「これなんだと思う?」小枝がキャンプで大活躍…!?このギアの正体とは?
フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす。それが長野修平さんの道具作り。
今回は、小枝の洗濯ばさみの作り方を紹介してくれた!
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長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人。
スウェーデンのモーラナイフ公認日本・台湾アンバサダー。著書「里山ライフのごちそう帖」(実業之日本社)他。
今回の素材 小枝
細かな枝分かれのある雑木の枝。
これはタモの木の枝だが、ツバキやモミジ、ケヤキやナラなどウルシ科やトゲのある木以外、大抵の雑木が使える。
乾燥する前のものが柔らかく削りやすい。
今回のマイツール
木の持つバネを生かした洗濯ばさみ
アメリカ開拓時代を描いた、トム・クルーズ主演の「遥かなる大地へ」だったと思う。
アイルランドでの貧しい農民暮らしの中、地主に父を殺され家も焼かれた主人公が、新天地アメリカへ渡り、最後は荒野で自分の土地を得るというもの。
その映画の中に洗濯ばさみのシーンがあった。
木造の宿で下着を干していたトム・クルーズのポケットに差し込まれていたのが、木の棒へ切れ込みを入れただけのシンプルな洗濯ばさみ。
彼はヘンリーネックの生成りシャツをロープへかけるとポケットからその洗濯ばさみを1本ずつ抜き、上からザクっと差し込む。
まるでナイフを地面や丸太へ突き立てるようなその仕草は、なんとも男心をくすぐる。
そのときの記憶を頼りに作るのが、今回の洗濯ばさみだ。
小枝の洗濯ばさみの作り方
①穴を開ける
枝分かれ近くは繊維が複雑に絡み丈夫なので、そこをはさみの又部分にする。
さらに切断する前の長い棒状の方が木割れしにくいので、長いままでドリルで穴を開ける。刃は8mm径。
②長さをそろえる
次に洗濯ばさみの大きさへ揃えていく。
今回の大きさは15cm。穴を開けた上の枝分かれ部分がはさみの又位置なので、その上と、そこから15cmのところをノコギリなどで切り出す。
③先端が細くなるように削る
はさみの先は若干細い方が使いやすい。
穴のある又側から先端に向かって皮を剥きつつ徐々に細く。
削る際、ナイフを動かさず固定し、枝の方を手前へ引くようにすると安全にキレイに削れる。
④切れ込みを作る
ブッシュクラフトなどで用いるバトンという木槌とナイフを使って、はさみの先から穴のところまで切れ込みを入れる。
先端に見える年輪の芯へナイフを当て、その芯の上から木槌で叩く。
⑤穴の位置で止める
ナイフの刃が枝へ入ったら、ナイフのグリップを少し捻って切れ込みを徐々に深くしていく。
穴の位置まで来ると刃の厚みで枝が鳥の嘴のように開き、パキッという音とともに割れ止まる。
⑥面取りをする
ドリルで開けた穴はササクレなどを防止するために面取り。
ナイフ先端の細い部分を使い、木目に逆らわない向きで削る。
4、5で切り込んだ部分の角なども含めすべて滑らかにする。
⑦ロープを結ぶ
又部分の穴へロープを輪にして結ぶ。
束ねてまとめたり、ぶら下げたり、引き抜いたりするのに便利だ。ここでは太さ3mmのパラコードを使用。
⑧ 完成!
TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2018年8月号
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