【ロングセラーの焚き火台02】ユニフレーム:ファイアグリル
その昔から今もなお脈々と、キャンパーに愛され続ける超定番の焚き火台をフューチャー。元GARVY編集者が、「ユニフレーム ファイアグリル」のロングセラーの理由に迫ります。
コスパ最強! そして頑強。使用の幅が広がる機能も満載!
ユニフレームのファイアグリルも、誕生から20年超えのロングセラーモデルだ。この間、改良などのマイナーチェンジはなく、発売当時の姿のまま、多くのキャンパーに愛用されている。同社のなかで毎年、出荷金額が不動の一位! 年間数万台を出荷しているという(詳しい数字は秘密とのこと)
さてこのファイアグリル、“壊れない焚き火台”との呼び声が高い。本体の炉のステンレス材は薄く、軽量にもかかわらず、ゆがみ知らず。編集部でも多くのスタッフによって使い込まれていたが、変形はしていなかった。いっぽう、ロストルは熱でベコベコに変形するけれど、使用には問題なし。使用歴20年以上のキャンパーも多いと聞く。
構成パーツが炉、脚、ロストルの3点とシンプルなのもいい。脚の開き方だけ、ほんの少し慣れが必要だけれど(上記のCHECK!参照)、全体的には軽量で組み立てやすく、収納もコンパクトで快適。そしてシンプルながらも、焚き火台の各所にギミックを搭載しているのがユニフレームならでは。
まず、目からウロコだったのが、脚の穴を使った吊り下げギアのFGポットハンガーとFGハンガー。ファイアグリルの脚は、強度、加工、重量を考慮してパイプを採用しており、爪との接合個所に穴があいている。これはただ単に構造上、そうなっているだけだったのだが、ユニフレームはこの穴を活用しようと考えた。
「普通にトライポッドを作ってもつまらないし、せっかく活用できる穴があったので作ってみました。見た目がスッキリしたほか、地面まで脚がない分、軽量化にもつながっています」と担当者。
調理で使う際、焼き網や鉄板を炉に対して斜めに置く構造も独特で、これにより、炭の出し入れもしやすくなっている。
こうしたユニフレームならではの機能が盛り込まれ、使いやすく、軽量でコンパクト、故障も少ないのにこの価格。間違いなくコスパ最強の焚き火台だと思う。
POINT 01 変形を防ぎ、空気を取り込むこの隙間、じつは重要なのだ!
コンセプトは「コンパクトで軽量な焚き火台」。軽量化=使用鋼材を薄くすることなので、薄くても壊れない設計にしているという。「熱によるゆがみは必ず発生するので、それを前提に“ゆがみを逃がす”方法をとっています。炉の角のスリットは、ゆがみ防止と空気取り込みのふたつの役割です」(担当者)
POINT 02 本体は薄くて軽量だけれどダッチオーブンOKな耐荷重
スリムな見た目なので、ダッチオーブンなど重いものはNGなのかな……と思う人も多いようで、問い合わせがよくあるという。けれどそんな見た目に反して、分散耐荷重は約20㎏! ダッチオーブンの使用も問題なくできる。
シリーズ製品
ファイアグリルsolo 4900円
GARVY’s CHECK!
脚の“穴”を流用する画期的アイデア 焚き火台の使用シーンが広がった
この穴を活用したギアが、FGポットハンガー(左写真)と、FGハンガー。FGポットハンガーは10インチまでのダッチオーブンを吊るすことができる。ユニークかつ機能的で、アイデアにあふれたギアだと思う。
脚を開く方向に要注意 でも慣れれば簡単!
4本の脚は収束金具でまとめられていて、開く向きと順番が決まっている。最初に収束金具の矢印シール正面に見た状態で、爪が上にくるように持ち、手前の脚を矢印方向に倒す。あとはイラストの順番で倒していけばOKだ。
炉にすべての付属品が収まるコンパクトな収納システム
付属品を炉の中に収納できるだけではなく、2台をひとまとめに重ねて収納もできる(上の写真)。ただし、焼き網が少し浮くので、持ち運びの際は収納ケースに入れたり、ベルトでまとめるなどの工夫が必要。
炭火調理時に快適な斜め置きのセッティング
焼き網や鉄板は、炉の上部に突き出た爪部分に載せる仕様。こうすることで、炉の四隅から炭を出し入れしやすいし、網の四隅は食材の保温スペースになる。網はがっちりと固定されるわけではないが、安定はしている。
ファイアグリルの主な年表
1998年 「ファイアグリル」発売。交換用の「焼き網」も同時発売
1999年 「ファイアグリルL」発売(Wサイズ版)
2002年 ファイアグリルやほかのBBQグリルでも使える「スーパーエンボス鉄板」発売
2006年 「へビーロストル」発売
2010年 囲炉裏型テーブル「ファイアグリルIRORI」「ファイアグリル収納ケース」などファイアグリル専用オプションが充実。
2014年 「ファイアグリルラージ」のほか、収納ケースやヘビーロストルを同時発売
2015年 「FGハンガー」、伸縮可能な囲炉裏型テーブル「UF IRORI EXT」発売
2016年 「FGポットハンガー」発売
2020年 「ファイアグリルsolo」発売
ユーザーからの「よくある質問」
じつは質問のトップは、上記でも紹介している“脚の開き方”に関することだった!
Q.脚を開くと、爪が下向きになってしまいます。
A.脚の開き方は順番があります(上記参照)。箱の裏にイラスト付きの説明がありますが、現地には本体だけ持っていく人が多いので、問い合わせが多いですね。
Q.ロストルが変形してしまいました。このまま使っていても大丈夫ですか?
A.ロストルは熱による変形でベコベコになってしまいますが、使用には問題がありません。気になる人は裏返して使っていただくか、スペアパーツ(1500円)も用意しています。