達人たちのソロキャンプ事情を徹底調査!思いつかなかった意外な過ごし方とは…?
自分だけの時間を追求できるソロキャンプ。
でも、みんな、どうやって過ごしているんだろう。
今回はアウトドアの達人2人にソロキャンプの過ごし方について語ってもらった。
右:宮崎さん(@38explore) インスタグラマー
フォロワー4万人を超えるインスタグラマー。
テンマクデザイン「サーカスTC」を使ったスタイルで人気沸騰し、今では軽バンを使った車中泊スタイルでさらに注目を集める。
左:野毛陽平さん sotosotodays店長
「sotosotodays」店長として、テント設営会や野外アウトドア展示会を積極的に企画・運営する。
リサーチも徹底し、海外出張もしばしば。
意外と忙しいソロキャンプ?
ーーお二人はソロキャンプでどう過ごしていますか?
宮崎さん(以下、宮):意外とゆっくり過ごす時間はないかもしれません。
キャンプ場に着いて、セッティングして、ついでインスタ用に写真撮影をして、料理を作って、お酒を飲んで、少し焚き火をして……と過ごしていくうちに、20時になると眠くなるんですよね。
家にいるよりキャンプをするときのほうが健康的といえるのですが、ゆっくりすることがなかったりしますね。
野毛さん(以下、野):眠くなるのはありますね。普段が忙しいせいか、キャンプ場に来るとつい眠くなります。
昼寝をしたのに、夜もぐっすり眠れることがしょっちゅうです。
宮:昔はいろいろと準備をしてたんですよ。
本を何冊か持っていったり、タブレットに映画作品をたくさんダウンロードしたり。
時間をつぶすための道具を用意していたんですが、ここ最近は一切使わないです(笑)。
野:最初、ひとりでどう過ごせばいいかわからないですからね。
宮:あと、天気がいいと昼も夕方も、夜空もキレイじゃないですか。
そうしたら写真撮影で忙しいですよね。
星をキレイに撮るためにどうすればいいのか、テントの光をどのくらいまで明るくすれば映えるか、とか。
野:僕は、つい仕事に近いモードに入っちゃいますね。
たとえば、収納ケースに隙間があったら、ここに何を入れたらキレイに収まるのかとか、この新商品はどの道具や食材と相性がいいのか、とか。
宮:それ、わかるわ〜!
野:自分はメーカーで働いているわけではないので、新商品のアイデアではなく、道具の組み合わせ方を考えますね。
ファミリーキャンプだと、子どもが遠くへ行かないように見張っていたり、危ないことをしないように道具を避けたりと、世話のほうに気がいきやすいですが、ソロだとそっちではない道具に気がいきます。
ーー道具に気がいくんですね。ちなみに、最近の個人的なヒットはありますか?
野:数カ月前になりますが、スノーピークの「ほおずき」のシェードをとって、モスキーランタンの「マッシュポット」をはめたら良かったですね。
はめるときに中が密閉状態になるので、マッシュポットに軽く穴を開ける必要がありますが、ほおずきの光の拡散性が増して、リビング全体が明るくなりました。
宮:なんだか楽しそう(笑)。
野:シンデレラフィットじゃないですが、道具の良さが最大限引き出せる方法を見つけたくなります。
なので、ぼーっとする時間はほぼなく、いろいろ考えてしまって、あっという間に時間が過ぎることはよくありますね。
職業病かな(笑)。
宮:いい意味で自分がしたいことをやっているから、ストレスもないしイキイキとしているかな。
焚き火は釣りと同じ!? 癒しの理由はどこにあるのか
ーー最近は焚き火をするためにキャンプをする人が増えているそうです。お二人は焚き火は好きですか?
宮:もちろん好きです。焚き火をする感覚は、釣りをしているときと似てるんです。
ーーと言いますと?
宮:釣りって、一度始めたら無心になるんです。
目を離しているうちに、瞬間的にエサを食べられるので、釣竿の先から目を離さないようにしています。
要は、ほかのことを考えずにただ竿の先端一点を見てるだけ。
その状態は、焚き火の火を見つめている感覚と似ているな、と。
野:無心になるのはわかります。
火が消えないように薪を組んだり、火吹き棒で火力を強めたりしますが、それ以外は火を見てじっとしていますね。
宮:みんなが「焚き火を見ると癒される」と言いますが、僕としてはこう解釈しています。
普段は仕事や家事、子どものことで何かしらのことを考えていて、頭に余裕がない。
その点、釣りや焚き火はそれをすることだけを考えてほかのことは考えない。
だから頭の中に余裕が生まれて、クリエイティブなことを考えられたり、気持ちがすっきりしたりする。
それが焚き火の癒しなのではないか、と思っています。
野:結論が出ましたね(笑)。
PHOTO/稲澤朝博
TEXT/小川迪裕
出典/ガルヴィ2019年10月号