知らないと危険!冬キャンプで起こりがちなトラブルって?【まとめ記事】
ほかの季節では味わえない楽しさがある冬キャンプ。しかし、想定できないトラブルに見舞われることも……。
そこで全国のキャンプ場に、実際にあったトラブルを聞いてみた!
※テントやシェルター内でのストーブ使用は推奨されていません。使用の際は安全面に十分配慮し、自己責任のもと使用してください。
①テント内で火器を使って大爆発!!
寒さに耐えられなくて、ついテント内で火を使ったり、バーナーで料理を作ってしまったりする人も多い。
その危険性を理解していても「ちょっとだけなら……」「ウチに限っては大丈夫」と軽く考えると、大惨事になることがある。
●栃木県/Aキャンプ場
雪の日にテント内で炭火BBQ。
頭痛がしたのですぐにテントを開放して換気を行ったが、奥で寝ていた奥さんと子ども、BBQをしていた本人も軽い一酸化中毒になり、救急車で病院に搬送された。
●栃木県/キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
テント内でカセットコンロを使用したうえ、ガスヒーターを使用。
ヒーターの前にカセットコンロがあったため、過熱されてガスボンベが爆発した。
幸いお客さんはテントの外にいて無事だった。
●長野県/ACN信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ
テント内の灯油ストーブに、まちがえてホワイトガソリンを入れたお客さんがいた。
幸い給油した段階でスタッフが気付き、火元から離してタンクから抜いた。
キャンプ場からのアドバイス(栃木県/Aキャンプ場)
テント内で火器を使用しないのが基本。
もし使用するのであれば、COセンサーを使い、換気を徹底するようにしてください。
➁薪ストーブでテントが全焼!?
最近、テント内に薪ストーブを入れて暖を取るスタイルが流行しているが、これは非常にリスクのあるスタイルだ。
「みんながやっているから安全」と軽く考えている人は、考え直したほうがいいかもしれない。
●栃木県/ACNサンタヒルズ
テント内に入れて使っていた薪ストーブが不調になり、一酸化炭素中毒になりかけたお客さんがいた。
●新潟県/Bキャンプ場
早朝の寒さのため、テント内の薪ストーブに火を入れたお客さんのテントから出火。
テントは全焼し、お客さん自身もヤケドを負う事故となった。
●広島県/ACN大鬼谷オートキャンプ場
テント内で使用していた薪ストーブに薪を足すタイミングで火の粉が飛び、テントが全焼した。
キャンプ場からのアドバイス(広島県/ACN大鬼谷オートキャンプ場)
基本はテント内でストーブを使わないこと。
使うのであれば小型の消火器を用意して、万が一に備えてください。
一酸化炭素中毒に対する意識も大切です。
③強風下で焚き火を強行したら……
寒い日は焚き火であたたまりたいものだが、ルールとマナーは大切だ。
焚き火ができないときのことを考えた寒さ対策も準備もしておきたい。
●千葉県/成田ゆめ牧場ファミリーオートキャンプ場
直火禁止は最初に案内しているけれど、寒さのあまり直火で焚き火を行ったため、芝が枯れてしまった。
●三重県/Cキャンプ場
寒さから風の強いなかで焚き火を行ったため、火の粉が飛んでしまい周辺のお客さんから苦情が出た。
キャンプ場からのアドバイス(三重県/Cキャンプ場)
風の強い日は焚き火で暖を取れなくなるので、あたたまる食事やドリンク、防寒着など、焚き火がなくても過ごせる防寒対策を。
④コテージ内BBQで一酸化炭素中毒に
テントばかりではなく、コテージでも寒さにまつわるトラブルが起きている。
建物での裸火は厳禁。くれぐれも軽はずみな行動は取らないように。
●長野県/ACN信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ
暖を取るため、防炎シートなどの対策をしないでキャビンのテラスで焚き火台を使い、テラスを焦がした。
●栃木県/ACNサンタヒルズ)
寒さのあまり、あろうことかコテージ内でBBQをやり始め、あやうく一酸化炭素中毒を起こしかけた。
キャンプ場からのアドバイス(長野県/ACN信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ)
経験のないことが起こった場合、勝手な判断ではなく、まずはスタッフに相談して行動してください。
⑤夜中にエンジンをかけて車中泊!
