【南宗谷】猿払・浜頓別・中頓別・枝幸 体験観光①
全国各地に遠征してキャンプを楽しむアウトドア好きにとっても、北海道は別格。対向車もほとんどいないまっすぐな道。その果てに地平線が見える。キャンプ場は安価なところが多く、広々として、自由。
北海道といっても広大で、地域によってまったく異なる表情を見せてくれますが、北海道最北端・宗谷岬から、オホーツク海に沿って南下する「南宗谷」地域は、海産物が特に豊かなことで知られます。もっとも知られているのは、猿払村のホタテ、枝幸町のカニでしょう。
道北を旅する人が目指す宗谷岬。そこから南下したこの「南宗谷」地域こそ、北海道らしさを存分に満喫できるところです。キャンプ場もそれぞれ充実していて、すてきなコテージも含め、今回、2泊3日で楽しむルートを取材しました。実際に、ファミリーでキャンプしながらのんびり過ごすなら、4泊5日くらいで巡るとちょうどいいかもしれません。
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●道の駅さるふつ公園 「さるふつまるごと館」 でホタテの殻剥き体験(猿払村)
国道238号は「オホーツクホタテロード」という愛称があります。猿払村でのホタテは稚貝を撒いて海で育てる天然もので、旨みと貝柱のバランスがとてもいい。国道沿いの道の駅さるふつ公園にある「さるふつまるごと館」では、ホタテの殻剥き体験ができます。
驚くほどの大きさ、重さの5年物のホタテ2枚で1080円。専用のヘラを貝殻の隙間に差し込み、貝柱を切り離します。やってみると意外に簡単。貝殻が開くと、かなり大ぶりの貝柱がそこにあります。
どうですか、この大きさ! これを、その場で焼いて食べることができます。もちろん、キャンプ用に買って帰ることもできます。
さるふつまるごと館では、この日、5万円の値のついた鮭児は別格ですが、本州では見たことがないような安さで魚介類が売っています。キャンプの食材はここで!
◆さるふつまるごと館 営業:9時~17時30分(12月~3月は10時~) 不定休
●さるふつ公園キャンプ場(猿払村)
隣接してキャンプ場があります。お風呂は道の駅の「さるふつ憩いの湯」が利用できます。13時~19時30分(受付は19時まで) 木曜休 450円
◆さるふつ公園キャンプ場 営業期間:5月~9月末(バンガローは10月末) キャンプ1泊400円(小学生200円)、バンガロー5000円(4人用)
●猿払村イチゴ農園(猿払村)
猿払村では、閉校となった小学校跡地で夏イチゴの栽培に取り組んでいます。気温の関係で夏野菜の栽培も厳しい地域ですが、新たな特産品にしようと、IoTを活用したビニールハウスで、施肥や水、気温などすべて自動で管理しながら4種のイチゴを栽培しています。 大阪の有名な「堂島ロール」と組んでの「猿払村産いちごの練乳ジャムロール」は、さるふつまるごと館で買えます。
いまは生産設備として稼働していて見学はできませんが、いずれ、イチゴ狩りなどができるようになるかもしれません。
●クッチャロ湖・水鳥観察館(浜頓別町)
春と秋には白鳥などの渡り鳥が多く飛来する、国内最北のラムサール条約指定地です。周囲30kmと大きな海跡湖で、大小二つの沼があり、湖畔がキャンプ場となっています。
春は5000羽、秋は2000羽くらいの白鳥がここで休息し、渡りの準備をします。ギャアギャアという鳴き声は、最盛期は1kmほど離れた市街地まで聞こえるほど。
昼間に訪れるのももちろんいいのですが、ここは夕陽の名所。クッチャロ湖越しに、太陽が丘陵の向こうに沈んでいきます。キャンプ場に泊まれば、テントの前でこのダイナミックな日没の時間帯を過ごせます。
併設された水鳥観察館は、観察できる水鳥だけでなく、さまざまな鳥や動物を剥製とともに解説。望遠鏡もあるので、室内から水鳥を観察できる。
◆水鳥観察館 営業:9時~17時 月曜・祝日の翌日休 無料
●クッチャロ湖畔キャンプ場(浜頓別町)
湖畔に広がるフリーサイト。夏は多くのライダーで賑わいます。お風呂は隣接するはまとんべつ温泉ウイングが利用でき(11時~21時(受付は20時30分まで)、550円)ます。トイレは洗浄便座つき。
◆クッチャロ湖畔キャンプ場 営業:5月~10月 大人400円
●はまとんべつ温泉コテージ(浜頓別町)
内湯が掛け流しの温泉というコテージ。1泊2万900円の定員4人のコテージが3棟、1泊3万800円の定員8人が1棟(写真)。屋外で食事をするスペースもあり、テント泊でなくてもアウトドア料理を楽しむことができます。建物内はとても広く、4人で4人用コテージに泊まれば一人あたり1泊5000円強。ホテルに泊まるよりもかなりのお得感があります。
◆はまとんべつ温泉コテージ 4人用1泊2万900円、8人用1泊3万800円(10月~4月は+暖房費1650円) 年末年始休
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