【意外と知らない】焚き火の基本知ってる?準備する道具やマナーを超簡単に解説!
■焚き火の基本
知っているようで、意外と知らない焚き火のこと。
一歩まちがえば大ごとになる「火」のことだからこそ、しっかりと基本とルール&マナーを把握しておこう。
Q.キャンプ場なら、どこでも焚き火ってできる?
焚き火ができるか否かは、キャンプ場によってさまざま。
ただし、多くのキャンプ場が「焚き火台を使用すればOK」。
なかには「場内の限られた場所のみで焚き火OK」など、制限を設けているキャンプ場も。
■キャンプ場の多くが、焚き火台使用ならOK
器具使用で焚き火OKというキャンプ場も多いが、専用スペースのみでOKというところもある。
焚き火を楽しみたいなら、予約時にキャンプ場に確認しておこう。
また各サイトに専用のファイヤープレイスが設けられていたり、焚き火に特化したサイトがあるところも。
Q.直焚き火とは?直焚き火できるキャンプ場は限られている?
直焚き火とは地面の上で直接、焚き火をすること。
石で炉を作り、その中に薪をくみ上げて火を起こし、ワイルドな雰囲気を味わうことができる。
けれど、その直焚き火可能なキャンプ場はかなり少ない。
近年、焚き火の後始末をしないケースが増加しており、それを理由に直火禁止にしたキャンプ場もある。
利用するなら、ルールとマナーは厳守だ。
Q.どんな道具が必要なの?
焚き火を安心して楽しむために、最低限必要なのは上の7アイテム。
全体的に熱に強く、頑強なものを選ぶのがポイントだ。
1. 焚き火台
筒型にカマド型、ディスク型など形状はさまざま。
火床に空気が通る構造のものが多く、火が起こしやすい。
2. 火ばさみ(トング)
薪をくべたり、移動したり、焚き火の際に活躍。
火の中心部まで届くように、長いタイプのものを選ぼう。
3. ライター
組み上げた薪の中心部に着火するので、柄の長いタイプや、風に強いターボ式が重宝。
ひとつ持っておくと便利だ。
4. 焚き付け(松ぼっくり、着火剤など)
市販の着火剤のほか、ヤニを多く含んだ松ぼっくりは燃えやすく、着火剤代わりになる。スギの葉も火付きがいい。
5. 鉈やナイフ
太い薪を細くするのに便利な鉈。
ナイフは木を削ってフェザースティック(着火剤)を作るなど、いろいろ使える。
6. グローブ
焚き火の火力でやけどしないよう、グローブの用意は必須。
ささくれだった薪をつかむのにも安心だ。
7. 火吹き棒、うちわ
火吹き棒は火を熾すときに重宝。
火の中心部にそうっと風を吹き込み、火を育てるアイテム。うちわで代用も。
Q.薪選びのコツってあるの?
薪の種類は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類がある。
針葉樹はスギやヒノキなどで、火つきがいいが燃え尽きるのも早い。
いっぽう、ミズナラやシラカバなどに代表される広葉樹は、長い時間燃えてくれるのが特徴。
ただし針葉樹のような火つきの素早さは望めない。
着火に針葉樹、その後は広葉樹と使い分けるのがオススメだ。
Q.焚き火スペースはサイト内のどこに作るべき?
焚き火スペースの基本は、人が集まるリビングスペースやキッチンスペースから十分に離して設置すること。
ファミリーキャンプの場合は、子どもが走りまわることもあるので、とくに距離感に注意しよう。
隣のサイトに火の粉や煙が直撃しないよう、風向きにも配慮。
焚き火をする前にひと声かけておくと、気持ちがいいキャンプができるはず。
Q.初心者でも火が育つ焚き火の仕方とは?
スムーズな着火方法&火の育て方を紹介。
最初に知ってほしいのが、太い薪には直接、火がつかないということ。
細い薪から火をつけて、徐々に太い薪へと移し、火を育てていくのだ。
もうひとつポイントとなるのが薪の組み方。
空気の通り道を確保できる、代表的な薪の組み方は下の❷を参照。さあ、焚き火に挑戦しよう。
❶ 太さの違う薪を用意
乾燥した小枝や、薪の樹皮部分を削いだものなど、細めの薪や枝を用意。
その次に火を移す薪は、鉈などで中〜細めに割っておく。太さ別に3種類を用意。
森に落ちている松ぼっくりやナラの樹皮などは、焚き付けにも使える。
❷ 薪を組む
❸ 着火し、火がまわったら風を送る
薪を組んだら、その中心に焚き付けをこんもりと置き、ライターやマッチで火つける。
火が上がったらまずは様子を見る。小さめの炎が安定したら、火吹き棒などで焚き火の中心に、そっと空気を送り込む。
❹ 炎が安定したら、太い薪をくべる
焚き付けから細い枝、中太の薪、太い薪へと火がまわって安定したら、太い薪をくべて、さらに炎を大きく安定させる。
これで焚き火の着火は完了! あとは随時、薪を投入すればOKだ。
❺ 焚き火の終わり方
薪は灰になるまで燃やし尽くすのが、ベストな終わり方。
あとは灰捨て場などで灰の処理をすればいい。
薪が燃え尽きないで残ってしまったら、管理棟で捨てられないか聞いてみよう。
■絶対にNG行動!焚き火のマナー&ルール
■絶対的な共通ルールは「火事を起こさない」こと
