誰でも超簡単に自作ギアが作れる!ベテランキャンパーの薪スタンドが使い勝手良すぎた…!
フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす。それが長野修平さんの道具作り。
今回は薪スタンドの作り方を長野さんに教えてもらった!
長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人。スウェーデンのモーラナイフ公認日本・台湾アンバサダー。
著書「里山ライフのごちそう帳」(実業之日本社)ほか。
自然に対する自分なりの流儀
キャンプでは何でも買い揃えるのではなく、フィールドにある枝や流木を拾って、ちょっとした道具を組むのが粋だと思っている。
それが自然に対する自分なりの流儀であり、一期一会のキャンプスタイルにも繋がっていく。
そんな薪拾いに使おうと考えてみたのが、拾ってそのまま焚き火横へ置ける薪スタンド。
上に板を載せればテーブルにだってなる。
最大の特徴は適当な枝などの棒を拾い、差し込んで初めて薪キャリアや薪スタンドになるということ。
組み合わせアレンジや車載時の収束運搬、収納性もなかなかいい。
今回の素材 レッドシダーと綿ロープ
レッドシダーは北米が原産の硬い針葉樹で、殺菌力が驚くほど高く、耐候性抜群で野外使用のクラフトには最適。
サイズは450×90mm。ホームセンターで購入した板厚は16mmで強度的にもいい。
また、綿ロープとともに火の粉などにも強い。
今回のマイツール
薪スタンドの作り方
①板に30mmの穴をあける
4枚の片端、2枚の両端へ30mmの穴を正確にあける。
板端と横から45mmの位置を中心に、コンパスでφ30mmの線を描く。
その内側へ10mm径のドリルで数カ所あける。
あけた小さな穴はコンパスで描いたラインに沿って、カービングナイフでつなげるように削る。
逆目にならないよう木目をよく見て削ろう。
接合した際に表側になる方の穴のエッジは面取りしておく。
そうすることでササクレにくく、枝も刺しやすくなる。
穴をあけ終えた6枚の板。
レッドシダーは耐候性が高いが、この時点で、防水や防腐、着色などの塗料を塗っておいてもいい。
②ロープ用の穴をあける
縦方向の部材となる4枚の板。
片端のみあけた穴の反対端に、綿ロープと同じ6mm径の穴をあける。
ロープ穴の表裏のエッジは面取り。
③アウトラインを仕上げる
縦方向の板のロープ穴側の角は、角から1〜2cm入ったところで斜めに切る。
切った跡と板のエッジはすべてカービングナイフで面取り。
両端に30mmの穴をあけた板の、横方向になる片側面(スタンドにした際に地面側になる)をカービングナイフでえぐるように削る。
角切りやえぐり削りなどの加工を終えた板。
横方向板のえぐり削りは、地面に置いた際に4点支持になって安定しやすくなるためのもの。
④組み立てる
縦板と横板を穴位置に合わせ接合。
接合面へ木工ボンドを塗り、差し金などで直角を確認。
4カ所をネジ釘で止め、ロープを付けて完成。
⑤ 完成
2枚のコの字パーツは軽く重ねてもかさばらない。
穴へ通す2本の木は、穴よりひと回り細いものを。
薪を入れて肩へさげると2枚が薪を挟み抑える。
地面に置くと薪の自重で2枚が開き薪を選びやすい。
TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2019年10月号