焚き火トラブルは回避出来る?3つの方法を試してみた
気分が盛り上がったり、ちょっと寒いなと思ったりしたときに、つい大きな炎で焚き火を楽しんでしまいがちだが、火の粉を飛散させてしまったり、手に負えないほどの炎になってしまう危険性がある。決して必要以上に大きな炎をおこさず、自分でコントロールできる範囲で焚き火を楽しむようにしたい。
薪の組み方で炎の大きさは変わる?
「井桁型」「合掌型」「並列型」3タイプの焚き火を比較してみた。その結果、「井桁型」はすぐに火が立ち上って大きくなった。「合掌型」は薪に着火するまでに時間がかかったが、つくと大きな炎が上がった。「並列型」は大きな炎が上がることなく、終始穏やかに燃え続けた。キャンプでの焚き火は「並列型」が安心だ。
〈使用した焚き火台〉
キャプテンスタッグ ラウンド ファイアベース(ブラック)
1万3200円
さまざまな薪の組み方ができるディスクタイプの焚き火台。スキレットなどが置けるゴトク付き。
【問】キャプテンスタッグ
3つの方法で大きな炎を消火してみた!
「急に風が強くなってきた」「火が大きくなりそう」というときに、どんな方法で消火すればいいのか? 消火に適しているといわれる3つの方法で焚き火を消火し、消火しやすさや消火具合などを検証してみた。
①バケツの砂で消火
15ℓのバケツに8分目の砂を入れて消火に挑戦。持ち上げるとかなり重量感がある。
投げかけるのは大変! 重い砂を投げるようにしてかけるのは難しく、上からかけるような形になってしまった。
ボリュームのある砂が炎にのり、一瞬で消火完了。ただし、しばらくは煙が漏れ出ていた。
〈結果〉
重いので、上からかけるような感じになってしまった。しかし、まとまった砂が一気にかかって酸素が断たれ、思った以上にスマートに火が消えた。
②バケツの水で消火
15ℓのバケツに8分目の水を入れて消火。持ち上げた印象は、砂に比べると少し軽い感じ。
意外と投げかけは簡単。砂のときより火から離れた位置で投げかけることができたので、恐怖感は少なかった。
消火後は火がくすぶることなく見事に鎮火。ただし煙はモクモクで、焼け残りも散乱した。
〈結果〉
1杯の水だけで消火できるのかどうか不安だったが、しっかり消すことができた。ただ消火後に煙が出るので、周囲に迷惑をかけることになるかもしれない。
③消火クロスで消火
初期消火用のガラス繊維製の消火クロスでチャレンジ。サイズは100×100cm。
広げて炎に近づいてクロスをかぶせなければならないので、3つのなかではいちばん怖い。
密閉が消火の条件。酸素を断つために隙間なくかぶせる。クロスが燃えることはないが表面は多少焦げてきた。
〈結果〉
10分後、火は消えていたがクロスを外してしばらくすると再発火した。完全消火には長時間かぶせっぱなしにしておくか、種火を水で消す必要がある。
大きな炎にしないためには、薪を無闇に入れないこと。燃料となる薪が多いほど、炎も大きくなってしまう。ちなみにコントロールできる炎とは、薪を動かすだけで火力が調節できるくらいが目安と考えておこう。
また、薪の組み方によっても、炎の上がり方が変わってくることを覚えておこう。炎の特長を知っておけば、火の大きさだけでなく、火の粉の飛散を抑えることもできる。しかし油断は禁物。万が一、炎が大きくなってしまったときに備えて、消火できるように水などをきちんと準備をしておこう。
PHOTO/佐藤弘樹
TEXT/牛島義之
撮影協力/PICA富士西湖 https://www.pica-resort.jp/saiko/
出典/ガルヴィ2021年12月号