冬キャンプでは、寒さや積雪など、クルマに関するトラブルが多いようだ。
アイドリング中に雪がマフラーを塞いでしまうと、排気が逆流して一酸化炭素中毒になることも多い。
積雪時および降雪の予報が出ている場合は、絶対にエンジンストップを。
●栃木県/キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
スタッドレスタイヤやチェーンの準備がなく、帰れなくなるお客さんが多い。その際はけん引したり、様子を見てチェックアウトを延ばしたり、砂利を敷いて脱出してもらうなど対応。
●福島県/ふくしま県民の森フォレストパークあだたら
キャンプ場への道路が凍結して上ることができず、キャンセルして帰るお客さんがいる。
●茨城県/大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ
寒さで眠れないため、クルマのエンジンをかけっぱなしにして暖を取ろうとするお客さんがいた。注意しても自分勝手な言い訳をして正当化する。
●香川県/国営讃岐まんのう公園オートキャンプ場ホッ!とステイまんのう
キャンピングカーのFFヒーター利用を禁止しているが、隠れて使ってほかのお客さんからクレームが入った。
キャンプ場からのアドバイス(三重県/Cキャンプ場)
天気予報にはない降雪や積雪、路面の凍結などもあるため、スタッドレスタイヤやチェーンの準備が必要です。もちろん、夜の寒さに備えた防寒対策も忘れずに。
⑥夜間に泣きつかれて貸し出し
寒さ対策が十分でなく、夜間にキャンプ場へ泣きつくキャンパーも。
想像以上に寒くて、来場後にシュラフをレンタルしたり、フリースを購入するキャンパーも多いという。
防寒対策は大げさなくらいがちょうどいいかもしれない。
●栃木県/キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
夜間に毛布のレンタル依頼があり、宿直スタッフが対応した。
●栃木県/ACNサンタヒルズ
夜に寒くて限界だとお客さんに泣きつかれ、宿泊をコテージに変更した。
キャンプ場からのアドバイス(栃木県/キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原)
寝具、服装、暖房器具が十分あれば快適に過ごせるので、余裕を持った準備を。
⑦電気容量オーバーでまさかの……
AC電源サイトはとても便利だけれど、使い方をまちがえると非常に危険だ。
●栃木県/キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
ホットカーペットやセラミックヒーターを使用したうえ、ドライヤーや炊飯器などを併用したことからブレーカーが落ちた。
●栃木県/ACNサンタヒルズ
容量以上の電力を使ってブレーカーを落とすだけならまだしも、1500Wも使用して電源コードが焼けてあわや大惨事に。
キャンプ場からのアドバイス(栃木県/ACNサンタヒルズ)
電力容量を少しぐらいオーバーしても……という軽い気持ちで使わないでください。とても危険です!
⑦寒くて夜中に無断退場!?
寒さに耐えきれず、夜中にまさかの雲隠れ!? 思いもよらぬことが起きるのがアウトドア。
さらに冬キャンプとなると、想定外のことが起こりかねない。
繰り返しになるが、知識も道具もしっかりと準備をしておくこと。
●長野県/ACN信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ
寒すぎて耐えられないと、夜中に無断でゲートを開けて退場したお客さんがいた。24時間電話対応できるようにしているのに……。以後、ブラックリストに登録。
キャンプ場からのアドバイス(長野県/ACN信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ)
困ったときは、まずはスタッフに相談することが大切です。
⑧トラブルではないけれど……冬キャンプではこんなコトも!
トラブルというほどではないが、寒さでこんなことになる場合も。
冬キャンプは楽しいが、予想外のことも起こるので十分注意しよう。
天候や道路情報などは事前に自治体やキャンプ場のHPで確認しておきたい。
●広島県/ACN大鬼谷オートキャンプ場
寒冷地用のトイレを使用しているが、凍結でトイレの便器が割れたのでヒーターを追加した。
●滋賀県/十二坊温泉ファミリーキャンプ場
道路が凍結で閉鎖されることがある。そんなときは臨時休業せざるを得ないので、チェックイン予定のお客さんに連絡、SNSでも告知する。
TEXT/牛島義之
出典/ガルヴィ2022年12月号