【もしも私が山を買うのなら vol.2】山ってたくさんあるけど何基準で選ぶのが正解?
「もしも私が山を買うのなら」をテーマに、全3回に渡りお届けしている本コラム。前回は自分だけの山があったらどんな楽しみ方ができるのかについて妄想を広げましたが、実際に山を買うとなったら何を基準に選ぶのが正解なのでしょうか......?
焚き火台、テント、ケトル、リュック......一通り持っていても、その美しさに一目惚れしたり機能が優れているものを見つけると、つい買ってしまうキャンプギア。これはソロキャン用、これはみんなで行くときに使えるかも、これは持っているけど今しか買えないかもしれないし……。キャンプにハマり出し、言い訳がどんどん上手くなっている気がします。だって欲しいんだもん。
キャンプは底なし沼とはよく言ったもので、私よりもずぶりと沼にはまっている夫が、ある時うれしそうに言うんです。
「ねえ、山って結構安く買えるらしいよ!」
正気か?と思いましたが、気持ちはちょっとだけわかります。自分が求めている究極のキャンプを考えていたら、今度は自分だけのキャンプ場。うん、憧れるけど、ここは冷静さを取り戻し「ちょっとそれはキャンプギアを買うような話じゃないよ」と言ったら「わかってる、でも考えるとわくわくしない?」って。確かに。
今回は「宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!」を参考に、自分に合った山の選び方について考えたいと思います。
まずは自分たちの理想の山を考える
まず、私はなぜ山が欲しいのか。どんな山だったらそれが叶えられるのかを洗い出してみることに。
【なぜ山が欲しいのか】
・静かな場所でキャンプや焚き火を過ごしたい
・自分たちで開拓をしてみたい
・どこのキャンプ場へ行くか毎週考えたり予約する手間を省きたい
【自分の山でやりたいこと】
・夫婦2人、もしくは友人や家族を呼んで10名以下くらいでキャンプ
・ロッジを建てて、週末にのんびり過ごす(ON・OFFを切り替える場所に)
・自然を楽しむ。山菜を採ったり畑も再開させたい
やはり軸はキャンプですが、せっかく自分の山があるなら、地元の畑でやっていた家庭菜園も再開させたい。週末に行きたいので、都心からアクセスが良く、自然が豊かで静かで、それでいて景色がきれいな高台がいいな。でも大人数で集まったりキャンプ場をやりたいわけではないので広さはそんなにいらなそうです。
そもそも山って簡単に買えるのか?
一般に山と呼ばれるような森林は、日本の国土の約3分の2を占めます。そのうち国が所有する国有林が約3割、都道府県や市町村が所有する公有林が約1割で、残りの約6割は個人や企業が所有する私有林です。通常、国有林や公有林は変えませんが、市有林は不動産屋などで取り扱っており、誰でも自由に売買することができます。(引用)
宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!
山といえば三角形のいわゆるお山を想像していましたが、不動産登記上の地目が山林や原野であれば山なんだとか。想像していたお山も山だし、森を切り開いて造成された場所も地目によっては山扱いになるそうです。
そうか、山は不動産屋で買えるのか……!車でひょいっと1時間半ほどで行ける山が美しい場所なんて、いくらでもあるぞ。週末にでもその辺りの不動産屋さんを覗いてみようか。見るだけですよ、見るだけ。ちなみにまずは情報を集めたいのであれば、数は少ないですが山林専門の不動産サイトを覗いてみたり、森林組合に相談するのも手とのこと。山の素人からしたらプロの話を直接聞けるのは心強い。
チェックポイントは「目的に合っているか」
予めチェックポイントを決めておくと、相談もスムーズに進みそうです。
何より大事なのは、自分たちの目的に合っているか。せっかく買ったのに使わないのでは、元も子もありませんし、土地を買う以上管理責任は自分たちにあることを忘れてはいけません。
「わたしが買う場合」のチェックポイント
①地目と都市計画法をチェック
- 小屋を建てることや、畑を作ることは可能か?
②アクセス
- 車で気軽に通える距離か?(車で1時間半以内)
③気候とハザードマップ
- 雨が多い地域ではないか?
- 雪が積もりやすかったり、台風の多い地域ではないか?
(常駐ではないので、すぐに対策や対応ができない可能性があるため)
- 土砂崩れや津波の恐れはないか?
④インフラが整っているか(長期滞在することを考えると重要!)
- 電気、ガス、水道、下水を引き込むことができるか?
- 携帯の電波は届くか?Wi-Fiはつながるか?
他にも、規制や条例から山林の種類(自然林 or 雑木林)に自治体まで、考えることは多そうです。もちろん資金も(あちゃ〜)。
やっぱり山を買うんだもん、簡単じゃないよね〜と思いつつ、調べれば調べるほど気になってくる自分の山!とはいえ、責任も重大です。ブームに乗っからずに慎重に、でも楽しみながら今日も妄想を膨らめたいと思います。
次回は「山の購入に必要な手続きや管理など」を一緒に勉強しましょう。それではまた!
引用元:宝島社 田舎暮らしの本 山を買いたい!