
2日に1日は天の川!?太平洋を一望できるキャンプ場【南紀串本リゾート大島】
本州最南端にあたる和歌山・紀伊大島のキャンプ場「南紀串本リゾート大島」。太平洋を一望できるロケーションから臨む満点の星空が自慢で、街灯や自販機の蛍光灯をできるだけ減らしたこともあり、平均すると2日に1日は天の川が見えるというから驚きだ。テントのほかコテージ泊、グランピングもたのしめる。

「そもそもロケーションが最高なので、それを壊すことなく、自然のままの良さを最大限引き出すことを理想としています。華美に作りこまず、皆さんがこの場の自然を愛でるための場所であり続けたいですね」
そう語るのは、オーナーである南畑義明さん。星空を満喫するため、お客様もキャンプ場の施設も一斉に全ての明かりを消して星空を眺めるイベントを行ったことも。「真っ暗な中、みんなの目が徐々に慣れる。天の河が見え、感嘆のため息が漏れる。流れ星が流れると『ワッ』と一斉に歓声が上がる…15分ほどの束の間ですが、あまりにきれいな星空に感動し、泣いている方も。僕や他のスタッフも思わずもらい泣きをしてしまいました」。
星空に加えて、もうひとつの自慢は露天風呂。男湯・女湯に加えて、貸切専用が4つの合計6つの風呂がある。キャンプ場内で太平洋を眺めながら露天風呂に入れるのは至福の時間になること間違いないだろう。


南畑さんにお気に入りの箇所を訊ねると、キャンプ場への導入部分という答えが返ってきた。「車がギリギリすれ違えるくらい狭くて曲がりくねった道を1キロほど通ってやっと入口に辿り着くんです。道中は植物も繁っていて、空もあまり見えません。それがキャンプ場に着いた瞬間、視界がバーっと開けて、空と海、さらに緑の芝生、キャンプを楽しんでいる人たちが同時に目に入ります。『キャンプ場に着いたぞー!』と高揚感を感じられますね」
南畑さんが同キャンプ場で大切にしているのは、お客様だけでなく、同時にスタッフもしあわせを感じられる場所であること。「お客様に褒めてもらえるのは何よりもうれしいからこそ、スタッフを巻き込んでサービスをついやり過ぎてしまうこともありました」(南畑さん)。
しかしスタッフに過度に負担がかかってしまい、キャンプ場を嫌いになっては元も子もない。「効率化できる部分は効率化し、たとえ非効率でも想いを込めたいところはそのまま残す。そのバランスを考えるのがキャンプ場オーナーの仕事で一番難しく、楽しいところだと思います」。
具体的には、キャンプ場の予約受付は電話を廃止してネットのみに。前日の深夜まで作業が発生するサイトの割り当て作業も止め、チェックイン時の説明は動画にした。それらに対し「サービスの質が下がった」と感じるお客様もいるかもしれないが、スタッフの負担を減らすことを優先した。
「負担が減るごとに、スタッフがお客様やキャンプ場をさらに好きになるんですよね。スタッフが楽しく働いていれば、その結果、サービスがいいと感じるお客様が増える。ここに私たちならではの場をつくる醍醐味があると感じます」。
父がオープンさせた同キャンプ場を、南畑さんは小学校5年生のときには跡を継ぐと決めていたという。「でも高校を卒業後、いざ本格的に働き始めてみると父と全然反りが合わず、しばらく働いては離れて、また出戻って、と繰り返していました」。
家業を離れている間は新聞記者、航空自衛隊とさまざまな職を経験。町会議員選挙に出馬したこともあったという。結果は惜しくも落選だったが、いつかキャンプ場を継ぐのだからこそ、それまでどんなことも経験しておこうと常に家業のことが頭にあった。
28歳からは現場を一任された。最初は苦労も多かったが、中学のときから現場を手伝っていた経験と周囲のスタッフの力添えで運営が軌道に乗った。

同キャンプ場を訪れ、天の川を眺めたゲストからは「一生の思い出になった」との言葉が出ることも。この言葉は、素晴らしいロケーションでキャンプができたよろこびに加えて、イキイキと働き、ゲストとともによろこんでくれるスタッフあってこそのものに違いない。
南紀串本リゾート大島
https://resortohshima.com/
〒649-3631
和歌山県東牟婁郡串本町樫野1035-6
*宿泊予約はHPより。