シンプルで頑丈!職人の手作りで愛されてきたL.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」
アウトドアメディアを中心に活躍するフォトグラファー・野呂美帆さんが、普段の生活にも取り入れたいアウトドアアイテムを紹介。今回は、長年愛され続けてきたL.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」です。
頑丈でシンプルなキャンバス地のボート・アンド・トート・バッグ。説明するまでもないほど、長く、広く、世界中から愛されている。しかし、それがひとつひとつ手作りされ、氷を運ぶために作られたということはあまり知られていないのではないだろうか。
米国メイン州の自社工場で手作りされるトートバッグは、昔ながらの製法で職人の手により縫い上げられている。そのため、ひとつひとつ仕上がりが微妙に違っていたり、ミシン目がゆがんでいたりするが、それも手づくりならではの魅力のひとつ。
その歴史は長く、電気冷蔵庫がなかった頃まで遡る。冷蔵庫の代替品として使われていた氷の入った木製の箱「アイスチェスト」。そこに入れるための氷を家まで運ぶ道具として、丈夫なキャンバス地のバックが販売されたという。当時のカタログでは暖炉の薪を運んだり、収穫された野菜を運ぶなどの用途も紹介されており、今よりも生活に密着した暮らしの道具だったことがうかがえる。
それだけ丈夫なバッグは使えば使うほど味が出て、クタッと手に馴染むようになる。本来なら避けたいはずの汚れと色褪せも全く気にならず、むしろ大歓迎だと思ってしまう。少し汚れたキャンプ道具でもガンガン入れるし、河原の濡れた砂利に置くことにだって躊躇はない。だからと言って、アウトドアだけに使うわけではなく、ピクニックや旅行にも持っていく。
サイズは、ミニからエクストララージまでの5サイズ。ハンドルの長さやカラーも豊富で、荷物が出し入れしやすいオープントップとファスナーがついたジップトップがある。さらに特徴的なのは、イニシャルなどの刺繍が入れられるということ。これだけで一気に自分だけのオリジナルトートになる。私は思い出のワッペンをつけて、世界にひとつだけのトートバッグにした。
いつまでたっても価値が変わらず、長く使い続けたいと思わせてくれるボート・アンド・トート・バッグ。これからも多くの人に愛され、重宝し続けることだろう。
TEXT / 野呂 美帆(フォトグラファー)
この記事は、日常・非日常問わず、暮らしが豊かになるようなアイデアを提案するメディア『日非日非日日(にちひにちひにちにち)』からの転載となります。