遭難した登山者の踏み跡を辿ってしまうことも。日本の登山道の「迷いやすい地点トップ5」
春夏秋冬、それぞれの表情を見せる山。四季の変化や自然を体感できる登山の人気は年々上昇している。しかし、そこには常に「道迷い」の危険が潜んでいることを忘れてはいけない。
毎年3,000人前後が期せずして山岳遭難に遭う中、その最多要因となっているのが「道迷い」である。この「道迷い」による遭難の予防策として活躍するのが、登山地図GPSアプリ「YAMAP」だ。
「YAMAP」とは、スマートフォンのGPSで現在地と登山ルートがわかるアプリで、電波の届かない山の中でも利用することができる。いわば、登山を楽しく安全にするツールであり、2021年6月には累計250万ダウンロードを突破した、日本最大の登山・アウトドアプラットフォームだ。
「YAMAP」の機能であるフィールドメモでは、登山活動中の「危険な箇所」から「おすすめのスポット」まで、あらゆる現地情報を『地図上』で一覧することができる。現地で得られた様々な「フィールドメモ」をその場で投稿すると『地図上』に集約表示され、他の登山者と共有することができる。
こうして「YAMAP」に投稿された2万件以上の#迷いやすい投稿と登山者の軌跡データをもとに、日本の登山道の「迷いやすい地点トップ5」が選び出された。
①270件 丹沢山の櫟山〜栗ノ木洞(関東 / 神奈川)
②160件 猿投山の東昌寺から南北方向(中部 / 愛知)
③159件 雨乞岳の沢谷ノ頭〜登山口(関西 / 滋賀・三重の県境)
④112件 西丹沢の大界木山〜浦安峠(関東 / 神奈川・山梨の県境)
⑤66件 太白山の山頂付近(東北 / 宮城)
「迷いやすい地点トップ5」の特徴として、道なりに歩いてしまったり、遭難した登山者の踏み跡を辿ってしまうケースが多い。
「YAMAP」ではこのようにして、リスクの高い地点をビッグデータから抽出し、維持管理に取り組む自治体などにも共有し、標識の設置を呼びかけるなど、道迷いによる遭難をゼロにする活動を推進している。
その他にも、「YAMAP」には、山行の軌跡や写真を活動記録として残す機能がついている。山の情報収集に活用したり、全国の登山好きと交流することも可能だ。
「YAMAP」は情報の共有から見えてくる「迷いやすい」道の実例が、登山者の安全意識向上に寄与する、ひとつのきっかけになればと考えている。