焚き火の作法 焚き火の一生
ひと昔前とは違い、今のキャンプは夏だろうと冬だろうと焚き火がマスト。
そこで今一度、焚き火の仕方をおさらいしておこう。
今回は、焚き火の始め方から終わり方までを紹介。
焚き火の時間割
焚き火の準備から着火、焚き火の利用、そして消火へと至るのが焚き火の時間割だ。
では、段階ごとに具体的な注意点を見ていこう。
①火口集め・焚き付けの準備
キャンプ場探検がてら、火口(ほくち)と焚き付けを集めに出発。
秋冬キャンプ時は、初心者はちょっと多めに用意しておくと安心だ。
②薪を組んで着火
少しずつ太い薪を加えていく方法もあるが、あらかじめ薪を組んで着火すれば太い薪がどんどんあたたまるし、寒い時期でも熱をためやすい。
③熾きになるまで30〜40分
気温が低いと、安定した熾きになるまでは結構時間がかかる。
夏であっても調理をはじめる20〜30分前、冬や雨の日なら30〜40分前には焚き火をはじめるとスムーズ。
④調理向きの熾きになる
はじめに組んだ薪に、状態を見ながら焚き付けや細い薪を追加して火を育てていく。
熾きになったら料理と焚き火を楽しもう。
⑤最後の薪をくべる
焚き火を楽しんだら、就寝や撤収の時間にすべての薪が灰になるようコントロール。
薪と薪の距離を離すと早く消火できることも知っておきたい。
⑥消火まで針葉樹は60分・広葉樹は90分
焚き火の組み方、薪の種類と量、風の有無など条件によって異なるが、消火には時間がかかるので、少なくとも就寝・撤収の1時間前から焚き火しまいの準備に取りかかりたいものだ。
⑦消火を確認
薪が燃え尽き、素手で触れられることを確認。
灰になっても焚き火台は熱いままのことがあるので冷えるまで、やけどには十分注意したい。
⑧完全に火が消えてから就寝
全体に灰になったように見えても、風を送ると赤い種火がちらほら。これでは火災の危険がゼロではない。
ファイヤースターターのわずかな火から焚き火を生むように、小さな火も侮ってはダメ。
⑨火種が残っているなら一本ずつ水に浸ける
片付けしたい場合はバケツにたっぷり水を張り、薪を1本ずつ浸して消火。焚き火台に水をかけるとギアが傷むので×。
雨を防ぎつつ火を育てる
熾きになる前、とくに火口から焚き付けへと火を移すタイミングは、少しの雨が当たっただけで消えることがある。
具体的な対策を見てみよう。
コットンタープに難燃シートを付けて小さな焚き火を楽しむ
雨の日の焚き火でもっとも効果的なのがコットンタープに難燃シートを取り付けて、その下で焚き火をすること。
とはいえ大きな炎にすると危険なのであくまで小さな焚き火に。
火種を死守するように新聞紙や板をかざす
焚き火の途中で雨が降ってきたときは、新聞紙や幅広の薪で火元をガード。
新聞の折り込みチラシなどは水をはじくものが多く、焚き火を守るのにもってこい。
PHOTO/逢坂聡
TEXT/大森弘恵
出典/ガルヴィ2020年12月号