冬キャンプのリビング問題を解決!モンベルの「ムーンライトスクリーン」
モンベル「ムーンライト」シリーズは登山で培ったノウハウを落とし込んだ、設営簡単・軽い・快適と3拍子そろったテントシリーズだが、この冬、ついに自立式タープが登場する。その名も「ムーンライトスクリーン」! サイズ違いの2種類デビューだ。
シリーズを代表する「ムーンライトテント」にならい、どちらもグリーンとタンの2色展開だが、わかりやすいようここでは「ムーンライトスクリーン4」をグリーン、「ムーンライトスクリーン2」をタンの写真に統一しておこう。
正直、パッと見ただけでは差がわからないほどよく似ているが、フレームにかけるフックの数が違う。そしてよくよく見比べると「ムーンライトスクリーン2」のほうがスマートな印象だ。
■「ムーンライト キャビン 4」の前室と比べてみた
ふたつの「ムーンライトスクリーン」を比べてみると、「ムーンライトスクリーン4」のほうが幅・奥行きともに60cmほど大きく、約20cm高くなる。ファニチャーを入れると一目瞭然だ。
しかも、「ムーンライトスクリーン4」は、昨年シリーズに仲間入りしたモンベル初の2ルームテント(4人用)「ムーンライト キャビン4」のリビング部分よりもはるかにゆったりしている。
「ムーンライトスクリーン2」にしても「ムーンライト キャビン4」の前室より奥行きが40cmほど短いが幅は10cm広い。2〜3人利用なら十分だ。
4か所の出入り口は跳ね上げタイプではなく、左右に分けて開くタイプ。これが功を奏して、同シリーズ「ムーンライトテント」を接続できるのだ。デザイン的な相性も当然ぴったり。寒い時期は寝室とリビングをシームレスに行き来できるのはありがたい。
それに「ムーンライトスクリーン」は前後左右が同じ形なので、最大3つのテントを接続できる。親子で寝室をわける”子どもの夜だけソロキャンプ”デビューにも使えるというわけ。
気をつけたいのが「ムーンライトテント4」はフライをかけない状態の「ムーンライトスクリーン2」とほぼ同じ大きさだということ。「ムーンライトスクリーン2」には「ムーンライトテント2」の入り口を入れられるが、「ムーンライトテント4」だと向かい合わせることはできるが接続は厳しい。「ムーンライトテント4」ユーザーは「ムーンライトスクリーン4」を選択しよう。
■スカートとウェイト置きスペースが便利
ところで「ムーンライトスクリーン」シリーズがなぜ冬キャンプ向きかというと、全閉しても天井のベンチレーターで換気がスムーズ、マッドスカートがぐるりと取り囲み冷たい風が入りにくいという”当たり前の機能”にとどまらないから。
「ムーンライトスクリーン」の内側にはウエイト置き場があり、ペグダウンできないアスファルトの上でも耐風性を上げられるようになっている。キャンプというよりはイベント会場での使用を考慮しているわけだが、地面が凍ったり雪上だったりしてペグが効きにくい冬キャンプには、ペグの補助として雪のブロックやジャグを置けるのだ。
もちろんフルクローズにすれば冷たい風を遮断できるし、メッシュにすればイヤな虫を防いで快適な空間になる。春先なら開放的なフルオープンも気持ちいい。冬キャンプだけでなくオールシーズン活用できるのもオトク。
おまけに別売の専用グラウンドシートを使えばフロアレスの自立式タープに床が生まれる。夏ならテントをたてずにこちらで眠ると四方から風が通って心地いいし、冬だってグラウンドシートがあればポータブル電源とこたつを持ち込んで極楽リビングを作れるというわけ。
最近は2ルームが主流で自立式タープが押され気味だが、テントと分かれていることで手持ちのテントを活用できるし、リビングと寝室を分けて持ち運べる。レイアウトの応用も効く。
「ムーンライトスクリーン」は自立式タープのよさを改めて知らされるプロダクトだ。
【問】モンベル https://www.montbell.jp
TEXT:大森弘恵