サウナキャンプで「絶対に注意すること」とは?知らないと命にかかわることも…!?
2022年のキャンプシーンで、大きなトレンドとなったテントサウナ。では、楽しむ上でどんなことに注意すればよいのだろうか。日本における第一人者であるSauna Camp.の大西 洋さんに話を聞いた!
Sauna Camp. 大西 洋さん
サウナキャンプの文化を日本に広めているSauna Camp.代表。
テントサウナ「NORZH」代理店を務め、イベントプロデュースも多数。アウトドアで「ととのう」すばらしさを伝えるべく、誰もがテントサウナを、安全かつ気軽に、さまざまな場所で楽しめる未来を目指して、日々活動している。
サウナキャンプで注意すること。
サウナキャンプの現状について大西さんはこう語る。
「認知度が向上するにつれて、楽しめるフィールドが増えてきたり、キャンプ場でも好奇な目で見られなくなったのはうれしく感じています。以前はおかしな人々という目で見られることもよくありましたが、今は『TVで見たことある!』と好意的な声が増えてきました」
とはいえ、人気が出て、ユーザーが増えることによって、トラブルも増えている。次なるステージは、「安全とマナーについて啓蒙」と大西さんも声を強める。
「テントサウナは、キャンパー目線で見ればレベルの高い遊びかもしれません。しっかりとアウトドアに関する知識をもってのぞまないと、火傷や火災、一酸化炭素中毒といった重大事故にもつながりかねません」
では、具体的にどんなことに注意すればいいだろうか。
知らないと命にかかわることもある
季節は問わないサウナキャンプだが、気象条件などのコンディション確認は最重要項目。せっかくの楽しいサウナが、悲しい事故になっては元も子もないからだ。
「多少の雨なら問題ありませんが、風の強い日は危険なためNG。天気予報で、風速5m以上の予報が出ている場合は行わないほうがいいと思います」と大西さん。
雪中サウナはおすすめだが、とはいえ、大雪など荒天の日も避ける。そもそもキャンプ自体も中止したほうがいい。
「また、酒を飲んだあとや、日が暮れたあとに川や湖へ入るのは絶対にNGです。水難事故を引き起こします。子どもが一緒の場合は、絶対に目を離さないように」
どんなキャンプ場でも楽しめる?
サウナキャンプを行うためのキャンプ場の条件としては、テントサウナの設営、火器の使用、水遊びがOKで、テントサウナが禁じられていないキャンプ場が必須条件となる。まずは、キャンプ場に確認して、禁止されていないかを確認すること。
キャンプ場内で禁止されていなくても、「テントサウナ区画」としてサイトが区分けされていることもある。こちらも必ずキャンプ場の受付時に確認してほしい。
テントの設置場所としては、水風呂代わりとなる水辺までの導線ができるだけ近くて、スムーズであることが設営の重要ポイントとなる。また、テントやストーブなど、機材が多い。それらの出し入れをするために、クルマが設置場所に横付けできることも理想条件といえるだろう。
安全かつ配慮のあるサウナキャンプを
このブームに乗じて、安全性に疑問があったり、不十分な性能のアイテムを「テントサウナ」と称して、安価に販売する例も目にするようになったと大西さんは話す。
「マナーについても、静かに焚き火を楽しむ人や釣り人がいる真横で、大声を出しながら川や湖へ飛び込んだりする無配慮な人も増えてきました」
裸に近い水着でうろうろしている人がいるという理由だけで、テントサウナが禁止になってしまったキャンプ場もある。「ユーザーがアウトドアの正しい知識を身につけ、製品や運用方法の『安全情報』に気軽にアクセスでき、マナーをみんなで啓蒙し合うような場を、業界として設けていく予定です」
安全面とマナーに十分な注意を払いながら、サウナキャンプを楽しみたい。
TEXT/大橋保之(カーネル)
取材協力/Sauna Camp.
出典/ガルヴィ2022年10月号