【南宗谷】猿払・浜頓別・中頓別・枝幸 体験観光③
全国各地に遠征してキャンプを楽しむアウトドア好きにとっても、北海道は別格。対向車もほとんどいないまっすぐな道。その果てに地平線が見える。キャンプ場は安価なところが多く、広々として、自由。
北海道といっても広大で、地域によってまったく異なる表情を見せてくれますが、北海道最北端・宗谷岬から、オホーツク海に沿って南下する「南宗谷」地域は、海産物が特に豊かなことで知られます。もっとも知られているのは、猿払村のホタテ、枝幸町のカニでしょう。
道北を旅する人が目指す宗谷岬。そこから南下したこの「南宗谷」地域こそ、北海道らしさを存分に満喫できるところです。キャンプ場もそれぞれ充実していて、すてきなコテージも含め、今回、2泊3日で楽しむルートを取材しました。実際に、ファミリーでキャンプしながらのんびり過ごすなら、4泊5日くらいで巡るとちょうどいいかもしれません。
●これまでの記事
【南宗谷】猿払・浜頓別・中頓別・枝幸 体験観光①
【南宗谷】猿払・浜頓別・中頓別・枝幸 体験観光②
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●オホーツクミュージアムえさし(枝幸町)
枝幸町やオホーツク海沿岸の歴史・自然の展示をしているミュージアムで、とりわけ、オホーツク文化を今に伝える「目梨泊遺跡」の出土品などの展示に力を入れています。
オホーツク文化とは、 北海道の他地域の擦文文化や続縄文文化とは別の、オホーツク海をとりまく樺太や南千島に広がっていた文化。ロシアの少数民族との共通点も見出されます。
北の浜頓別町との境にある神威岬の南側、目梨泊(めなしどまり)遺跡から2018年に出土した、金の刀、金銅装直刀。発掘調査に参加していた高校生が見つけたものです。未解明なことがとても多いオホーツク文化の解明の足がかりになるかもしれません。
◆オホーツクミュージアムえさし 営業時間:9時~17時 月曜・最終火曜休(祝日の場合は翌日休) 無料
●ピンネシリオートキャンプ場(中頓別町)
道の駅ピンネシリに併設されたキャンプ場。かつて国鉄天北(てんぽくせん)線の敏音知(ぴんねしり)駅だった場所。道路を挟んでピンネシリ温泉望岳荘があります。4名用・6名用のコテージや、コンテナをベースとした宿泊施設「コンテナボックス」もあり、こちらは通年営業中。
◆ピンネシリオートキャンプ場 営業期間:5月~10月中旬 入場料300円 水道・電源付きサイト:2000円、一般カーサイト:1500円、テントサイト:300円(荷物搬入時は車両乗り入れ可)
コテージは、料理用具や食器類、炊飯器や電子レンジまで一式そろっていて、食材を買ってくればここで料理をすることができます。もちろん、持ち出して屋外で食事をすることも。コテージ内には清潔なバス・トイレ付き。通年営業なので、少し寒くなったとき、あるいはキャンプ中に雨になってしまったときなどにも便利です。
◆ピンネシリオートキャンプ場 コテージ 4名用(2棟あり)1万2000円(10~4月は1万円+暖房料1500円)、6名用(2棟あり)1万8000円(10~4月は1万5000円+暖房料1500円)
キャンピングボックスは、スノーピークやコールマンの食器類などでそろえた新しい形の宿泊施設。こちらも通年営業です。
◆ピンネシリオートキャンプ場 キャンピングボックス 4人用1万2000円(10~4月は1万円+暖房費1500円)+入場料1名300円
●数の子づくり体験(枝幸町)
テストケースとして開催された、数の子づくり体験。春先に枝幸で採れ、冷凍しておいたニシンは、頭と内臓は処理されているので、まずはハサミで切り開き、数の子を取り出します。薄い膜が張っているので、それを丁寧にピンセットで取り除きます。これがけっこう大変な作業。市場に出回っている数の子も、こうして作られているのかと実感できます。また、ニシンの大きさは同じように見えて、卵の大きさは個々に異なることもわかりました。
最終的には、数の子を取り出した後の身とともに発泡スチロールに入れて持ち帰ります。なので、行程の最終日、最後にスケジュールされていました。
まだテストケースなので、一般では体験できないのですが、実際に誰もが体験できることになったら、ほかにはない、とても珍しい体験になると思います。作業もおもしろいのですが、講師の方は実際に漁に出る方なので、漁師の方ならではのリアルなお話をうかがえることもまた貴重な体験です。
●エサヌカ線(猿払村)
地平線まで続く、まっすぐな道。こんな道は、北海道でなければお目にかかれません。道の両側は牧草地。夏場は多くのクルマやバイクが訪れますが、晩秋だったので、この景色を独り占めできました。
◆エサヌカ線 見学自由
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好天に恵まれた晩秋の2泊3日の南宗谷体験観光。すでに体験観光として人気を博しているところ、今後開催すべく検討しているところをいくつも訪ねました。いずれも、ここ南宗谷…猿払、浜頓別、中頓別、枝幸でなければできない施設、経験でした。ご覧になった皆さんも、「これはぜひ行ってみたい」と思うところがいくつもあったのではないでしょうか。
また、このエリアのキャンプ場や、併設されたコテージも、大変満足するものでした。筆者はバイクでのキャンプツーリングでこのエリアは何度も訪ねていますが、コテージは初めて。コテージならば、テントやシュラフを持っていない方でも、外で食事を作って食べるなど、アウトドア的な旅を楽しむことができます。
南宗谷は、滞在して体験や観光を楽しむにはとても魅力的な地域です。記事末にアンケートがありますので、北海道でのキャンプを経験している方も、北海道に行ったことがない方も、ぜひご回答ください。抽選で南宗谷の特産品が当たります。
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