スプーン・フォークの二役をかう「Lue(ルー)の スポーク」
アウトドアメディアを中心に活躍するフォトグラファー・野呂美帆さんが、普段の生活にも取り入れたいアウトドアアイテムを紹介。今回は、スプーンとフォークが両側についている一つ二役のカトラリー“スポーク”です。
山へ持っていく道具は少しでも減らしてコンパクトにしたい。そんな思いから、山登りの時は“スポーク”を使っている。
スポークとは、スプーンとフォークが両側についている一つ二役のカトラリー。箸だけじゃ不安だし、スプーンとフォークどっちも持っていくほどでもないし…という時にピッタリ。カレーやヌードル、山でよく食べるものに不便なく使えてコンパクト。これさえあれば困らない、山ごはんでは無敵の存在だ。
しかし、以前使っていたものは軽さ重視のプラスチック製。強度は無敵ではなかった。
踏んで割れたり、硬いものに突き刺してポキっと折れたり。バーナーの近くに置いていて火で溶けて(焼けて)しまったり…。匂いもつくし、カレーなどで変色もする。消耗品として割り切るならいいが、できればずっと使い続けたい。
そんな時に出会ったのがLueのスポークだった。
ひとつひとつ手で作られた美しい輝きの真鍮製。当然プラスチック製よりも重いが、手にするとそれがほどよい重さに感じる。真鍮とは銅と亜鉛の合金。銅には殺菌作用があると言われ、亜鉛は人体に必要なミネラルの一つだという。空気中の成分と反応してくすんだり黒ずんだりする性質があるが、それもまた経年変化の楽しみのひとつ。
使い込むほどに味わいが出て、自分だけの色になる。重さは増えるが折れる心配も溶ける心配もない。これでこそ無敵なスポークと言えるだろう。
TEXT / 野呂 美帆(フォトグラファー)
この記事は、日常・非日常問わず、暮らしが豊かになるようなアイデアを提案するメディア『日非日非日日(にちひにちひにちにち)』からの転載となります。