焚き火を楽しむ「手順」「注意すること」すべてがわかる【人気記事】
【徹底考察】意外と知らない!焚き火の着火剤として使える便利すぎるものとは?
ひと昔前とは違い、今のキャンプは夏だろうと冬だろうと焚き火がマスト。
そこで今一度、焚き火の仕方をおさらいしておこう。
今回は、着火剤の替わりになる火口(ほくち)について考察する。
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必要な熱を生み出す必需品「火口」
着火剤があると格段にスピーディーで手間なく焚き火ができるが、買い忘れることもあるだろう。
そういうときのために着火剤に頼らない方法を知っておきたい。
キャンプ場や手持ちの道具を見渡せば、着火剤がわりとなるもの(=火口)は思いのほか簡単に見つかるものだ。
火口向きなのは柔らかくて空気をたっぷり含み、できれば油脂もたっぷり含んでいるものが望ましい。
現地で探せる素材のほかに、麻ひもなど道具のなかで火口として使えるものを見つけておこう。
どんな火口が使える? 比べてみよう!
キャンプ場で手に入れやすい6つの火口を燃やして、どんなふうに燃えるのか比べてみた。
写真の素材のほかにも、ススキの穂、茎が空洞になっている枯れた草の茎、牛乳パック、ガムテープなどがよく燃えるので試してみて。
お守り火口を用意する
いくら優秀な天然火口でも、雨上がりなどでは状態のいいものが必ず見つかる保証はない。
クラフトやタープアレンジに使える麻ひも、鍋を洗うのに使うスチールウール、牛乳パックなどお守り代わりの火口も用意しておこう。
焚き火に必要な温度は260℃。冬は蓄熱の工夫が必要。
焚き火が熾きになるまでを改めて確認しておきたい。
温度ごとの状態がわかれば、焚き火をする際の参考になるはずだ。
〈100℃〜〉 薪から可燃性ガスが放出される
火に当てると薪の表面から水分が蒸発していく。
薪の水分が抜けて乾燥したら、200℃近くからヘミセルロース、セルロースなどが分解。
このとき、可燃性ガスが放出されはじめる。
焚き火の最初に出てくる煙はこれらの水分や可燃ガスだ。
焚き火はじめにむやみにいじると温度が下がるので、薪同士が広がりすぎないよう調整するにとどめ、風を送るのもやめたほうがいい。
〈260〜300℃〉 薪が燃えはじめる!
260℃を超えると薪から放出された可燃性ガスに火がつく(青い炎)。
この状態をキープすることで薪の炭化が進み、炭素の酸化反応で発熱(赤い炎)。
さらに温度が高まり燃焼を続けていく。
〈500〜600℃〉 薪が炎を上げる
煙もなく、炎を上げてよく燃える状態は500℃くらいから。
ここまでくると安定して焚き火を続けられるので、焚き火の次の段階、より太い薪を追加しても大丈夫だ。
〈700℃〜〉 炎が落ち着き、熾き火となる
炎が出ずに、赤くテラテラと燃える熾きの状態。
少しくらい雨に当たっても消えることはなく、料理にも暖をとるにもいい感じ。
ただ、炭よりも燃え尽きる時間は早い。
PHOTO/逢坂聡
TEXT/大森弘恵
出典/ガルヴィ2020年12月号
知らないと危険!?焚き火中にやってはいけないこととは?
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アウトドアブームの影で問題になっている焚き火のマナー。
火の扱いはひとつまちがえると大きな事故につながる。
今回は焚き火の最中に気をつけたいことをしっかりとおさらいしておこう。
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そばを離れず目を離さない
焚き火をするときは、絶対にそばを離れず、焚き火から目を離さないこと。
薪がはぜて何かに引火したり、ほかの家族の子どもがサイトに入り込んで焚き火台につまずいたりするなど、予想できないことが起こる場合もある。
そんなとき火の番がいれば、大事にならずにすむ。
また子どもがいる場合は、子どもひとりに火の番をさせないこと。
必ず大人も一緒にいるようにする。
煙や火の粉で迷惑をかけない
焚き火の煙や火の粉がどこに向かうのか、常に風下に注意すること。
焚き火から煙を出にくくするには、まず湿った薪や生木を燃やさないこと。
そして十分に酸素が取り込めるよう、薪と薪の間に隙間をつくり、新鮮な空気が入ってくるようにすることだ。火をおこして大量の煙が出るようなら、薪が湿っている可能性も。薪を替えるか、乾かすか、焚き火を中止することも考えたい。
火を大きくしすぎない
焚き火は、家族や仲間と静かに会話を楽しめる大きさが一番癒やされる。
あまり大きくすると、癒やしどころか恐怖の対象になってしまう。
焚き火は、火力をコントロールできなくなるほど大きくしないのが基本だ。
目安として薪を動かす程度で、火力を変えられない火を“大きな火”と考えておこう。
つまり薪を動かして火が弱まれば、火力調整ができているといえる。
新聞紙などは燃やさない
火をおこすときや火力を上げたいときに、新聞紙や落ち葉を使う人がいるが、これはNG。
紙や枯れ葉は燃えると灰を巻き上げてしまうので、周囲のキャンパーに迷惑をかけることになりかねない。
火をおこす際の火種には着火剤、消えそうな焚き火の火力を上げたいときは細く割った薪や乾燥した小枝を入れるようにする。
もちろんゴミを燃やすのは論外の行為だ。
ジェル式着火剤の追加も危険なのでやめよう。
TEXT/牛島義之
ILLUST/岡本倫幸
出典/ガルヴィ2021年12月号
いかがでしたか。