【焚き火の方法と道具】焚付に火をいれ安定した焚き火へ
よく乾いた小枝や薪を細く割った焚付をたっぷり準備できたら、いよいよ着火。準備した焚付には簡単に火がつくけれども、風を送ったり火ばさみでいじったり、ちょっとしたことで火が消える。小さな炎から、いかに熱量を高めて安定した焚き火にできるかはここが勝負!
たっぷりの小枝を用意して小枝で熾を作る
両手で持てる量の2倍の焚付がほしい
少しの焚付でも効率よくスムーズに大きな焚き火へ育てられればカッコいいが、最初はうまくいかないもの。
薪を燃やすにはそれなりの熱が必要で、焚付への着火はその第一歩。細くてしなやかな焚付はマッチ1本ですぐ燃える半面、すぐに消えてしまう。
モノが燃えたとき、安定して長く熱を放っていれられるのは、炎をたてている状態よりも熾になった状態だ。小枝の一部が黒くなっただけでは、ちょっとした刺激で消えてしまう。まれに焚付の段階で強い風を送っている人を見かけるが、せっかくの熱が飛ばされるのでここはガマン。炎は小さくなっても芯が真っ赤になった熾になれば、火力が安定している証拠だ。
とはいえ、繊細な焚付だと熾になってから燃え尽きるまでの時間は短い。追加する新しい薪は冷たく、少量の短時間しか持たない熾では表面が黒くなるのが精いっぱいだ。
焚付は、目いっぱい両手に持つ量だけではやや不安。できれば倍の量の焚付を用意してたっぷり熾を作ろう。
着火剤の上に小枝や木くずを載せておく
ちぎって半分に折った牛乳パック着火剤の上に焚付を載せて小山を作っておく。牛乳パック着火剤に手が届くよう空間を作っておき、マッチの炎を牛乳パック着火剤に近づける。
マッチのすり方
マッチを使う機会が減ったので、今一度すり方をおさらい。マッチの軸を持ってマッチ箱のすり側に同じ角度のままこすりつける。火がついた後、火を上にして持つと消えるので軸を地面と水平にして着火剤に点火しよう。
着火剤を用意する
マッチの炎はすぐに消える。油脂を含んで、長く燃え続ける着火剤に火をつければ、焚付を確実に熾へと導いてくれる。身近なものでも、着火剤になるものはたくさんあるので、それを探すのも楽しみ。
市販の着火剤
最も手軽で確実。ただし、一度開封すると成分が揮発して効果が弱まるものがあるので、使い切れる小分けタイプが便利。
牛乳パック
身近な着火剤のひとつで、防水のためのコーティングがよく燃える。1本分の牛乳パックがあれば5~6回分の焚き火ができる。
樹皮
杉や白樺の樹皮は、樹脂を豊富に含んでいるので燃えやすく、長時間燃え続ける。薪や倒木からむしり取っておき、余ったら保管。
麻ひも
これも身近な着火剤のひとつ。そのままではなく、指で細かくほぐしておくとメタルマッチのわずかな火種でもよく燃える。
雨の日に重宝するファイヤースターター
ライターは気温が低いと点火しづらく、マッチは雨に弱い。万一に備え、金属の棒をこすって火花を飛ばすファイヤースターター(メタルマッチともいう)があると安心だ。
ロッドを固定する
金属棒(ロッド)をナイフの背などでこすって火花を飛ばす。棒を持つ手は脇をしめ、手首を固定しておくと火花が一定方向に飛ぶ。
木くずを集めておく
小さな火花で火がつくよう、ロッドを軽く削った粉と、樹皮をしごいた微小な木くずを集めて、火花を飛ばす。樹皮の上で行えば、樹皮ごと小さな炎を焚付まで持ち運べる。
火をつける道具
今やファイヤースターターは当たり前。ロッドが長めで持ちやすいものを選びたい。ほかにも着火剤付きマッチ、風に強いプラズマ、空気を圧縮して火をつける器具など、一風変わった道具があるので好みのものを探し出そう。
5つの機能が付いたマルチツール
アウトドアエレメント ファイヤービナー カモ 2200円
ライターのようにホイールを回すことで火花を飛ばす。ホイール内部にあるフェロロッドが消耗すれば交換OK。ラインカッター、ドライバー、栓抜き機能も付属していて、カラビナでどこにでも持ち運べる。全2色。
■サイズ:8×3.5cm ■重量:28g 【問】モチヅキ
風に負けないエコな着火剤
UCO ストームプルーフ スィートファイヤー 1980円
サトウキビの絞りカスが原料の着火剤。マッチのように箱にこすりつけて着火すれば7分ほど燃焼する。風に強く、少しくらい水に濡れても、箱にこすりつければ火がつくのが頼もしい。20本入り。
■サイズ:11.5×6.5×3cm ■重量:82g 【問】モチヅキ
ライター感覚で着火できる
UCO アークライター&フラッシュライト 3520円
ふたつの電極の間に1093℃のプラズマを発生させるので、風が強い日でも安心。反対側にはライトを装備しているのでキャンプはもちろん防災アイテムとしても役立つ。
■サイズ:10×3.5×1.5cm ■重量:97g 【問】モチヅキ
ロッドを削りやすい形状
レンメルコーヒー ファイヤースターター 7150円
ファイヤースターターと栓抜き・缶切り付きスクレーパーナイフのセット。ナイフの細い切れ込みにロッドを当てるのでブレにくく、きれいに火花を飛ばせる。バーチ材のハンドルも持ちやすい。
■サイズ:ファイヤースターター2.7×11.2×1.8cm、ナイフ全長13.2cm ■重量:ファイヤースターター28g、ナイフ28g 【問】アンプラージュインターナショナル ※サイズなどには個体差あり
おまけの火口を内蔵
エクソタック ファイヤーロッド V2 3300円
よくあるフェロセリウムのロッドかと思えば、持ち手にはアルミの防水ケースが付いていて、火口が内蔵されており火口集めの手間いらず。2019年モデルよりもロッドが2cm長くなってより扱いやすくなった。
■サイズ:全長12cm ■重量:39g 【問】アンプラージュインターナショナル
空気を圧縮して点火
ペトロマックス ファイヤープランジャー 3850円
パイプの中に棒を押し込むことで、内部の空気が圧縮される。このときに生じた熱で、内部に仕込んだ火口に点火される。うまくできないときのために、ファイヤースターターのロッド付き。
■サイズ:19×10×4.3cm ■重量:82g 【問】スター商事
子どものお手伝いにも使える
キャプテンスタッグ ファイヤースターター・火吹き棒 セット 3960円
ロッドとそれを削るプレート、そしてテレスコピック式の火吹き棒のセット。ナイフではないので子どもにお手伝いさせるときにも安心して使わせられる。
■サイズ:点火棒2×1.1×7.6cm、プレート2×1.1×6.7cm、火吹き棒1.6×2×48cm ■重量:ファイヤースターター28g、火吹き棒40g 【問】キャプテンスタッグ
火吹き棒と火打ち石のセット
バーゴ アルティメット ファイヤースターター 3960円
テレスコピック式でコンパクトに持ち運べる火吹き棒とファイヤースターターのセット。ファイヤースターターは吹き口にねじ込まれていて、外側に取り付けられたギザギザに、こすりつけて火花を飛ばす。
■サイズ:φ1.5×46.4cm ■重量:53g 【問】ケンコー社