【ロングセラーの焚き火台04】コールマン:ステンレスファイアープレイスⅢ
その昔から今もなお脈々と、キャンパーに愛され続ける超定番の焚き火台をフューチャー。元GARVY編集者が、「コールマン ステンレスファイアープレイスⅢ」のロングセラーの理由に迫ります。
ゆらめく炎が幻想的で暖かい元祖“映える”焚き火台
コールマンの焚き火台といえば、最新のプレート型、ファイアーディスクが注目を集めているけれど、発売から13年経つロングセラーモデル、ステンレスファイアープレイスも変わらず人気だ。
本体は角型のパイプが井桁状に組まれた深型タイプ。大きめサイズの薪も気兼ねなく投入でき、その薪が燃える炎を、パイプ間に配されたメッシュ枠から眺めることができる。これがなんとも幻想的で雰囲気抜群。
たしか発売当時からGARVY編集部にも常備されていて、ちょっとおしゃれな感じのキャンプサイトを撮影したいときに、必ず持っていく焚き火台だった。今でいう「映える」焚き火台の先駆けだったように思う。
今回、久しぶりに使ってみて、やはりその雰囲気のよさと、機能性の高さを再認識。
見栄えだけでなく、空気を取り込み、燃焼効率を上げてくれるメッシュ窓。収納のコンパクトさや組み立ての容易さにひと役買っている炉側面2辺の折りたたみ機構。ダッチオーブンの重さに耐えられる、ゴトク兼ハンドル。また、火床のシステムも秀逸で、焚き火時は炉の最下部にセットするが、炭火でBBQなどをするときは、火床を炉の上部にセットできるようになっている。炭火と焼き網がほどよい近さになるというワケだ。この火床自体に空気孔はないので、炭が一度“熾”の状態になれば、けっこう長持ちするように思う。そんなふうにかゆいところに手が届き、スムーズに焚き火や調理ができる機能の数々は、使っていて心地いい。
ちなみに現行モデルはⅢで2015年にリリース。ⅠからⅡ、そしてⅢへの間は、軽量化やハンドル兼ゴトクの強化、遮熱板と灰受けの一体化など、使い勝手向上のためのバージョンアップが行われている。
昨今は焚き火ブームでさまざまな焚き火台がリリースされているけれど、改めてロングセラーの所以を感じた一台だった。
POINT 01 井桁型のデザインは燃焼効率が抜群
基本的な形はキャンプファイアーで用いられる井桁型をイメージしたという。キャンプファイアーの井桁状の薪の組み方は煙突のようになっているため、上昇気流が生まれて勢いのある炎が生まれる。フレームをこの形にすることにより、その効果を狙っているのだ。
POINT 02 使用時は大きく、収納時はコンパクトに
炉の2辺がM字形に折りたためるようになっていて、これが収納のコンパクトさと、セッティングの手軽さを両立。本体に少々重さはあるものの、開閉は力を入れることなくスムーズにできる。本体を広げるだけで、深めで大きく使える炉が出現する。
シリーズ製品
左から順に、
ファイアープレイススタンド 7980円
ファイアープレイステーブル 1万5800円
GARVY’s CHECK!
メッシュ枠から見える焚き火の炎が美しい
焚き火の炎が台の上からだけでなく、暖炉のように側面からも眺められるのが、この焚き火台の最大の特徴。さらに、「熱も側面から360度放熱でき、みんなが温まれるスタイルの焚き火台を作りたかったため、この構造にしました」と開発担当者。
ひとつで二役が快適 ゴトクにもなるハンドル
ハンドルを内側に倒すと、ダッチオーブンも載せられるゴトクに! ゴトクの耐荷重は約20㎏。12インチのダッチオーブンに水を満タンにした重量を基準としている。不安定なものは倒れる危険があるので、載せるのはNGだ。
使用時の安全性を確保するストッパー
火を扱うものだから、安全面も考慮されているのは安心。ステンレスファイアープレイスには、炉の折れ曲がり防止と、脚のぐらつきを抑え、しっかりと固定するストッパーが装備されている。セッティング時に忘れずに行っておきたい。
関連シリーズでグッドデザイン賞を受賞
ステンレスファイアープレイスⅢ、ファイアープレイススタンド、ステンレスファイアープレイステーブルなどの関連シリーズで、2015年のグッドデザイン賞を受賞。「焚き火の道具本来のシンプルさの追求と、思いがけない事故を防ぐ、安全性を追求」した点が評価された。
ステンレスファイアープレイスの主な年表
2007年 「ステンレスファイアープレイス」発売
2008年 炉のサイズが約50×50㎝でひとまわり大きい「ステンレスファイアープレイスM」を発売
2012年 「ファイアープレイステーブル」が発売
2013年 セットアップを簡単にするために炭受け皿と遮熱板を一体化に改良した「ステンレスファイアープレイスⅡ」を発売。Ⅱがグッドデザイン賞を受賞
2015年 「ステンレスファイアープレイスⅢ」を発売。ファイアープレイス関連シリーズがグッドデザイン賞を受賞
ユーザーからの「よくある質問」
ステンレスファイアープレイスの質問は、BBQ使用時についてのふたつ!
Q.BBQのとき、火床が遠くてなかなか食材が焼けません。
A.炭火を使用するときは、灰受け皿を炉の上部にセットしてお使いください。
Q.網がぐらぐらして不安定なのですが……。
A.BBQ用の網は炉のパイプの高いほうにセットします。焼き網の脚がハンドルの付け根の内側にしっかりとはまるようにセットすれば、ガタつきを抑えられます。