キャンプ飯に超便利!アウトドア上級者が激推しするダッチオーブン3選
アウトドア専門店だけでなく100円ショップでもダッチオーブンを扱うようになったが、やはり信頼できるものを選びたい。
そこで、今まで多くの鉄鍋を使ってきたアウトドア上級者の長野修平さんにおすすめのアイテムを教えてもらった。
長野修平さん
ネイチャークラフト作家でありアウトドア料理人。
全国で木工や焚き火料理にまつわるワークショップを開催している。
モーラナイフ公認日本・台湾ローカルアンバサダーでもある。
鋳物は肉厚なので蓄熱性がよい
焚き火料理を得意とする長野さんは、アウトドアブランドの定番鉄鍋から、ル・クルーゼ、ストウブ、バーミキュラまで日常的に鉄鍋を使いこなしている。
「アウトドアにおけるダッチオーブンの魅力は、焚き火にかけてほったらかせること。
焚き火を放置するとだんだん火が弱くなるのでその時間を計算すればいい。
焚き火で何度も同じ料理を作っていれば見極められるようになりますよ」
じっくりとした加熱に向いているのは鋳物。
鉄板よりも肉厚なので蓄熱性が良好だし、炭素が多く遠赤外線効果も得られる。
ただし、一口に鋳物鍋といっても鋳鉄の成分や冷却速度によって強度や収縮具合が変わる。
安価な製品ではふたがガタつき、まれに鍋自体がゆがんでいるものも。
これではうまみを閉じ込められないのでやはり信頼ブランドを選びたい。
今回は長野さんおすすめのダッチオーブンを教えてもらった。
■〈ベアボーンズ〉エナメルライン キャストアイアン クロックポット
内側はエナメルだが、外側が鋳物のままなので、焚き火で使いやすくなっている。
ガス、IHなどあらゆる熱源に対応し、日常使いもお手の物。
エナメルは汚れ落ちがよく、酸やアルカリに強いので料理をそのまま保管するのにも都合がいい。
ただし、空炊きや衝撃によってガラス質が割れる危険があるので注意。
フチにある2ヶ所の便利な双方向注ぎ口では、ふたをスライドさせると蒸気抜きの穴があらわれる。
煮崩れ防止や汁を煮詰めたいときに重宝する。
1万9800円
●サイズ30.5×26.7×14.6cm、重量435g
■〈スケップシュルト〉ヤーン キャセロール1.3L
スケップシュルトは北欧唯一の老舗鋳物メーカー。
今も職人が伝統製法で手作りしており鋳物とは思えない寸法精度の高さに驚かされる。
良質な鉄鉱石産出国であるスウェーデン生まれだけあって原材料にもこだわりがある。
同サイズの他社鍋よりもズッシリとして、表面のざらつきも多めだ。
「壁と底の角がなく、料理をきれいにすくえます。
16角形は移動の際に持ちやすくて転がりにくく、北欧の用の美を感じます」
容量は1.3Lで炊飯なら2合ほど。オーガニック菜種油でシーズニング済みだ。
1万7050円
●サイズφ16×H9.5、取っ手2cm、重量2.9kg
■〈ロッジ〉キャンプオーヴン10インチ
キャンプオーヴンはそのまま焚き火に置いても安定する脚や、炭を載せられるふたなど、焚き火料理のために生まれた鋳物鉄鍋で、日本にダッチオーブンを広めた立役者。
「煮込み以外にも使える万能鍋です。ロッジのふたは中央が盛り上がりフチが高いので、我がソウルフードであるジンギスカンの鍋替わりに何度か使ったことがあります」
ふたにはたっぷり炭を載せてもこぼれないフチ付き。
1万4850円
●サイズ(内側)φ25.5×H8cm、重量5.25kg
【おまけDIY】ナイフとノコギリだけで作るヌンチャク型鍋敷き
ほったらかしが基本のダッチオーブンだから、焚き火にかけて調理している間に「鍋敷き」を作ってみては。
ヒノキの枝を適当な長さに切ってチェーンを付けるだけなのでDIY初心者も失敗なし。
鉄鍋の熱で木の表面が焦げたら、焚き付けにしてまた作ればいい。
①ナイフで皮をはぎ、平らに整える
樹皮に多く含まれるヤニが鍋に付かないよう皮をはぎ、鍋が安定するよう枝の上下の面を平らにする。
モーラナイフのガーバーグなら角張った背で整えてもいい
②洋灯吊は切り込みを入れてから
枝を適当な長さに切りわけ、面取りした後、端に真鍮の洋灯吊をねじ込む。
そのままだと入りにくいのでナイフで十字に切り込みを入れておくとスムーズに入る
③ナイフで輪を潰す
洋灯吊のフックを叩き潰し、カラビナが外れない輪にする。
ガーバーグならハンドル後端で叩いても大丈夫。
カラビナなしなら潰す前にチェーンをかけておこう
PHOTO/鈴木優太
TEXT/大森弘恵
出典/ガルビィ2024年4月号