「子連れファミリー限定」キャンプ場オーナーの想い【キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原】
毎日を「キッズキャンプデイ」として、徹底して子連れファミリー向けのキャンプ場づくりを行っている「キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原」。じゃぶじゃぶ池、ボルダリング、ボール遊び広場、クリスタルハンター(宝石探し)といった子どもが1日中遊んでも足りない設備に加えて、ビンゴ大会やスーパーボールすくい等のイベント、さらにツリークライミングやSUPなど子ども同士で、あるいは親子でたのしめるアクティビティも満載だ。
ここまで子ども向けに特化したキャンプ場になったのには、オーナーである池上壱朗さんの経歴が関係している。「前職は20年以上に渡って東京の丸井で、バイヤーを務めていました。SONYのウォークマン、CASIOのデジタルカメラ、携帯電話…時代の変わり目を象徴する商品が世の中にデビューしていく真っ只中、最前線でがむしゃらに働き、目標達成の為、寝ることさえ忘れていました」(池上さん)
猛烈に働いたバイヤー時代に「すべての商売はターゲットが基本」と痛感したことが、同キャンプ場の「子連れファミリー限定」(大人だけの場合は2名まで)という明確なターゲット設定につながっている。
とはいえ「子連れ限定」と銘打つには、葛藤もあったという。「当初はかなり迷いましたし、失敗も多くありました。大人の方のグループをお断りするからにはマイナス面も生まれます」
それでも池上さんはプラスの面を見て、現在のスタイルに舵を切った。「プラス面は可視化しにくい部分も多いのですが…イベントやサービスの創造、施設の拡充など、ターゲットに沿ってさまざまな変遷を経てきましたが、対象を明確にしていることで迷うことがなくなりました。そのためアイデアが形になるまでのスピードにも弾みが付き、これも我々の強みになっています。結果的に多くのお客様から支持を得ており、うれしい限りです」
また同キャンプ場には、他のキャンプ場には見られない施設が並んでいる。窯焼きピザ屋“PIZZA HOUSE”、鉱物のワークショップや販売等を行う“KOOBUTSU KOBO(鉱物工房)”、エステサロン“akubi”…人気を博しているこれらの施設は、池上さんの危機管理意識とスタッフの個性から生まれたという。
「昨今の感染症の流行、天変地異など、アウトドア事業経営を脅かす事態が現実に起こりえることを実感し、危機感を強く感じています。そこで、キャンプ場とは一線を画す第2、第3の事業を模索しています。様々な個性を持ったスタッフが集まっていますので、個性を活かせる事業を展開しているところです」
個性豊かなスタッフを束ね、人気のキャンプ場を率いる立場にある池上さんは、驚いたことにキャンプの経験がゼロだという。「虫が嫌いなんです。スタッフにも常々キャンプの経験がないと言っていますが、本当なんです」。
ではなぜ有名企業のバイヤーからキャンプ場オーナーにたどり着いたのだろうか。池上さんが脱サラを考えはじめたころ、当時アメリカに750近いキャンプ場を持つ『KOA』を運営する機会に恵まれたことが現在の道につながっていた。「すべてはタイミングだったと思います。何をするにも初めてのことばかり。丸井とはまた別のことをたくさん勉強しました」
池上さん自身にキャンプの経験がなくとも、もちろん興味がないわけではない。キャンプを経験していないからこその新鮮な視点と、キャンプが得意なスタッフの専門的な視点。さらに現地やインターネットで集まったゲストの声を掛け合わせて、現在のスタイルが形作られている。池上さんは語る。「お客様とスタッフととともにここまで築き上げ、唯一無二の形になっていると思います。その結果、さらにお客様がよろこんでくださる循環ができていることが何よりもうれしいですね」。子どもとの思い出を作るのに最高の舞台がここにある。
キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原
https://www.camp-cabins.com/
〒325-0304 栃木県那須郡那須町高久甲5861-2
TEL:0287-64-4677(受付時間 am 9:30〜pm5:00) *予約はオンラインもしくは電話にて受付。