コンパクトで価格も手頃「オピネル製のアウトドアナイフ」
アウトドアメディアを中心に活躍するフォトグラファー・野呂美帆さんが、普段の生活にも取り入れたいアウトドアアイテムを紹介。今回は、折りたたみ式で有名なオピネル(OPINEL)製のアウトドアナイフです。
キャンプや山登りを始めたら一つは持っておきたいアウトドアナイフ。調理用にはもちろん、枝を切ったりロープを切ったり、持っていると何かと活躍してくれる。最近では種類も増え、ケース付きのシースナイフ、ハサミやドライバーがついたマルチツール、さらには薪を叩き割れるほど頑丈なものまで見かけるようになった。
そんな数あるアウトドアナイフの中から紹介したいのは、折りたたみ式で有名なオピネル製のもの。選んだ理由はコンパクトで価格も手頃。使っている人を多く見かけるし、何よりフランス製という響きがいい。
サバイバルなことをするわけじゃないし、たとえナイフでもかわいいほうがいい! と、ほぼ見た目と知名度で決めてしまったが、買って大正解。かわいさで引かれた木の持ち手は自然と手に馴染み、使い込むほどに味が出て、慣れた頃には相棒のように愛着が湧く。
アウトドアナイフというと少し強いイメージがあるが、木の優しさがそれらを和らげてくれるよう。それでいて刃は切れ味がよく、しっかりしているので見た目以上に頼もしい。
オピネルはフランスで誕生したフォールディング(折りたたみ)ナイフの老舗メーカー。登山家や冒険家など、アウトドアユーザーの他にも芸術家や料理家などに愛用されているという。その理由の一つはサイズや素材の種類が多く、自分にとっての一番を見つけられるから。
ブレード(刃)の材質は2種類。錆びにくくて欠けにくいステンレス。手入れが楽なので扱いやすい。もう一つは、切れ味はいいが錆びやすいカーボン。その為こまめな手入れが必要になる。
持ち手のサイズは使う人や用途に合わせて6種類、ハンドルの素材はブナやウォールナットなど4種類。ここから自分だけの一本を見つけるのだ。
私はあえて扱いが大変なカーボンにした。メンテナンスをすればずっと長く付き合えると思ったから。その為にはまず、欠点である錆やすさを防ぐために黒錆加工を行う。
そして水分による膨張を防ぐため、木の部分(持ち手の部分)を油に浸すオイル仕上げというのを施す。使う前に全てを分解し、見よう見真似で進める作業は思いのほか大変だった。
しかし、そのおかげで頼もしさが増し、自分だけのナイフを手に入れた気がする。日常でも果物を切ったり、お菓子を切り分けたりと何かと出番が多い。その度にあのひと手間を思い出し、ずっと大切にしていこうと思う。
TEXT / 野呂 美帆(フォトグラファー)
この記事は、日常・非日常問わず、暮らしが豊かになるようなアイデアを提案するメディア『日非日非日日(にちひにちひにちにち)』からの転載となります。