今更聞けない!2次燃焼の効果知ってる?「しっかり2次燃焼出来ると煙や灰が…」
キャンプギアで最近よく聞くのが「2次燃焼ストーブ」。しかし、2次燃焼とは一体何なのか?
よく燃える、暖かいなど、その効果はなんとなく理解しているけど、なぜ、そうなるのかよく分からないよ〜、という人も多いのではないだろうか。
そこで、今回は2次燃焼ストーブの基礎を徹底解説していこう。
2次燃焼ってなんだ?
2次燃焼のストーブや焚き火台を目にすることが増えた。しかし、その効果を理解するのは難しい。
そこで、その原理を知るために、木がどのような状態を経て、その炎を出しているのかを振り返ってみよう。
木材は熱することで、100度を超えると水蒸気、さらに温度が上がりガスが発生する。
焚き火をしている時、薪の状態をよくみてみると、薪のすぐ近くには赤い炎が上がっていなくて、少し離れた位置から炎が上がっている。
まさにこれがガスの燃えている状態になる。
もう一つ注目したいのが、酸素と結合することで炎が出るという原則。
薪を組んだ時、空気の流れを想像しながら見ていると、空気が流れ込んだ場所で炎が立ち上がって、その熱とともに炎が上方向へ移動していることを確認できるだろう。
そして、焚き火の上部からは煙が立ち上がる。
もし、これがすべて水蒸気であれば、お風呂と同じ状態で目が痛くなることはない。
しかし、目が痛くなるのは多くの人が経験している。
ということは、これもガスになる。炎になれなかったガスなのだ。
せっかくあと一歩で燃えるガスなのに、そのまま空気中に排出されるのはもったいない。
そこで、このガスも燃やしてしまおうというのが、2次燃焼の基本的な考え方になる。
2次燃焼の基本的な構造
2次燃焼の基本的な構造は上の写真を見ると分かる。
不完全燃焼した時に発生するガスを酸素と熱でしっかりと燃焼させるため、酸素の取入口とその酸素が混合された空気を温める経路がある。
上写真の場合、下から空気が入り、熱せられながら上から吹き出す。
他のタイプの2次燃焼も見てみよう。
下部の穴から空気が流れ込んで、側面の板内部を空気が上っていく。
上昇気流が発生していて、上部の穴から温められた空気が吹き出される仕組み。
1次燃焼に必要な空気はサイドの下部にあるスリットから内部へ入っていく。
この空気量のバランスが重要なポイントだ。
このタイプは、空気が側面から入って、温められた空気が上部から噴き出す。
吹き出し口の幅も広く、ストーブ全体で2次燃焼効率を確認できる。
本体に足がついているので、高い位置から空気を取り込むスタイル。
空気の流れる側面形状、空気の取り入れ場所など、それぞれに特徴があって、炎の形も違ってくる。
いずれにしても、1次燃焼で燃やすことのできなかったガスを燃焼させ、炉の温度を上げながら、燃焼効果を高めることは共通している。
2次燃焼は効率よく薪を燃やす
完全燃焼すると煙突からの排気は無色透明。
空気孔の調整、薪の並べ方、量によっても効率よく燃焼させることもできるが、この2次燃焼機を使った方が効率がいい。
また、しっかりと2次燃焼が行われると、燃焼後の灰が少なくなる。
広葉樹の短い薪、約20㎝タイプ3本を燃やしてみたが、燃え尽きているのが分かる。
2次燃焼ストーブは一見、簡単な構造に見えるが、きちんと空気の流れを促しながら、十分に空気の温度を上げ、ガスと効果的に混合させるのは意外と難しい。
その、絶妙なバランスを達成して、ようやく2次燃焼ストーブといえる。
そして煙が少なく、薪もしっかりと燃えてくれる効果が得られることになる。
PHOTO/中里慎一郎
TEXT/渡辺圭史
出典/ガルビィ2024年4月号