【知らないと損】どこにでもある植物からキャンプギアを作る!
1本の細い竹を見つければ、火吹き棒から多様な串までアレンジできる魔法の棒になる。
そんな火吹き棒とBBQ串の作り方をネイチャークラフト作家の長野修平さんが教えてくれた!
長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人。北海道の山菜料理店生まれ。
スウェーデンのモーラナイフ公認日本・台湾アンバサダー。
著書「里山ライフのごちそう帳」(実業之日本社)ほか。
今回の素材 竹
竹には細いものから太いものまでいろいろとあるが、太い竹も先端は細い。
そんな細竹から自分好みの太さの竹を切り出す。
今回は我が家の裏山に猛勢する高さ5mのアズマネザサの中ほどを使用。
今回のマイツール
①金串
ステンレス製の細い金串で片方が尖っている。
太さは1.5mm程で渓流魚の炭焼きなどに使う。ここでは竹の筒の中を掃除する道具。
②カービングナイフ
モーラナイフのウッドカービング162。
先端が細く尖っているのが特徴で、節に細かい穴を開けたり串の削りなど繊細な仕事に最適。
③のこぎり
シルキーノコギリの木工用ミニミニ2。細かい切断作業をきれいにできる。
グリップも使いやすく今回の細竹切りにとても向いている。
④ロープ
持ち手部分をループ状に巻くロープ。
滑りやすい竹の表面でもグリップしてくれる木綿のロープや太いタコ糸がいい。
火吹き棒とBBQ串の作り方
長いアズマネザサ1本をもとに、手に持つベース1本と先端パーツ3本を作る。
先端パーツは火吹き棒、マシュマロ用(2本串)とソーセージ用(4本串)である。
ベースを作る
①竹を4つに切り分ける
一番下の最も太い1本をベース用にする。上3本は先端パーツになる。
②両側の節をくり抜く
火吹きの空気を送るためナイフの先で円を描くようにして両節をくり抜く。太い側は先端パーツを差し込むので奥のほうまで深く抜く。
③吹き口を整える
くり抜いた後は指で触って痛くない程度にナイフで面取り。細い吹き口側は口を当てるので特に念入りに。
④持ち手をつける
タコ糸(3mm径)を1.5m用意。吹き口から10cmの位置へ折った糸を載せる。糸端は15cm出す。それを長いほうの糸で端部からきつくグルグルと巻く。
最後に折り糸の輪に通し、もう一方の糸端を強く引くとロープが固定される。巻の両端の糸を手が入る大きさの輪になるようによじり、エンドを結ぶ。
火吹き棒を作る
⑤先端に好みの大きさの穴を開ける
節際で切った太いほうが先端側。ナイフの切っ先を中心に刺し、ゆっくり注意深く小さな穴を開ける。穴の径は2mmが僕の好み。
⑥接続部を削る
節際で切った細いほうが接続側。ベースの差し込み口へ合わせながら3cmほど入って止まるように削りあげる。慎重に少しずつ削ろう。
BBQ串をつくる
⑦串先の本数に合わせて削ぐ
串先用に節から6cm残した筒部を削いでいく。節先から表裏2面を削ると2本串、表裏と両側面を削ると4本串になる。
⑧串先の間を削り仕上げる
最後は串先の間部分をナイフの細い先部分を使って丁寧に削り、先を尖らせて完成。反対側は火吹き棒と同じ要領で接続できるよう慎重に削る。
⑨完成!
TEXT/長野修平
PHOTO/逢坂聡
出典/ガルヴィ2020年12月号