知らないと損!焚き火のNG行為とは?キャンパーがやってる対策術を徹底解説!
まずは覚えておきたい!焚き火での6つのNG行為
1. 落ち葉など燃えやすいものの近くは避ける
乾燥した落ち葉は引火すると燃え広がりやすく、延焼の危険大。
落ち葉が多い場所では焚き火を控えるのがいいだろう。
区画サイトの場合は、焚き火台を中心に広い範囲で落ち葉を避けておく、また風向きによっては焚き火を控える。
周囲を見渡して、しっかり判断しよう。
2. 火を大きくしすぎない
焚き火をしていると、薪をどんどんくべて炎を大きくしたくなる。
けれど大きな炎は火の粉の量も増え、自分だけでなく、近隣サイトのテントやタープなどに穴をあけてしまうことも。
さらには近くのものに燃え移ってしまう可能性も大だ。
トラブルの原因にもなりやすい。
焚き火は、焚き火台などの器具からはみ出さず、自分が制御できる大きさで楽しむのがマナーだ。
3. 木の根元で焚き火をしない
とくに枯れ葉や枯れ枝のある木のそばで、焚き火をするのは避けよう。
火が燃え移るなどの事態を防ぐのには当然のことだが、他にも理由はある。
これらの木だってキャンプ場の大切な資源だからだ。
延焼してしまった木は、二度と元には戻らない。
そんなことにならないようにキャンプ場へ配慮するのも、マナーのひとつだ。
4. 煙を近隣サイトに直撃させない
焚き火をしているのだから多少の煙は仕方ないけれど、あまりに大量の煙が自分のサイトに直撃したらどうだろう?
煙いし、目が痛くなるし、あまりいい気持ちはしないはず。
だから焚き火は風向きを考えて行うのがマナー。
また薪の乾燥が不十分だと、火にくべたときに煙が大量に発生する。
そんな薪があったら、すぐに焚き火台のそばに置き、火の力で乾燥させよう。
5. ゴミを燃やさない
焚き火だからといって、なんでも燃やしていいわけではない。
なかにはキャンプ中に出たゴミを燃やす人もいるけれど、ものによっては黒い煙が大量に発生したり、悪臭が漂ったり、近隣サイトに迷惑がかかる。
また紙類のゴミを燃やすと灰が大量に発生し、風で散らばっていく。
周囲のキャンパーが嫌な思いをしないよう、配慮が必要だ。
6. 火を残したまま放置しない
さて寝ようと思ったときに、タイミングよく焚き火が消えることはあまりない。
できればすべてを燃やし尽くして終わるのが、焚き火のベストな終わり方。
就寝時間までに焚き火終いができるよう、薪や炎の加減を調整しよう。
また、夜に薪を割る音はかなり響く。キャンプ場が設定した消灯時間までに焚き火を終わらせるのがマナーだ。
炎上焚き火の回避術と消火方法
■ コントロールできる範囲で焚き火を楽しもう
気分が盛り上がったり、ちょっと寒いなと思ったりしたときに、つい大きな炎で焚き火を楽しんでしまいがちだが、火の粉を飛散させてしまったり、手に負えないほどの炎になってしまう危険性がある。
決して必要以上に大きな炎をおこさず、自分でコントロールできる範囲で焚き火を楽しむようにしたい。
大きな炎にしないためには、薪を無闇に入れないこと。
燃料となる薪が多いほど、炎も大きくなってしまう。
ちなみにコントロールできる炎とは、薪を動かすだけで火力が調節できるくらいが目安と考えておこう。
■ 安全な薪の組み方
薪の組み方によっても、炎の上がり方が変わってくることを覚えておこう。
炎の特長を知っておけば、火の大きさだけでなく、火の粉の飛散を抑えることもできる。
さまざまな薪の組み方があるが、キャンプでの焚き火は「並列型」が安心だ。
しかし油断は禁物。万が一、炎が大きくなってしまったときに備えて、消火できるように水などをきちんと準備をしておこう。
井桁型、合掌型、並列型の3タイプの組み方で焚き火を比較してみた。
■ 大きな炎の消化方法
「急に風が強くなってきた」「火が大きくなりそう」というときに、どんな方法で消火すればいいのか?
消火に適しているといわれる3つの方法で焚き火を消火し、消火しやすさや消火具合などを検証してみた。
1.バケツの砂で消火
15ℓのバケツに8分目の砂を入れて消火に挑戦。持ち上げるとかなり重量感がある。
投げかけるのは大変!
重い砂を投げるようにしてかけるのは難しく、上からかけるような形になってしまった。
ボリュームのある砂が炎にのり、一瞬で消火完了。ただし、しばらくは煙が漏れ出ていた。
〈結果〉
重いので、上からかけるような感じになってしまった。
しかし、まとまった砂が一気にかかって酸素が断たれ、思った以上にスマートに火が消えた。
2.バケツの水で消火
15ℓのバケツに8分目の水を入れて消火。持ち上げた印象は、砂に比べると少し軽い感じ。
意外と投げかけは簡単。
砂のときより火から離れた位置で投げかけることができたので、恐怖感は少なかった。
消火後は火がくすぶることなく見事に鎮火。ただし煙はモクモクで、焼け残りも散乱した。
〈結果〉
1杯の水だけで消火できるのかどうか不安だったが、しっかり消すことができた。
ただ消火後に煙が出るので、周囲に迷惑をかけることになるかもしれない。
3.消火クロスで消火
初期消火用のガラス繊維製の消火クロスでチャレンジ。サイズは100×100cm。
広げて炎に近づいてクロスをかぶせなければならないので、3つのなかではいちばん怖い。
密閉が消火の条件。酸素を断つために隙間なくかぶせる。
クロスが燃えることはないが表面は多少焦げてきた。
〈結果〉
10分後、火は消えていたがクロスを外してしばらくすると再発火した。
完全消火には長時間かぶせっぱなしにしておくか、種火を水で消す必要がある。
火の粉の飛散を防ぐには?