ルールとマナーを分けて言うのであれば、ルールはキャンプ場側が守っていただきたいもの、マナーはお客様が自発的に考えて、行動するもの。焚き火のルールとひと言で言っても、そのルールはキャンプ場によってさまざま。
その中で絶対的な共通ルールがある。それは「火事を起こさない」ということ。
豪快に火を使えるのがキャンプの魅力だが、フィールドには燃えやすいものが多い。
例えば乾燥した落ち葉や枯れ木のそばでは、焚き火台を使っていたとしても、焚き火から引火して、あっという間に延焼してしまう危険がある。
だから、こんな状態だと火が燃え広がるかも……ということを常に意識して焚き火を楽しんでほしい。
これはルールでもあり、マナーでもある。
■圧倒的に多いルール違反は、焚き火の「やりっぱなし」
焚き火後の原状復帰をルールにしているキャンプ場が多いが、原状復帰はルールとして明記されていなくても基本的に行ってほしい行動だ。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で取り組んでほしい。
例えばサンタヒルズの直火サイトでは、炉で使うブロックを無料貸し出ししている。使用後はそれを戻し、サイトに残った灰や燃えカスなどを処理してきれいにするところまでやって、原状復帰となる。
完全消火した状態であれば、灰捨て場に灰や炭などが捨てられる。
じつは、焚き火のルール違反としては、圧倒的に「やりっぱなし」が多い。とくに炭の放置が目立つ。原状復帰も共通ルール。使用後はきちんと元どおりにしよう。
■ルールが守られずキャンプ場が閉鎖に…
原状復帰をしない人が多くて、直火が禁止になるキャンプ場も多い。それだけでなく閉鎖に追い込まれてしまうキャンプ場もある。本当に深刻な問題だ。
管理的な観点だけで言えば、正直、直火は禁止にしたほうが楽だと思う。
原状復帰しない人もいるし、延焼のリスクもある。けれど直火には、言葉にできないような魅力というか、人をひきつける力がある。
何千年も前から続く、その原始的な佇まいがそう思わせるのかもしれない。
「いい焚き火」をするためには、焚き火のルールについて、念のため、予約時やチェックイン時にキャンプ場に確認するのがオススメだ。
表記されていない細かい決まりがあるかもしれない。
■キャンプにおける焚き火のルール
・ 火事を起こさない
・ 原状復帰は必須!
・ 細かいルールはキャンプ場に確認!
焚き火をするなら覚えておきたい!【絶対にしてはいけない】6ヶ条
①落ち葉など燃えやすいものの近くは避ける
乾燥した落ち葉は引火すると燃え広がりやすく、延焼の危険大。
落ち葉が多い場所では焚き火を控えるのがいいだろう。
区画サイトの場合は、焚き火台を中心に広い範囲で落ち葉を避けておく、また風向きによっては焚き火を控える。
周囲を見渡して、しっかり判断しよう。
➁火を大きくしすぎない
焚き火をしていると、薪をどんどんくべて炎を大きくしたくなる。
けれど大きな炎は火の粉の量も増え、自分だけでなく、近隣サイトのテントやタープなどに穴をあけてしまうことも。
さらには近くのものに燃え移ってしまう可能性も大だ。
トラブルの原因にもなりやすい。
焚き火は、焚き火台などの器具からはみ出さず、自分が制御できる大きさで楽しむのがマナーだ。
③木の根元で焚き火をしない
とくに枯れ葉や枯れ枝のある木のそばで、焚き火をするのは避けよう。
火が燃え移るなどの事態を防ぐのには当然のことだが、他にも理由はある。
これらの木だってキャンプ場の大切な資源だからだ。
延焼してしまった木は、二度と元には戻らない。
そんなことにならないようにキャンプ場へ配慮するのも、マナーのひとつだ。
④煙を近隣サイトに直撃させない
焚き火をしているのだから多少の煙は仕方ないけれど、あまりに大量の煙が自分のサイトに直撃したらどうだろう?
煙いし、目が痛くなるし、あまりいい気持ちはしないはず。
だから焚き火は風向きを考えて行うのがマナー。
また薪の乾燥が不十分だと、火にくべたときに煙が大量に発生する。
そんな薪があたったら、すぐに焚き火台のそばに置き、火の力で乾燥させよう。
⑤ゴミを燃やさない
焚き火だからといって、なんでも燃やしていいわけではない。
なかにはキャンプ中に出たゴミを燃やす人もいるけれど、ものによっては黒い煙が大量に発生したり、悪臭が漂ったり、近隣サイトに迷惑がかかる。
また紙類のゴミを燃やすと灰が大量に発生し、風で散らばっていく。
周囲のキャンパーが嫌な思いをしないよう、配慮が必要だ。
⑥火を残したまま放置しない就寝時間までに焚き火終いを
さて寝ようと思ったときに、タイミングよく焚き火が消えることはあまりない。
できればすべてを燃やし尽くして終わるのが、焚き火のベストな終わり方。
就寝時間までに焚き火終いができるよう、薪や炎の加減を調整しよう。
また、夜に薪を割る音はかなり響く。キャンプ場が設定した消灯時間までに焚き火を終わらせよう。
■キャンプへ行って実際に焚き火をしてみよう!
ここまで、焚き火の基本を学んだ内容を実際にキャンプ場で試してみよう!
実践で体験することで自分の知識にすることができる。
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