キャンパーなら絶対に知っておきたい! 絵で見るだけでカンタンにわかるテントの進化と種類
テントの歴史は古く、人類の歩みとともにあると言っても過言ではない。
簡易住居として考えだされ、生活の変化と共に進化してきたテントの歴史を振り返ろう。
簡易住居としてのテント
テントの歴史については諸説あるが、幕を張って野営する行為は旧約聖書にも頻繁に書かれている。
人類の歴史とともにあるのが、テントでありキャンプという行為であると言えるだろう。
人類最古の住居は、自然に作られた洞窟であるとされている。
その後狩りや農作を覚えると次第に洞窟を離れ、湖や川の周りに木や石などの自然素材を使い住居を作って定住するように。
さらに家畜を飼うようになると、餌となる牧草を求めて移動することとなり、そのとき考え出されたのが、持ち運びができる移動式の簡易住居としてのテントであると考えられている。
移動式住居
その後の時代にモンゴルの遊牧民が使用するゲルや、北米に住む先住民のティピーなど、その土地に合ったテントが生まれ、丈夫なテントを手にしたことで、より自由な遊牧生活が可能になり移動範囲が格段に広がった。
ベドウィンのテント
アラビア半島の砂漠地帯に住む遊牧民であるベドウィンが使用するテント。
形は方形で高さは比較的低く、砂嵐対策と思われる。支柱と幕を使った構造。
ゲル
モンゴル地方に住む遊牧民が使用している移動式の住居。
季節に合わせて移動できるように、解体できて組み立ても容易な構造となっている。
ティピー
北米に住むネイティブアメリカンなどの先住民が使用した、円錐形の簡易住居。
上部から煙が抜けるようになっていて、内部で焚き火をして煮炊きができる。
近代以降
近代に入ると、テントの構造や素材は時代とともに変わり、それぞれの形で進化を続けることとなる。
支柱にはスチールやアルミなどを素材にしたポールを使用するようになり、軽量な幕体の生地が次々に生まれた。
新たな理論によりテントの構造自体も複雑化し、さまざまなモデルが生まれた。
突き上げ式
ボックス式
ドーム式
丸屋根式
円錐式
そして現在、ポールを使わずに空気で膨らませるエアフレームを採用したテントや、ワンタッチで広がるポップアップテント、ハンモックのように吊るすモデルなど、テントのあり方やその形はさらに広がりをみせている。
次はどんなテントが生まれるのだろうか。
出典/ガルヴィ2017年7月号