焚き火人気の理由とは?初心者キャンパーが上級者に聞いてみた!
すっかり定着してきたキャンプでの焚き火。
ただ、未経験の人にとっては改めて色々な疑問も出てくるだろう。
今回は焚き火初心者の本誌編集部員オオハシが実際に焚き火をしながら、先輩アウトドア編集者Hに素朴な質問をぶつけてみた。
なぜ、こんなに焚き火の人気が高まっているのか? その一端はかいま見れた……はず!?
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今回、一連の焚き火体験をしたのは本誌・オオハシ。
数年前までは山歩きの雑誌を担当し、現在は車中泊専門誌を製作。
これまで焚き火とは縁遠いアウトドアライフを過ごしてきた。
そもそもなんですが、焚き火の魅力って何?
H:焚き火があると暖かいし、特に何もしなくても時間がつぶせるよね。
子どもでも、ゲームとかなくても、ひたすら焚き火を燃やし続ける子もいるからね。
オ:今回やってみて、ちょっと自分がレベルアップした感じはしました。
H:適当にやってもワイルドな気持ちになれるし、火がついたら「やってやったぜ」という気分になれる。
あと、焚き火料理は、薪に火をつけるのに手間がかかっている分、無意識のうちに、よりおいしく感じているよね、きっと。
オ:意外に簡単に焚き火ができた印象なのですが……。
H:いやいや、まだまだ。焚き火は奥が深く、スタイルの幅も広い。
ライターや着火剤を使わずに、修行のように焚き火を追求する人もいる。
だんだん経験を重ねると、「寒い時はこうする」とか「こうやったら安定した焚き火ができる」とか、経験を重ねることで自分流が生まれてくるから。
オ:なにかひとつでも自分流のスタイルがあれば、語りたくなる人は多いですよね。
だから焚き火好きは、いろいろと話してくれる人が多いのですか?
H:それはわからない(笑)。
でも、軽く話を聞いただけで、「あくまで僕流なんだけど」と焚き火の説明をしてくれる人は、とても多いのは事実だよ。
オ:人気のヒロシさんも、焚き火好きですよね。
H:そう。ヒロシさんの著書『ヒロシのソロキャンプ』(学研プラス)でも書かれているけれど、太古の昔、洞窟で暮らしていた時代の話が出てくる。
そこまで妄想力をかきたてるのも、焚き火の魅力なのかもね。
なぜいま、こんなに焚き火ブームになっている?
オ:昔からキャンプには焚き火がつきものだったと思うのですが、なぜ近年、こんなに焚き火がブームになっているのでしょうか?
H:海辺で焚き火することが多い寒川ハジメさん(UPIアドバイザー)は砂に突き刺しても詰まらないように、火吹き棒はなるべく太い穴。
逆に、長野修平さんは、山での焚き火で火吹き棒を地面に突き刺さないから、直径はなるべく細く……。
というように、キャンプ自体もそうだけど、自分流のスタイルを一般キャンパーもSNSで発信できるようになった。
そんな流れが、特にソロの人たちから支持されて、ブームになっているんじゃないかな。
オ:さきほど話に出てきた「自分流」ですね。焚き火は特に自由にできる。
H:ソロの人たちは、それぞれに焚き火台を持っていて、それぞれが自分の流儀で「オレ流焚き火」として、俺のこだわりを表現できるのがいいのかも。
たとえば同じ焚き火台でも薪の組み方はそれぞれ微妙に違う。
それと、焚き火って料理にも使えるし、見ているだけで落ち着く、という人も多いよね。
オ:今後もこのブームは続く?
H:まだ続くと思う。ただ、90年代のキャンプでは花火が問題になった。今度は焚き火が問題にならないといいよなー、と思ってしまう。
TEXT/大橋保之
出典/ガルヴィ2020年12月号
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