【サバイバル】姫乃たまの「おそとで生きるもん!」第6回 お庭で燻製&アヒージョ(後編)【キャンプ】
こんにちは、姫乃たまと酒です。
突然ですが、私は左から2番目のボトル「ラフロイグ」が大好き。
スコットランドのアイラ島でピート(泥炭)を燻して香りづけをしている、非常にスモーキーなウイスキーで、わかりやすく言うと“液状のおいしい正露丸”です。
この説明だと、飲んだことのない人は不思議な表情になるのですが、飲んでみると「おいしい正露丸だなあ」となるはずです。
今日はラフロイグが飲みたくて燻製をしているといっても過言ではありません。
が、私のミスにより、1時間近く「ようかいけむり」程度の煙しか出ていない状態でスモークハウスを放置してしまったので、ここからちゃんと1時間燻していきます。
……よし、飲むか。
焦る必要はないのです。「何もしない」をするためのお庭キャンプなのだから!
よーし、飲むぞ(2回目)。
ラフロイグは割るともったいないかなあと思いつつ、私はハイボールにするのが大好きです。これが水と並んで一番好きな飲み物で……いや、でも赤ワインも好きだし、焦がし麦焼酎も好きだな。
お酒に一番とか優劣つけようなんて百億年早いわ!
でも、なかでもラフロイグが好きな理由のひとつは、「フレンズ・オブ・ラフロイグ」っていうクラブがあって、ボトルを買ってオンラインで登録するとアイラ島の土地を一平方フィート(30㎠くらいの面積)貸してもらえるんですよ。(詳しくはラフロイグ公式サイトを参照)
私の土地もアイラ島にあるそうで、行ったことも見たこともないのですが、でもそこにあるらしいという事実がすごく楽しい。
こうして庭で過ごすようになってから、「この何もしない時間と、アイラ島の小さな土地は似ている」と思うようになりました。
東京には自宅と駅とお店しかなくて、私の頭の中の地図はずっとそのスポット同士を繋ぐ点と線で出来ていました。でも庭で過ごすことによって、どんな場所にもぼうっと立ち止まっていいんだと気づいたら、地図の中でただの線だと思っていた、なんでもない路地が、すべて意味のある身近な場所に変わったのです。
世界が拡張されたようで、その時ふと、確かに地球上のどこかにあるらしいアイラ島の土地を思い出しました。
これ、まったく宣伝とかじゃないんですが、これを書いたことにより酒造からお金をもらえたりしませんでしょうか(しません)。
ちょっとだけ扉を開けて、煙を嗅ぎながらハイボールを飲んだり、箱を抱えて飲んでみたり。
密閉していたほうが効率よく燻されそうですが、時間はあるので構いません。ぱたぱた。
そして約1時間後。完成〜!!!(した気がする!)
ふあああ、気分が上がるう!
気分が上がり過ぎてホワイトホースのハイボールに煙を入れて飲んでみました。
「入れて」といっても、グラスにふんわりとかける程度なので、変化はまったくわかりません。でもテンションがさらに上がったので、オールOKです!
燻製って、パッと見はあまり変わらないところが、いじらしくていいんですよね。
でも乾いてぎゅっと旨味が増して、スモーキーになっているところがたまりません。
数十年越しに同窓会で再会した同級生みたいです。
「変わらないね。でもやっぱり素敵になったね」って感じがします。まだ同窓会やったことないけど。
よし、食べるぞ。
燻されてた〜!
燻すと水分が飛ぶので、指でつまんで食べやすくなるのも好きです。食材がより気軽で、親しい感じになります。
今回は桜のスモークウッドを使ったので華やかな香りでしたが、木の種類が違うと印象もかなり変わります。
燻製用の木材といえば、桜のほかにカエデやヒッコリーなんかが思い浮かびますが、何を使ってもいいんでしょうか。
たとえば、そのへんに落ちてる正体不明の木の枝のミックスとかでもいい匂いになるのかな(すごくならなさそうだけど)。
はー、やっぱり燻製とラフロイグの組み合わせは最高。
ホタテとかたくあんとか、もともと風味が強いものもおいしいですが、プロセスチーズみたいに癖の少ないものだと、おいしさがわかりやすい!
よって、今回用意した食材の中ではタラが大正解でした。おいしいー。幸せー。
庭の草木は芽吹きはじめ、花が咲き、季節の移り変わりを感じます。春ですね。
【次回予告】
のんびり飲み食いしている間にNちゃんと盛り上がり……お庭を離れて遠征したいなぁという話に! もしまだお庭にいたら、計画が先延ばしになったんだなと思ってください。
【使用製品】
ファイアーストーム/サイドテーブル付デッキチェア/ナチュラルウッドロールテーブルクラシック110(いずれもコールマン)
撮影協力:コールマン ジャパン
℡.0120-111-957(月~金10:00~17:00
www.coleman.co.jp
【プロフィール】
姫乃たま(ひめの たま)@Himeeeno
1993年、東京都生まれ。10年間の地下アイドル活動を経て、2019年にメジャーデビュー。同年4月に地下アイドルの看板を下ろし、文筆業を中心にトークイベントにも数多く出演している。
2015年、現役地下アイドルとして地下アイドルの生態をまとめた『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)を出版。著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)、『周縁漫画界 漫画の世界で生きる14人のインタビュー集』(KADOKAWA)など。音楽活動では作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『パノラマ街道まっしぐら』『僕とジョルジュ』などがある。