子どもが好きなら“普通の料理”でも記憶に残る!? 「食育」の機会にするキャンプ料理
「キャンプから学ぶ」をテーマに、親子がキャンプを通して学べる“新しい視点”を提案する連載。各回その道に精通したゲストを迎え、子どもとキャンプへ行ったときにできる自然の学びをお伝えしていきます。今回のテーマは、「キャンプ×食育」。
■”食”への興味、もってる?
食べることは、生きること。楽しく食べることは、生きる喜びにつながっているんじゃないかなと筆者は考えています。
料理が主役になるキャンプは、“食”に興味をもつ絶好の機会。そこで、キャンプで子どもと一緒に実践できる「食育」のやり方についてご紹介します。
■「キャンプ×食育」を教えてくれる人
「ソトレシピ」代表 千秋広太郎さん
キャンプ料理専門レシピサイト「ソトレシピ」を手がける。“パエリアン”というキャンプ料理ユニットも発足するほど、大のキャンプ&料理好き。過去に「ソトレシピKIDS」という子供向けワークショップを開催。プライベートでは3児のパパとして親子キャンプを楽しんでいる。
Instagram:https://www.instagram.com/sotorecipe/
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=6JmWX5khLQs&t=3s
■「食育」とはどんなこと?
食育とは、子供達が様々な体験を通じて食に関する正しい知識、判断力、習慣を身につけて、人生を豊かにすることです。
文部科学省の食育推進基本計画によると、「子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けること」とあり、また、農林水産省では「様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てること」と定義されています。
■キャンプは「食育」でとても大切な体験ができる絶好の機会
キャンプでは食育で最も重要な体験ができる絶好のチャンスです。普段と違う自然の中という“非日常空間”だからこそ、2つの効果が期待できます。
1、料理への好奇心をそそることができる
キャンプでは“料理”が一大イベント。普段はママが料理担当でも、キャンプとなるとなぜかパパがやる気を出しているってことがあると思います。家族みんなで料理を作る空気になるので、子供達も自然と“ご飯を作る”ということに興味を持ちやすくなります。
2、記憶に残りやすい
一週間前の給食は覚えていなくても、キャンプという非日常体験ではワクワクしてテンションも上がっているので、何ヶ月後も何年後もそこで食べた料理は思い出という形で記憶に残りやすかったりします。だからこそキャンプで、自分で食材を知り、料理を作り、自分で作った料理を食べる体験は子供達にとって学びになります。
■用意するもの
・ローテーブル
・ローチェア
・子供用の小さなビニール手袋
・小さめの調理器具
があると、子ども目線で料理がしやすくなります。
子どもの月齢に応じて、使いやすい高さや大きさを用意しましょう。
\食材の調達は、道の駅を利用するのも◎/
食材に関しては、買出しから一緒におこなうことで今が旬の野菜やフルーツを知るキッカケに。
またキャンプ場へ向かう道中で道の駅や地元の産直に寄るだけでも、その土地の名産品を知ることができ、多角的な視点で食への学びを深めることができますよ。
■千秋さん流「キャンプ×食育」のやりかた
1、 子どもがきな料理を作る
親が張り切って凝った料理を作っても、子どもは興味を持たない……なんてことがあります。子どもにとって“料理を作る”行為は大きなチャレンジなので、まずはミートソースやハンバーグなど子ども達が好きなものを作ったり、好きな食材を使ったりして、テンションを上げて楽しませることが重要だと思っています。
2、調理場は子ども目線で作る
家のキッチンは大人が使いやすいように作られているので、子どもは踏み台を使って、気合を入れないと興味を持ちづらいもの。
でもキャンプなら調理台や食卓をロースタイルにすることで、子どもは見下ろす形で料理の現場を見たり体験したりできます。子どもの料理に対する物理的なハードルが下がるので、ぜひロースタイルで!
3、後片付けまで一緒にやる
作って、食べて、美味しい! というところまでではなく、その後の片付け、洗い物、ゴミ捨てまでをワンセットにして体験しましょう。“お残しをしたらもったいない”、“食べ物は大切に”という思考が芽生えるはずです。
■注意したいこと
1、子供の年齢に応じて対応を変えよう
3歳児に対する食育と、小学校高学年に対する食育は当然異なります。小さな子どもの場合は油を使う料理はせずに、ホットサンドのようなカンタンにできるものを。高学年であれば、食材のカットから炒めるところまでなど、少しハードルの高い調理をしてもいいと思います。
大事なのは、子どもの年齢や性格に合わせて調理方法や料理を選ぶことです!
2、食育に集中しすぎないで
これはわたしの実体験でもありますが、食育に意識を向けすぎて子どもの気持ちがついてこなかったり、料理に時間がかかりすぎてなかなかご飯が食べれなかったり……食育に集中しすぎたあまり、子も親も疲れてしまったことがありました。
ただでさえ、子どもと一緒にキャンプへ行くのは大人にとっても労力がかかります。サクッと作れるご飯は別で用意したり、パスタの麺を茹でるだけ、野菜は切るだけにしたり、子どもの役割は少しだけにしておくなど、慣れないうちのキャンプでの食育は適度に楽しむくらいの気持ちでいましょう。
■子ども達が楽しむことを最優先に
肩肘張らずに、自然の中でキャンプを楽しむ、その中でいつもと違った“家族で料理を作る”という体験を一緒にやってみる、くらいの自然な雰囲気でやってみてください。楽しみながら体験しているうちに、気が付いたら子ども達に食に関する知識や興味、感性が芽生えている、くらいの感覚がちょうどいいのではと思っています。
子ども達が楽しむことを最優先に、ぜひ今度のキャンプで食育を取り入れてみてくださいね。
■キャンプ料理のノウハウを知るなら
千秋さんが立ち上げた「ソトレシピ」では、キャンプ料理のレシピやキャンプギア情報などを積極的に発信中。キャンプ料理のノウハウを知ることができます。親子で食育を学ぶイベントも不定期開催しているので、「自分で教えるのは大変かも……」「子どもと一緒に作れるレシピが知りたい」「おしゃれで美味しいキャンプ料理が作りたい!」という方は下記SNSをチェック。
ちなみに、ソトレシピプロダクツの「シェラどんぶり」はソロキャンパー向けのほどよいサイズなので、子ども達の食器としてもちょうどいいサイズです!
▼ソトレシピ
Instagram:https://www.instagram.com/sotorecipe/
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=6JmWX5khLQs&t=3s
Twitter:https://twitter.com/sotorecipe
note:https://note.seethestars.jp/
LINE:https://page.line.me/sij7628v?openQrM...
▼ソトレシピのキャンプ道具ブランド「ソトレシピプロダクツ」
https://products.sotorecipe.com/
取材/山畑理絵
文・写真/ソトレシピ、山畑理絵(一部)