車中泊を彩る内装カスタマイズ!その秘訣が凄かった!
バンライフを実践しているデザイナー・ユニット「シエルブルー」の2人。
単にバンライフを楽しむだけでなく、自分たちのスタイルに合わせて車のカスタマイズも行なう。
そこで今回は、GMCラリーSTXの内装づくりをしている現場を覗かせてもらった!
Ciel Bleu シエルブルー 茨木一騎(ワカ)さん 実伽(アネゴ)さん
木製ファニチャーの製作やアウトドアコーディネーター、イベントプロデュースなど多岐に渡って活躍する夫婦デザイナーユニット。
いち早くバンライフスタイルを実践し、その魅力を伝えている。
カスタマイズの基本はしっかりと部材を取り除くこと
本格的に始まったインテリア作り。目指すはシエルブルーらしい、ウッドパネルに囲まれた空間。
まずは、余分なモノはすべて取り外されることに。
オリジナルのインテリアはブラウン系のカラーで統一され、厚みのある絨毯敷きの豪華な仕様になっていた。
これをまず徹底的に外していく。
内装を剥がしてみると、天井には新車時の断熱防音材がぎっしり。
まだその効果も期待できるので、現在の純正に少し追加してきっちり隙間を埋めることにした。
車内の取り外せるものをすべて取り外した。
窓枠なども外して、作業しやすい状態にしておくことが基本となる。
下地を整えてから隙間のない施工
下地となる板を張る工程。しっかり施工しないと、仕上がりに影響が出てしまう。
サイドパネルは、下地施工が甘いと、完成時に壁が動いてしまうことがあるのだ。
フロアはもともと付いていたカーペットを、タイヤハウス以外すべて取り外した。
取り外した後はきれいにして、穴などを埋めていく。
下地となる板を張ったら、仕上げのフローリング材をセンターから張る。
壁際やバックドア付近の曲線に合わせて、型紙を作り、木材をカット。
大きな部材なので、失敗しないよう採寸と加工は慎重に。
採寸と修正を繰り返す地道な作業
下地完成後、木材を張る。フロアには杉の羽目板を使用。
クルマに合わせて、いろいろな素材を使うが、今回はアンティークテイストを出すためにも、一般建材のフローリング材を使わずあえて羽目板を使った。
サイドウオールに細めの木材を張っていく。
ボディに型取りの厚紙をあてて、ハサミで切りながら採寸を行う。
それに合わせてジグソーで木材をカット。
ボディ表裏の形状や角度を確認して、修正という作業が繰り返される。
室内に飛び出している部分を避けるように、サイドパネルを張らなければいけないし、形も直線的ではないので加工に苦労する。
ライン通りに切っても、木材をクルマにあてがってみると、曲線がずれていたり、板がはまらないことも。
天井は最後の曲線仕上げにひと苦労
天井は既存の断熱材をそのまま使って、気泡緩衝材でカバーすることにした。
その下に天井用の板をセンターから張っていく。
壁は下部から張り上げていき、天井との接合部は型紙を作って形を調整し、隙間ができないように。
型取りがうまくいかない場合は最後の一枚をある程度の採寸で取り付け、天井との接合部に三角形の長物部材を張り付けて隙間を隠してしまう方法もある。
クルマ作りでは、ある程度、適当に加工しても施工することは可能だが、最終的な美しい空気感を得られない。
そんな、ちょっとした手間や小さな手仕事が仕上がりの違いを生むのだ。
TEXT & PHOTO/渡辺圭史
出典/ガルヴィ2019年12月号