現役キャンパーがキャンプ場を開設!気になる開設費用とは?
理想的なアウトドア生活を楽しむために、山や土地を購入する人たちが注目を集めている。そんななかで、さらに歩を進めて、自分たちでキャンプ場をつくり、運営を行う「キャンパー」たちも増えてきている。
今回は、そんなキャンプ場運営に挑戦しているオガワプラムガーデンの青沢タカユキさんに質問してみた。
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オガワプラムガーデン
青沢タカユキさん
「地に足のついた運営を心掛けています。キャンプ場で働いた経験がなくても十分できます」と笑顔の青沢さん。
サイト数は増やしても、静かで落ち着いた施設にしたいそう。
Q. 土地はどうやって見つけた?
A. 地主さんと知り合い、所有地を使うことになりました。
キャンプ場を始めるには、とにかく土地が必要。
青沢さんは、小川町の地主さんと知り合い、しばらく使われていなかったプラム果樹園を活用している。
「今でもプラムの実がなるので、実がなったらお客様に配っています」
管理棟は、使われていない小屋を借り、整えて今年に完成。外装の塗装や看板は自ら手がけた。
月に2回ほど行う草刈り。草が育つ夏は週に一度は行う。
Q. 水、電気はどう解決した?
A.水はジャグで、トイレはバイオトイレを採用しました。
なんと、電気、ガス、水道は利用しないため、ランニングコストはゼロ!
「トイレと炊事場の明かりは、バッテリー式のLEDライトを置いています。充電はソーラーパネルとポータブル電源でまかなっています。ガスは必要なく、水は近くの沢から汲み、朝イチにジャグに入れています」
管理棟では薪が購入でき、焚き火台のレンタルも行っている。
友人にも手伝ってもらいDIYした炊事場。
利用者が少ないため、30ℓのジャグで水は十分まかなえる。近くのホームセンターで購入。
Q. 一番大変だったことは?
A.ゼロからトイレを製作することでしたね。
トイレは町内で活動する建築専攻の大学院生が製作。
木材は地主さんから提供してもらい、ほかの材料は自分たちで用意した。
「つくり方はWEBサイトに載っているものを参考にしました。デザインは学生さんにお任せ。自分も手伝い、スタートから完成まで1カ月かかりました。バイオトイレは業者が汲み上げる必要がなく、半年に1回、自分たちで汲み上げ、畑の肥料にしています」
①学生3人と青沢さんと手分けして穴掘り。
②コンクリート塀、骨組みを組んで土台が完成。
③人が通れるように、メジャーで細かくスペースをチェック。
④使った紙はゴミ箱へ、排便後はおがくずを入れる。
Q.ほかのキャンプ場との違いは?
A.都心から近い、農家さんの食材が買える、です!
「人気のキャンプ場はひと里離れた場所が多いので、準備、移動、気合いが必要で、疲れる人も多いと思います。我々の施設は都心から近いうえ、隣りには自然があるので気軽に利用できるのがいいと思います」と青沢さん。
管理棟から橋を渡ってすぐの場所に、地元の農家さんが定期的に農作物を置いて販売している。
新鮮で旬な野菜が並び、おいしいと好評だそうだ。
この日はカボスとサツマイモを販売。1袋100円で、隣の料金箱に入れればOK。
「朝イチに並ぶので、朝食で利用してもらいたいです」
Q.キャンプ場の収支は?
A.下記のような感じです。
〈主な収入〉
サイト代…ひとり3000円
薪代…1束500円
焚き火台レンタル代…1台1000円
キャンプ以外施設利用料…要相談
〈ランニングコスト〉
消耗品代…薪の仕入れ、トイレ用品、バイオトイレに使うおがくず
〈開業までに必要な支出項目〉
備品代…草刈り機、チェーンソー、テント1張、コンポスト一式、バイオトイレの設備、ジャグ、ポータブル電源、ソーラーパネル、レンタル用焚き火台2台
オガワプラムガーデン
埼玉県比企郡小川町飯田
℡. 050-5308-4728
営業期間:不定休(夏季に一時期休み)
予約:InstagramのDMもしくはLINEにて
https://www.plumgarden-ogawa.com
PHOTO/中里慎一郎
TEXT/小川迪裕
出典/ガルヴィ2022年12月号
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