これなんだと思う?幸運を呼ぶ北欧のマグカップの正体とは?
いつも本格的なネイチャークラフトを紹介してくれる長野修平さん。
しかし、今回は初心者でも挑戦しやすいクラフトを紹介してくれた。
それが北欧発祥のマグカップ「ククサ」と「ティースプーン」だ。早速紹介しよう!
長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人。北海道の山菜料理店生まれ。
スウェーデンのモーラナイフ公認日本・台湾アンバサダー。
著書『里山ライフのごちそう帖』(実業之日本社)ほか。
■市販キットでククサを作ってみた
ククサとは北欧に伝わるマグカップで、幸運を呼ぶと言われている。
市販のキットも販売されているので、今回はそれを使って作っていく。
今回の道具
上から、トクサ、〈カルソフ〉スモール カーバー01、〈モーラナイフ〉ウッド カービング 105、同ルーク ウィットブレード(S)-アッシュウッド、〈モンベル〉グローブ
作り方
①厚みと木目を確認
市販のキットはアウトラインが粗く削られている。
どこが薄いか、木目がどう伸びていて割れやすくなるのかを確認しておこう。
事前に水に浸けるものもあるので説明書を確認。
②フルタングナイフでアウトラインを削る
斧のほうが速いが、乾燥したキットをいきなり大きく削っていくと割れる危険が高くなる。
角がなくなるまで、フルタングナイフでアウトラインを少しずつ削ろう。
「角張った形のキットは、台に乗せると削りやすいね」
③底を丸く削っていく
くぼみの周辺の角が落ちたら、次は底に丸みを持たせる。
フルタングナイフで木目に沿って削っていく。切っ先が脚の外になるように持つことも重要だ。
④厚みのある場所は手斧で大きく削ぐ
厚みがあり刃の動きが木目と直角になる場所は手斧で削ぐと効率がいい。
「手斧の頭を持ち、少しずつ位置を変えるように削って」
⑤カービングナイフで細部を削る
穴に合わせて外側をカービングナイフで削り厚みを整える。
それができたら形を整え、最後に飲み口など細かな点を削る。
⑥トクサで磨く
半干ししたトクサで表面を磨く。
サンドペーパーでもいいが、砂粒が木に残り、後から削って調整するときに刃こぼれの原因となる。
サンドペーパーで磨くのはそれ以上削らない場合のみ。
⑦オイルで磨いて乾燥を繰り返す
カップにくるみオイルなど時間を置くと固まる植物油を注ぎ、全体に染みこませる。
磨いて数週間乾燥を数回繰り返したら熱湯を注いでも大丈夫。
■ホオノキで作る基本のティースプーン
今回の道具
左から、〈ロゴス〉グローブ、〈モーラナイフ〉フックナイフ 162 ダブルエッジ、同ウッド カービング 105、同ルーク ウィットブレード(S)-アッシュウッド、〈シルキー〉ポケットボーイ 130カーブ、自作バトニング棒
作り方
①長めに切ってから4分の1に割る
ホオノキはノコギリで長さ17cmほどに切り、それをフルタングナイフでバトニング。
4分の1に割ったら、樹皮がついている方にくぼみがくるようデザインを考える
②フルタングナイフで大まかに削る
フルタングナイフでアウトラインを削る。上・下・横から眺めながらバランスよく。
③カービングナイフで曲線を作っていく
くびれなどは刃の薄いカービングナイフでていねいに。
④カービングナイフでくぼみを削る
フックナイフで好きな深さにくぼみを作る。
「両刃のフックナイフは刃のそばに親指があるのでケガしやすい。気をつけて」
⑤くぼみに合わせて厚みを均一に仕上げる
外側を削って同じような厚みにする。
「最後は指で感触を確かめながら削っていくので、ナイフを持つ手は素手。間違っても木を支える手を素手にしないで」
⑥バランスよく削れたら完成
出典/ガルビィ2024年7月号