【まるで幻】晩秋にしか見られない!白川郷の「ふかふかトレイル」って?
岐阜県の白川郷から、季節のトピックスをお届けするフィールドノート。
今回は、トヨタ白川郷自然學校の佐藤翔太郎さんが晩秋の森の様子について紹介してくれた。
佐藤翔太郎さん
茨城県出身。学生時代は環境教育を学び、自然のなかで過ごす楽しさを広く伝えたいという想いからトヨタ白川郷自然學校へ。
秋はキノコを追いかけ、冬はBCスキー、春からはテンカラ釣りと、四季折々の白川郷の自然を満喫中。
五感を心地よく刺激する晩秋の森へ出かけよう
秋が深まる今日この頃、日を増すごとに木々の葉っぱはどんどん色づいていきます。
そんな紅葉の時期をオススメすることはよくありますが、今回はその葉っぱが落ちた後の、晩秋の森をオススメします。
自然學校周辺の森に〝幻のふかふかトレイル〟が誕生するのはこの時期だけです。
そっと目を閉じて想像してみてください。落ち葉が積もるトレイルを歩けば、足裏から伝わる感触はふわふわ。
目で見ても色鮮やか、鼻に抜ける匂いは香ばしく、音はパリパリと私たちの五感を心地よく刺激してきます。
なんだかワクワクしてきませんか?
豪雪地帯の白川郷は、12月に入ると、いつ雪に覆われるかわかりません。
なので、ふかふかの落葉が積もるトレイルを歩くことができるのは、雪が降るまでの11月から12月までの、わずかなこの時期だけ。まるで「幻」です。
そんな晩秋の森を歩くときは、せっかくなので足元だけでなく、周りにもご注目ください。
たとえば松の木を探して根元をよく見てみると、不格好なエビフライのようなものが落ちているかもしれません。
それは来たる冬に向けて、リスたちが松ぼっくりを食べた痕跡です。
またクルミやドングリの木を見上げてみると、クマが木に登って木の実を食べた後にできる、熊棚が見つかることも。
木から葉っぱが落ちることで、すっきりと見通しがよくなったこの時期は、動物の痕跡を探すのにもオススメです。
各地が紅葉の観光客で賑わうこの時期、紅葉がひと足早く終わり、少し落ち着いた雰囲気の晩秋の森に、出かけてみてはいかがでしょうか。
高性能センサーカメラで、野生動物をフォトハンティング。
野生動物やその痕跡を観察するなら、“野生動物フォトハンティング”がオススメ。
東京ドーム37個分172haの広大な自然學校周辺の森に、高性能センサーカメラを仕掛けて自動撮影に挑戦。
スタッフの案内でフィールドに残された彼らの痕跡を読み解き、何が写っているのか?
ドキドキしながら翌朝を待ちましょう。
リスやネズミといったかわいい小動物をはじめ、カモシカやツキノワグマといった大型の動物が写ることも!
TEXT・PHOTO/トヨタ白川郷自然學校
協力/トヨタ白川郷自然學校
岐阜県大野郡白川村馬狩223
http://www.toyota.eco-inst.jp
出典/ガルヴィ2019年12月号