■ キケン!火の粉が舞う焚き火とは?
(1)薪に水分が多い場合
乾燥が不十分な薪や湿気った薪は、内部で水蒸気が爆発してはぜる。薪が湿っていたら焚き火で乾かし、乾いている薪は湿らないように薪スタンドを活用しよう。
(2)風が強い場合
風が強いときは、通常舞い上がらない粒子の大きい火の粉も遠くまで飛んでいってしまい、火災につながりやすい。風の強い日には焚き火をしないよう心がけたい。
(3)薪が針葉樹の場合
スギなどの針葉樹の薪は脂が多く、比較的はぜやすい。針葉樹はできるだけ焚き付けに使い、焚き火には脂が少ないナラなどの広葉樹を使用する。
(4)薪の量が多い場合
火力が大きくなると上昇気流が強くなるので、火の粉が勢いよく舞い上がり、遠くに飛んでいってしまう。一度にたくさんの薪をくべず、炎は小さくしよう。
■ もし火の粉が抑えられなかったら……
気をつけても火の粉を抑えられない場合は、無闇にあおいだりせず、薪を移動させるなどして間隔を開け、焚き火を小さくしよう。
煙を出さない焚き火術
煙は直接火災などにはつながらないが、多くの煙を出し、それを吸ってしまうと気分が悪くなったりする。さらに他人のサイトに煙が向かってしまうと迷惑になってしまう。
またそれが原因で、ご近所トラブルに発展するケースもあるので、できるだけ煙が出ないように焚き火を楽しみたい。
では、煙が出ないようにするためにはどうすればいいのか?
■ 煙が出る原因とは?
(1)薪の温度が低い
薪に水分が多いと、熱せられても温度が上がらない。すると可燃ガスに着火しないので、ガスはそのまま煙として立ち上ってしまう。
(2)酸素が足りていない
発生した可燃ガスに着火しても、酸素が足りないと燃焼を促進できず、不完全燃焼を起こして煙を発生させてしまう
簡単にいえば薪の温度を上げて可燃ガスを発生・着火させ、酸素を供給して可燃ガスを完全燃焼させることだ。
温度が上がりきらなかったり、酸素の供給が足りなかったりすると煙が出てしまうので注意しよう。
■ 煙が出にくい焚き火作りのポイント
(1)焚き付けを燃やして、中太の薪を入れる
細い小枝などの焚き付けを集めて着火剤に着火。火が安定してきたら中太の薪を入れる。こうすることで薪の温度が上がりやすくなり、煙が出にくくなる。
(2)薪と薪の間に適度な隙間を作る
中太の薪に火が移り安定したら、太い薪を入れていく。このとき、薪と薪の間に適度な隙間を空けることで酸素が入りやすくなり、完全燃焼しやすくなる。
(3)太い薪は焚き火のまわりで温めておく
焚き火が安定してきたら、太い薪を炎のまわりに置いておく。薪の湿気が取れたり、内部の温度が上がるので、次にくべたときに燃焼しやすくなる。
注意しながら焚き火をしても、煙が出てしまう。そんなときは薪が湿っている可能性がある。そのような場合は、細く割った薪で小さな焚き火を作り、その火の脇で太めの薪を乾燥させよう。ただし生木の場合は水分が多く、火のそばに置いたくらいでは乾燥しない。薪に使っても温度が上がらず、煙ばかり出てしまうので使わないようにしよう。
こんなケースも!気をつけたい焚き火のトラブル事例
■つまずいて焚き火に転倒
焚き火は炎が明るくて、その周辺は真っ暗に見えてしまう。だから足元に薪の束などを置いておくと、見えずにつまずいて転ぶこともある。転んだ先に焚き火台があったら、大変なことになってしまう。とくに小さな子どもやお酒に酔った人は、注意力が足りないのでつまずきやすい。大惨事にならないためにも、焚き火の近くには小型のLEDランタンを置き、足元を明るくするようにしよう。
■ チューブタイプの着火剤追加は絶対NG
なかなか薪に火が付かないからと、チューブタイプの着火剤を直接焚き火に追加すると、着火剤を伝って手元に火が来てヤケドをする恐れがある。それがウエアに引火したら大惨事だ。絶対に行わないこと。
■ ガソリンを着火剤にするのは厳禁
※周囲の安全を確認して行っています。絶対に真似をしないでください。
その昔、ホワイトガソリンを着火剤代わりにするといった“裏ワザ”が散見したが、ガソリンは少量でも火柱が大きく上がる。また撒く時に霧状になると爆発してとてもキケンだ。水では消火ができないので、大きな炎になると手が付けられない。大事故にもつながるので絶対に行わないようにしよう。