大自然の水風呂でからだを“ととのえる“人気沸騰中のサウナキャンプには魅力がたくさん!
2022年のキャンプシーンで、大きなトレンドとなったテントサウナ。
その魅力とは、いったいどんなものなのか?
日本における第一人者であるSauna Camp.の大西 洋さんに話を聞いた!
■Sauna Camp. 大西 洋さん
サウナキャンプの文化を日本に広めているSauna Camp.代表。
テントサウナ「NORZH」代理店を務め、イベントプロデュースも多数。
アウトドアで「ととのう」すばらしさを伝えるべく、誰もがテントサウナを安全かつ気軽に、さまざまな場所で楽しめる未来を目指して日々活動している。
■サウナキャンプの魅力
サウナの本場フィンランドと同じ体験が、サウナキャンプならできる、と大西さんは語る。
「サウナキャンプなら、本場フィンランドと同じ体験ができることが大きいと思います。フィンランドでは、サウナから湖へ飛び込める場所がたくさんあります。日本でも少しずつ増えてきましたが、まだまだ数は多くありません。しかし、テントサウナがあれば、本場と同じ大自然の水風呂へ入ることができます」
1999年、フィンランドのsavotta社が、初めてテントサウナを一般向けに商品化したのが、サウナキャンプの起源といわれている。
日本では、2009年に初めてテントサウナが行われ、本格的に流行しはじめたのは2018年ごろからで、現在に至るという。
「テントサウナは世界最小単位のプライベートサウナです。日本のサウナは、基本的には公衆浴場なので、他人との共存が不可避。しかし、プライベートサウナなら自分の好きなアロマで「ロウリュ」を楽しむことができるし、迷惑にならない範囲で仲間とおしゃべりすることもできます。また、男女一緒に楽しめるのも大きな魅力です」
なぜ、これほどサウナキャンプの人気が広がっているのだろうか? 大西さんの見解を聞いてみる。
「サウナ、キャンプともに人気が高まっているので、ある意味では必然といえます。サウナとキャンプのどちらにも共通することは、自然を楽しむ行為であること。デジタルデバイスに一日中触れている現代人は、どこか自然とのふれあいを求めているのだと思います。サウナは、〝自然と一体化する装置〟ともいわれているので」
薪に火を入れて体をあたため、冷たい湖でクールダウンする。
森の風に吹かれていると、何も考えられない穏やかな気持ちよさがやってきて、自分と世界の境目が曖昧になるような、独特のリラックス感覚があるという。
「生まれ変わったようなスッキリ感は、自然のなかのサウナの方が圧倒的に強いです」
つまり、サウナが本来もつすばらしさを体感しやすいことが、人気の一因だと大西さんは語る。
さて、サウナキャンプが楽しめる季節だが、ビギナーにとっては春夏がベストシーズン。もちろん秋でも楽しめる。「個人的には冬に楽しむのが好きです。冬はキャンプ場に人が少なくて落ち着いていて、水風呂も冷えているし、空気が本場に近くて気持ちいいです。冬の湖畔でテントサウナをぜひ楽しんでみてください」と大西さん。
つまり、オールシーズン楽しめるということ。
しかし、エキスパートの大西さんのように、いきなり雪中サウナを楽しむのはハードルが高い。
やはり、まずはこれからの秋シーズンに、一度チャレンジしてみてからのほうがいいだろう。
サウナ自体にあまり慣れていない人は、まずは一般的なサウナ施設で試してからでも遅くない。
TEXT/大橋保之(カーネル)
取材協力/Sauna Camp.
出典/ガルヴィ2022年10月号