【焚き火の方法と道具】火を育てて安定した焚き火へ
焚付でたっぷりの熾を作ったら、いよいよ薪を加えて火力を上げていく。火を育てていくうちに、火の性質や薪の燃え方がわかってくる。風の取り入れ方、気温との関係、樹木によって異なる香りなど、焚き火は自然のことを学ぶ絶好の教材であることを実感するだろう。
①焚付をしっかり熾にする
たっぷりの焚付を用意し熾にすることで、この後加える太めの薪を燃やすための熱を蓄える。この段階で強制的に空気を送る必要はなく、ひたすら焚付を追加するのみ。
②たっぷりの熾ができれば細い薪を追加
手では折りづらい細めの薪を数本、焚付の熾に載せる。写真は熾が少なめだけれど、よく乾いた薪だったので無事火が移った。15〜20本の細い薪で熾を作ろう。
③樹皮側を熾に向ける
薪に樹皮が残っていたらラッキー。樹皮側を熾に向けて置くと燃えやすい。樹皮がない薪は、ナタで薄く切れ込みを入れておいてもいい。
次の薪を乾かしておく
次に加える薪が湿気を帯びないよう、薪はスタンドの上で保管。灰受け付きで高さがある焚き火台なら、下に置いて少し温めてもいい。
④太い薪が燃えたら見守りながら炎をキープ
熾を作りながら徐々に太い薪を加えることで、立ち消えることなく安定した焚き火に育つ。最後に広葉樹の太い薪を加え、火がついたらもう安心。焚き火から目を離さず、心ゆくまで楽しもう。
⑤少しずつ太い薪を加えて火をコントロール
小型の焚き火台は薪がこぼれないよう気をつけて
市販の薪がはみ出る焚き火台がある。ノコギリで切りそろえておけばいいが、少しくらいならそのまま使いがちだ。燃えたまま焚き火台の外にこぼれ落ちないよう、火ばさみで調整しよう。
薪に沿って炎が上がるので好みの大きさにコントロール
炎は薪の表面を上へ上へと上っていき、薪が交差する場所に集まっていく性質がある。これを知れば、調理や暖をとる際に上手に炎の高さと強さをコントロールできる。
薪を寝かせて並べると、炎はそれほど大きく立ち上がらないが、同じ薪の本数でも薪同士を重ねるようにして高さを出せば、写真左のように炎は大きくなる。炎が大きくなると、薪の消費スピードは早くなることも覚えておこう。
燃焼に必要なものは何かを考えて
燃焼には可燃物(薪)と酸素、熱という3つの要素が必要だ。
焚き火では、火吹き棒やうちわを使って空気を送ると、火力が強まるイメージがあるが、それはしっかり燃えた後のこと。表面に火が乗っただけのときに、勢いよく空気を送ると燃焼に必要な熱が奪われ、かえって立ち消えの原因になる。
焚付を熾にするときは、風を送らずそっと焚付を加え続けて、まずは熱を蓄える。焚付の熾ができたら細めの薪を数本載せて、薪に火を移す……という具合にじっくり焚き火を育てよう。
薪を載せるときは、適度に空気を取り入れられるよう、焚き火台のフチに薪を載せるなど、薪と薪の間に隙間を作っておくとよく燃える。薪を積み重ねるほど大きな炎になるが、大きすぎる炎は火力をコントロールできなくなるのでほどほどに。
気をつけたいのが湿った薪だ。せっかくの熱が水分を飛ばすことに使われるので、煙が増えるだけでなく、立ち消えの原因になりかねない。湿った薪は焚き火台に立てかけるなど、できるだけ薪を乾かして温めておきたい。
火をいじる道具
火がついた薪をつかむ、熾を細かく割る、焚き火に空気を送るなど、自分好みの火にするための道具たち。火吹き棒は、長さと径(噴き出す空気の量に影響あり)を確認。薪ばさみや火かき棒は、ぐらつかず安定感のあるものを選びたい。
重い薪をキャッチ
ロゴス LOGOS薪ばさみ 2420円
重い薪をつかむキャンプ用薪ばさみの超定番アイテム。ロングセラーだけに、ウッドハンドルにカバーを付けるなど、カスタムしながら使い続ける愛用者が多い。
■サイズ:42×8×2.5cm ■重量:330g 【問】ロゴスコーポレーション
火かき棒とトングが合体
ファイヤーサイド ファイヤーバード 8690円
鉄製トングの先端が尖っており、火かき棒の役目のほか、小さなを熾をつかみやすくなっている。薪が滑り落ちそうだが、穴内側に突起があり、薪をしっかりとつかめる。本革カバー付き。
■サイズ:6.5×54cm ■重量:445g 【問】ファイヤーサイド
ギザギザ付きでガッチリつかむ
ハイランダー 薪ばさみ 980円
軸は細いけれど、薪をつかむ先端が幅広で爪付きのため、太い薪をがっちりつかめる。はさみのように指全体を入れるハンドルなので操作性も良好だ。
■サイズ:全長45.5cm ■重量:290g 【問】ナチュラム
リッドリフター機能付き
キャプテンスタッグ 2WAY ダッチオーブン 炭バサミ45cm 1980円
先端がフック状になっているので、薪や炭をつかむほか、ダッチオーブンのフタを持ち上げるリフターとしても使える。幅広のトングで、先端付近はツメがあるため安定感も高い。
■サイズ:4.5×3.5×49cm ■重量:220g 【問】キャプテンスタッグ
長さを変えられる火かき棒
コフラン エクステンディブルFireポーカー 2200円
2段階に長さを変えられる火かき棒。76cmに伸ばせば、椅子に座ったまま焚き火をいじるのにちょうどいい。夏の焚き火調理などちょっと焚き火から離れていたいときにも重宝する。
■サイズ:全長43〜76cm ■重量:336g 【問】エイアンドエフ
ロングタイプの火吹き棒
ペトロマックス ファイヤーブロウパイプ 5060円
29-6-2-Lostau_3.jpg アップロード不可
全長96cmという長い火吹き棒で、座ったまま空気を送ることができる。グループで囲む大きな焚き火台で、反対側に移動しなくても、その場で空気を送れるのも便利。
■サイズ:全長96cm ■重量:376g 【問】スター商事
少ない力で最大限に火力を上げる
ラウゲシュタルト シュッポ 1万3200円
2本の持ち手を開け閉めすることで、中にたまった空気を送り出すドイツ製フイゴ。空気をためるジャバラ部分はカーフスキンを採用し、しなやかに伸び縮みしてストレスがない。ナラ材を使用。
■サイズ:18×5×54cm ■重量:800g 【問】ファイヤーサイド
グリップを握ってラクラク送風
キャプテンスタッグ グリップ式 パワー送風機 1265円
ガンタイプの送風機で、赤いグリップを握るだけで柔らかな風を送ることができる。息を送り込むよりも簡単。電気の力を借りて焚き火の火力を上げる。グループで囲む大きな焚き火台の際に重宝するはず。
■サイズ:5.5×13.5×23cm ■重量:130g 【問】キャプテンスタッグ