「焚き火やってみた!」焚き火初心者の今更聞けない疑問を解決!?
すっかり定着してきたキャンプでの焚き火。
ただ、未経験の人にとっては改めて色々な疑問も出てくるだろう。
今回は焚き火初心者の本誌編集部員オオハシが実際に焚き火をしながら、先輩アウトドア編集者Hに素朴な質問をぶつけてみた。
なぜ、こんなに焚き火の人気が高まっているのか? その一端はかいま見れた……はず!?
今回、一連の焚き火体験をしたのは本誌・オオハシ。
数年前までは山歩きの雑誌を担当し、現在は車中泊専門誌を製作。
これまで焚き火とは縁遠いアウトドアライフを過ごしてきた。
なぜ、直火NGのキャンプ場とOKのキャンプ場がある?
オ:地球に与える影響は、どこの場所でも同じに思えるのですが、なぜ直火がNGとOKのキャンプ場がある?
H:直火の後片づけをちゃんとしない人が多いこと。それが最も大きな理由。
ゴミを燃やして、その燃え残りを放置している人が多い。
次に泊まる人が、その様子を見てしまうと、やっぱり気分が悪い。
真っ黒になった石を汚いという人も多いよね。
つまり、ほかのキャンパーのことを考えて「直火は禁止」にしているキャンプ場が多いと思うよ。
オ:え、環境問題ではないんですか?
H:もちろん、それもある。
というか90年代のキャンプブームのときは、環境問題も最高潮だった。
東南アジアの焼き畑問題の報道もあって、直火をすれば地面の微生物が死滅する! といわれるようになったことも一因。
いまでも直火を許可しているキャンプ場であっても、直火の写真を掲載すると「直火なんかして!」とお叱りを受けるし。
オ:環境問題とともに、マナー問題が「直火禁止」を加速させたんですか?
H:直火跡を埋めるのはいいけれど、危険なゴミを埋める人もいたみたい。
それに、どんなに注意していても火災の危険はゼロにはならない。
焚き火台と違って小さな火種に気づかずに帰宅してしまうこともあるので、キャンプ場としては、そういった事故回避もあるんじゃないかなぁ。
焚き火をもっと楽しむには、どうしたらいい?
オ:雑誌やSNS、YouTubeで、焚き火情報をもっと集めたほうがいいですか?
H:いろいろなメディアで紹介されているハウツーがあるけれど、それぞれ超ベーシックなものが多い。
ガルヴィの場合、応用できるノウハウや情報が多く掲載されているのは確か。
でも、気温や薪の状態とか、環境次第で全然火がつかないこともある。
だから、記事を参考にしつつ、やっぱり実践が一番でしょ!
オ:いろいろキャンプに行って、焚き火を楽しむことが重要!?
H:そう。うまいことできたなーって思ったときの状況をうっすら覚えておく。
うまくできないときは「きっとあれが違うから」と言い訳を考えて、それを覚えていればいい。
次の焚き火でうまくいけば「ほらね」って威張ればいい(笑)。
生活の一部ではなくて、しょせん遊びだからね。
焚き火でビギナーが注意することは?
オ:今回、焚き火を体験した感想。何もこだわらなければ、意外に簡単にできたなぁという印象です。
特別な注意点とかはありますか?
H:ケガに気をつけて、キャンプ場のルールを守ればいい。
風が強くなったら消火する、燃料缶やライター、乾電池を投げ入れない……。
常識的なことばかりかな。焚き火に近すぎる場所にものを置かないとかも。
あと焚き火台の組み立てはしっかりとね。
組み立てがあまいと、ちょっと動かそうとしただけで、大変なことになるので。
オ:「焚き火に強い」といわれている素材もたくさんありますよね?
H:かつてアラミド繊維が熱に強いっていわれていたこともある。
けれども、「このジャケットは燃えないんだぜ」と、ライターを袖に近づけて、新品のフライトジャケットを炭化させた少年が、各地にいた。
つまり、難燃素材のウエアやファニチャーも、すぐに燃え広がらないだけで焦げる。
コットンのテントだって、焚き火に強いのは確かだけれど、燃えるときは燃える。
だから、やはり基本は注意すること。慢心しないで、常に気をつけましょう!
オ:ありがとうございました!
TEXT/大橋保之
出典/ガルヴィ2020年12月号