ルール違反や事故を防ぐための、焚き火の着火と消火講座
「キャンプに行くのは、焚き火(またはBBQ)をするため」と公言するキャンパーは少なくない。しかし、基本の使い方や片付け方を身につけている人は意外に少ない。
今回はアドバイザーのヤマケンさんと共に、焚き火の着火と消火を見ていこう。火を扱うには細心の注意が必要だ。そのあたりも含めて、しっかりとおさらいしておきたい。
Adviser:ヤマケン
イラストレーター。愛称はヤマケン。キャンプ場でバイトをしながら日本各地を旅し、現在は自分のキャンプ場作りに向けて奮闘中でもある。
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着火のポイント
ヤマケンさんからのアドバイス
太い薪にはなかなか火がつきません。小枝から徐々に太い薪へと火を移していくのがお約束の着火だけれど、薪の表面を何層も薄く削いでおくと、太い薪でも比較的燃え移りやすいですよ。
焚き火台の設置場所
テントやクルマから離れ、張り綱が多い場所を避ける
湿気た薪や炭は突然爆ぜる。化繊の服やテントに火の粉が付着すると、小さな穴があきかねない。また、焚き火の熱は思いのほか高く上昇するので、木のそばも避けて。人の動きが制限される張り綱、クルマのそばも避けたい。
火力調節/木炭の量を変えておく
BBQの火力調節は、焼き網の高さを変えるか、木炭の量を調節するしかない。あらかじめ木炭が多い場所と少ない場所、木炭のない場所を作っておけば、炭や網をいじらなくても気軽に火力調整できる。
良質な木炭は火力が強い。さっと焼き色をつけて、下に木炭がないエリアに移動させても、肉の芯までじっくり火が通る。
木炭着火のポイント
①木炭でヤグラを組む
長さがそろった木炭で着火剤を取り囲む。着火剤に火をつけたら、小さなすき間を作るようにして上にも木炭を載せておく。このまま放置すれば火がつく。
②チャコールスターターを利用する
木の中には地面から水を吸い上げる管がある。木炭になっても管は残っているので、この管がまっすぐ上を向くように並べると空気が流れやすい。あとは火をつけた着火剤の上にチャコールスターターを載せるだけ。
木炭·薪の消火
①ひとつずつ水に浸けて消火
灰になるまで燃やし尽くすのがベストだが、就寝時など早く消したい時がある。そんなときはバケツにたっぷり水をくみ、木炭や薪を1本ずつ浸して消火する。
②指定の場所に捨てる
表面の火が消えても芯に熱が残っていることがある。薪や炭を細かく割り、芯まで消えていたらキャンプ場の指定の場所に捨てる。灰捨て場がないなら、密閉した缶に入れて持ち帰ろう。サイトに放置はだめ、絶対。
PHOTO/猪俣慎吾
TEXT/大森弘恵
協力/sotosotodays、ヤマケン
出典:ガルヴィ2022年6月号