ガルヴィ30周年特別企画「パートナーブランドと振り返るキャンプシーン」〜キャプテンスタッグ高波文雄社長インタビューその2〜
キャプテンスタッグの歴史
1967年、高波文雄さん、久雄さん兄弟が地元新潟で「パール金属」を設立。1975年にアメリカで見たバーベキューに衝撃を受け、バーベキューコンロ開発に取り組み翌年発売。これがキャプテンスタッグブランドのはじまり。当初はパール金属の一部門にすぎなかったが、2012年に株式会社として「キャプテンスタッグ」が独立した。
高波文雄社長
地元の金物商品を販売するために兄弟で起業。3層鋼キャンピングクッカーなど、職人の技術を生かした製品開発を推進している。
道具にあふれた今も“足りない”ものだらけ
1990年代に入ってからも、今となっては当たり前となった開くだけで準備ができるV型コンロ(アーガスV型バーベキューコンロ)、虫よけ効果をもたせたメッシュ付きタープ(ラニーメッシュタープ)、ビーチパラソルよりも効率よく日陰を作れる自立式のサンシェルターなどキャプテンスタッグは“日本初”を連発している。
「ラニーメッシュタープ」は高波ファミリーがキャンプをしているときに、息子・洋介さんが発した「虫がイヤ」をヒントに開発。これは日本におけるスクリーンタープの第一号だ。
「ブランド力が高まったと感じたのはガスバーナーの開発からでしょうか。今でこそSOTOやスノーピークなどいろいろなメーカーが作っていますが、日本ブランドのバーナーはカセットボンベ式ばかりで、いわゆるダルマ型のガスボンベはコールマン、EPI、プリムス、キャンガスなど海外ブランドしかありませんでした。そこでいち早く日本ブランドのダルマ型ガスボンベ開発に取り組んだんです」
十八番の足りないものは作るがここでも発揮されたというわけだ。
「ご存知の通り、日本でガス製品を開発するのは非常に大変。世界一厳しいと言われる検査機関を通さなくてはならないのですから。
とくにガスボンベは厳しくて、検査官にここがダメと指摘されては改良するの連続。1年かけてようやく製品化にこぎつけました。
大変な仕事でしたが、あれよあれよという間に全国の店にロゴが入ったガスボンベが広がり、店先にロゴ入りののぼりが立っていく様に感激したものです」
現在のキャンプ場を見回してみると、テントや寝袋だけでなく、ポータブル電源と家電など収納ボックスにあふれんばかりの道具を持参しているキャンパーが多い。
足りないものを見つけるのが難しい時代と思えるのだが、それでもキャプテンスタッグからは毎年続々と新製品が投入されている。
シェラカップ関連製品がヒット
「たとえばシェラカップはキャンパーならだれもが持っている道具です。
シェラカップ型ザル、シェラカップで調理するためのフタ、まとめて持ち運べるスプーンやケースなど関連製品を作ったところ、どれも大きな評判となっているんですよ」
写真はシェラカップといっしょに持ち運べる「シェラカップスプーン」、そしておろし金など忘れがちな調理道具がまとまった「シェラカップ調理器 調理器セット」。
ほかにも「すくえるボウル・ザルセット」「シェラカップ用フタ」「シェラカップケース」など、シェラカップひとつで関連小物のバリエーションが次々に生まれているのだから恐れ入る。
インタビューその3へ続く