キャンパー上級者がやってる!森で野生動物を観察できる方法とは?
岐阜県白川郷から四季折々の自然を伝えてくれる田口幸弘さんのフィールドノート。
今回はセンサーカメラに映った動物たちについてのレポート。
田口幸弘さん
トヨタ白川郷自然學校入社8年目。企画営業部所属。
写真撮影を得意とし、昨年からインタープリターとして活動中。日本山岳ガイド協会登山ガイドⅡ、茶道師範の資格を持つ。
アニマル探偵になろう
「キャンプで森に行ったら、野生動物が見てみたい!」
しかし相手は神経質で、気まぐれな大自然。めったに姿を現してくれません。
そんな悩みにおすすめしたいのが、センサーカメラ(トレイルカメラ)。
熱を持つ動物から発せられる赤外線を感知してシャッターが切られる自動撮影カメラで、夜間は不可視光線を照射し、鮮明に被写体をとらえます。
これで、動物にストレスを与えることなく、姿を観察することができます。
自然學校でカメラマンをしている私は、広報や展示用の写真撮影の準備段階でセンサーカメラを使用します。
機材を持って動物を追いかけたり、誘い込む方法では良い写真になりません。
センサーカメラで得た情報をもとに、動物の通る場所に先回りして、彼らを静かに待ち伏せて撮影するのです。
自然學校の提供するアクティビティに「センサーカメラでアニマル探偵になろう」があります。
インタープリターと一緒に、動物の生態からどこに現れるか仮説を立て、森で彼らの痕跡がないかサーチしてカメラを仕掛けます。
次の日は回収してデータの上映会。仮説が大当たりして動物が撮影されていると歓声が上がります。
最近では、数種類の動物の糞が一カ所にまとまって落ちているのを発見した子どもが「ここは森のトイレかな?」と想像して、お父さんがセンサーカメラを、見下ろせる場所に仕掛けました。
するとタヌキがやってきて踏ん張る姿と、コロコロ転がるウンチが動画で撮影されていました。
ほかにも7台仕掛けたセンサーカメラに計4種類の動物の姿が。
普段なかなか目にすることのできない野生動物ですが、確かにこの森に棲んでいるという実感を得たようです。あなたも動物を探しに来ませんか⁉
TEXT&PHOTO/トヨタ白川郷自然學校
協力/トヨタ白川郷自然學校
岐阜県大野郡白川村馬狩223
TEL 05769-6-1187
https://toyota.eco-inst.jp/
出典/ガルヴィ2022年8月号