どれが正解? 人気ショップに聞いたタイプ別焚き火台の選び方
「キャンプに行くのは、焚き火(またはBBQ)をするため」と公言するキャンパーは少なくない。しかし、基本の使い方や片付け方を身につけている人は意外に少ない。
今回はアウトドアショップ「sotosotodays」店長の野毛陽平さんと共に、焚き火台の選び方から見ていこう。
Advisor:野毛陽平さん
神奈川県小田原市のアウトドアショップ「sotosotodays」店長。sotosotodaysは幅広い品ぞろえを誇り、その人にあった本当に使いやすいモノとは何か、いっしょに考えてくれると評判。野毛さんほかスタッフに相談に訪れるファンは多い。
炎の性質を知り理想の焚き火を
焚き火人気の高まりとともに、いろいろなデザインとサイズの焚き火台が誕生している。薪の組み方次第で、炎は大きくも小さくもなる。基本的に、炎は下から上に燃えていく性質がある。つまり、薪を立てるように置けば炎は高く燃え、薪を平らに並べると炎はさほど高くはならない。
一方で、薪が燃えるには空気と一定以上の熱が必要だ。みっちり薪を整列させると空気が通りにくいので炎は大きくならないし、燃えさかる焚き火から一本だけ薪を取り除き、別の焚き火台に置くと、いつの間にか消えていることも。
つまり、深型で薪を立てるように置くタイプの焚き火台は大きな炎を愛でたい人向き。ディスク型焚き火台は薪の組み方に自由度があるので、焚き火を使い分けたい人向きといえる。
自由に薪を組める平型
ディスク状のシンプルな焚き火台。大きな炎がほしいなら高く積み上げ、穏やかな炎を作るなら平行に……、と狙い通りに薪を組めるのが楽しい。焼き網付き。
■薪の組み方 自由!
■炎 よく見えるけれど薪が地面にこぼれることも
■燃焼効率 薪の組み方次第
■メンテナンス 比較的楽
だれでも簡単に扱える深型
スタンドと本体を広げ、ロストルとともに組み合わせるだけなので組み立ても片付けも簡単。比較的深めなので薪を適当に入れるだけでもよく燃える。焼き網付き。
■薪の組み方 入れるだけ
■炎 見えづらいが薪が地面に落ちにくい
■燃焼効率 だれでも簡単、よく燃える
■メンテナンス パーツが多いと大変
炭おこしもOK 多機能型
1~2人用の焚き火台であり、小さなグリル、そしてファミリーキャンプ用の炭おこしなど、多機能ぶりが自慢の1台。煙突効果で薪がよく燃える。ゴトク付き。
■調理面積 細長い煙突型なので少人数向き
■火力調整 焼き面が小さいので火力は均一
■炭への着火 煙突効果で着火が楽
■メンテナンス パーツが多いと大変
調理に特化 BBQグリル
シンプルな箱型BBQグリル。脚を短くすればローチェアで囲むことも可能だ。引き出し式のロストルで炭の継ぎ足しが楽にできる。
■調理面積 必要十分!
■火力調整 場所によって木炭の量を変えられる
■炭への着火 木炭を組むなど工夫が必要
■メンテナンス パーツが多いと大変
野毛さんからのアドバイス
まず薪の入手方法を考えれば、必要な焚き火台の大きさがわかります。購入するなら40㎝の薪が乗るサイズ、拾ってくるなら40㎝にこだわる必要はなく、小さくても大丈夫。また、料理をするならゴトク、BBQなら炭おこし機能や焼き網もほしいところ。ダッチオーブンを載せたいなら耐荷重も確認しよう。
PHOTO/猪俣慎吾
TEXT/大森弘恵
協力/sotosotodays、ヤマケン
出典:ガルヴィ2022年6月号