上級キャンパーが忖度なしの徹底レビュー!新作のアウトドア包丁の実力は?
ペトロマックスとヘレナイフの新作包丁が今、話題になっている。
そこで、どんな使い心地なのか、アウトドア上級者のカフェ店主・A-sukeさんにレビューしてもらった!
A-sukeさん
東京・水道橋にあるアウトドアをコンセプトにしたカフェ『BASE CAMP』店主。
アウトドア全般に造詣が深いマルチプレーヤー。なかでも、フライフィッシング、狩猟、山菜採りなど食にまつわる外遊びにめっぽう強い。
〈ペトロマックス〉クリーヴァナイフ 17
2万6180円
サイズ:全長32.5cm、重量:465g
厚みのあるステンレス刃は幅7.6cmと広く、重量を活かした切り方ができる。
切っ先が鋭角なのが中華包丁との違いだ。
キャベツみたいに高さのあるものを切るのが得意で菜切り包丁みたいな使い方ができます。
中華包丁みたいにダンダンって叩くなら、中華料理店の丸太のようなまな板が必要なので、そういう意味ではアウトドア向きなのかも。
刃が重く、スライスするときは意識的に刃側を持つと楽。
叩くときはハンドルの端を持つといいでしょう
〈ペトロマックス〉オールパーパスナイフ 14
1万3200円
サイズ:全長28cm、重量:130g
薄めでしなやかなブレードで、ペティナイフ的な使い方ができる。
小回りが効き、片手にのるサイズの食材を切るのにちょうどいい
身幅が狭く、大きめのペティナイフっていう感じ。
みじん切りもできるけど、手がまな板に当たることもあるので、食材を手に持って切る、皮をむくのにむいています。
アボカドやマンゴーみたいにやわらかいモノを切るのはこれが一番よかったかな。
一方で、切っ先が尖っていてノミみたいに突き刺せるから、硬いモノも安全に力を加えられました。
〈ヘレナイフ〉デーラ
2万7500円
サイズ:全長27.5cm、重量:205g(プロテクター込み)
60年ぶりに登場したヘレのシェフナイフ。
牛刀と三徳包丁を融合させた形状の刃は、職人によるハンドメイドで切れ味のよさが自慢
身幅があってテーパーも強く、2種類をひとつにまとめたような包丁に仕上がっています。
鏡面仕上げだし、ハンドルに入るスペーサーといい手間もコストもかけた色気のある包丁。
薄くて硬い皮の内側に水分がたっぷり詰まったトマトは僕にとって切れ味の指標なんだけど、デーラは細胞をつぶさずドリップはほとんど出ません。
ただ、アボカドは皮まで切れちゃうので切れすぎ注意かな。
素材別に切ってみた
厚みも幅もあるブロック肉
刃渡り16cmの「デーラ」や17cmの「クリーヴァナイフ」は幅もたっぷりで、切れた肉同士が干渉することなく長いストロークでスーッと切れる。
一方、「オールパーパスナイフ」は刃がしなやかで筋と肉の間に刃がはいっていきやすい。
ただ、どの包丁もスッと肉に潜り、よく切れている。
なじみ深い魚サーモン
ヘタな包丁を使えば切り口から身が崩れてしまうこともあるが、今回用意した3つの包丁はどれも気持ちよく切れる。
なかでも「デーラ」は刃を鏡のように磨いて仕上げており、切れた身が触れても滑らかでスッと離れてくれる。
刃に食材がくっついてしまうとストレスになるので、これは大きなポイントだ。
硬くて大きいカボチャ
「クリーヴァナイフ」くらい幅広で厚い刃だと恐れずぐっと力を込められる!
ただ、その厚い刃ゆえ1cmほど刃が入ると、カボチャが割れることもあり、そこが好き嫌いのわかれる点かも。
「オールパーパスナイフ」のようにしなりがある包丁はカボチャを半分に割るのは厳しいけれど、ひとくち大に切り分けるときは割れることがなくきれいに仕上がる。
A-sukeさんの使用感
今回使った包丁で言えば、デーラとオールパーパスナイフがあれば大抵のことができるでしょう。
デーラなんて職人のハンドメイドだけあり繊細な切れ味が気持ちいい。
だからといってクリーヴァナイフが不要かというとそうでもないんです。
独特の世界観でワイルドに使いたくなる。「それらしく使ってやろう」って、不思議に手が伸びるんです。
研究したくなるっていうか独特のおもしろさが伝わってきます。
出典/ガルビィ2024年7月号