイルは、ソロキャンパーに人気の設営方法。
【設営】片落とし
ポールの長さはそのまま、タープ片側の張り綱を短くして地面近くまで落とし、反対側をサブポールで張り上げると圧迫感が少なく、面積は小さくなってもゆったり過ごせる。直打ち同様、広い場所を取りにくい林間のフリーサイトや、コンパクトな区画サイトで有効。地面近くまでタープを落とすため、風よけとしてもまずまず使える。
【設営】ステルス張り
野営好きの間で知られる張り方のひとつで、1m程度の無段階で長さを変えられるポールと正方形のタープで設営。テントのようにフルクローズが可能だ。いろいろな建て方があり、その一例を紹介。まず①②③④を直打ち、角の⑤⑥をそれぞれ内側⑤⑥あたりに仮止め。ポールを立て、あとはバランスよく周囲をとめて⑦⑧とその中間を張り網で引っ張り、ひさしを作る。奥に短いポールをもう1本追加してもいい。
【設営】カンガルースタイル
大きなオープンタープやシェルターの下に、小型のテントをすっぽり入れて過ごすのが「カンガルースタイル」。リビングスペースが狭くなるものの、大型テント+タープやシェルター+インナーテントよりも雨の日の撤収が楽だと話題になっている建て方だ。小型テントのフライシートを使わなくてもいいので、夏は通気性よし。真冬はフライシートを使うことで外にテントを建てるよりも暖かい。
ILLUST/岡本倫幸
TEXT/大森弘恵
出典:ガルヴィ2022年6月号