ガルヴィ30周年特別企画 「パートナーブランドと振り返るキャンプシーン」 〜オンウェー泉里志代表インタビューその2〜
オンウェーの歴史
1995年、輸出入をメインとする商社として創業。時間があるときに請け負ったあるファニチャー工場の検品仕事をきっかけに、よりよい品を作ろうと一念発起し、製品開発がスタート。以降、ハイテク素材の使用、大胆な発想でファンを獲得している。
泉里志 代表取締役
商社勤務ののち、1995年オンウェー株式会社を設立。大規模プロジェクトに参画する合間に、独創的なファニチャーを発表し、グッドデザイン賞を7回受賞している。
日本独自のキャンプスタイルを世界に輸出
オンウェーという名前が我々の耳に届き始めたのは、2000年代に入ってからのこと。 年代のキャンプブームがひと段落し、ガルヴィ本誌でもいろいろなことに挑戦していた時代だ。
「オンウェーはもともと輸出入を行っていて、国際的なプロジェクトにも参加していました。でも、そういう仕事は忙しい時期が限られています。空いた時間にやってほしいと、ある企業から頼まれたのが、キャンプ用チェアの検品。現地で目にしたのは、おそろしく原始的な工程で、当然、不合格品の割合も多い。これなら自分で作るほうがまともな製品ができる。そう考えて工場を借りたのがメーカーとしての第一歩でした」(泉さん)
隙間時間の検品から 自分で製品を作る!
以降、泉さん自身が企画、開発した製品を、国内外のアウトドアブランドにアピールしてきた。オンウェーブランドを発売するまでは、徹底して市場を影から支えており、泉さんの作品群を見ればいかに影響力が大きいかがよくわかる。
ものづくりひと筋で、国内外の企業と渡り合ってきた泉さんに、キャンプ業界のこの年の印象を教えてもらおう。
「かつては、アウトドアレジャー先進国である欧米ブランドのものを輸入してきました。けれども、欧米は個で、アウトドアも大人同士で過ごします。それに比べて日本のキャンプは家族が中心。狭い国土や小さなクルマに適するよう、リデザインして独自の進化を遂げています。
近代日本の産業と同じで、日本独自に変容したキャンプスタイルを、海外に輸出している状況なんですよ」(泉さん)
インタビューその3に続く
聞き手/大森弘恵
写真協力/オンウェー